
2人組女性ラッパーユニット、HALCALI(ハルカリ)の楽曲「おつかれSUMMER」がアジアでブレークの兆しを見せている。22年前の2003年(平15)年9月に発売したファーストアルバム「ハルカリベーコン」の中の1曲で、世界的音楽配信サービス「Spotify」を中心に急伸長している。
HALCALIは、小学生時代にダンススクールで仲の良かったHALCAとYUCALIで結成した音楽ユニット。2002年(平14)に「female ラッパー・オーディション」で優勝して、翌03年1月にシングル「タンデム」でメジャー・デビューした。
全面プロデュースを担当したのは、人気ヒップホップグループRIP SLYMEのRYO-ZとDJ FUMIYAのプロデュースチーム「O. T. F(オシャレ・トラック・ファクトリー)」だった。彼らは「タンデム」をはじめ「エレクトリック先生」「ギリギリ・サーフライダー」などの作品を手がけた。関係者は「日本ばかりではなく欧米でも大人気だった」と振り返った。
その中の1曲が「おつかれSUMMER」。当時はファーストアルバム「ハルカリベーコン」に収録されただけだった。それが、楽曲発表から22年たった今、「斬新なヒップホップと彼女たちの音楽性が見事に融合した楽曲」と評価が高まっている。「どうやら海外によって発信されたTikTokがバズったようです」と関係者。
今春に「Spotify」が、SNSやメッセージアプリでシェア、再生された数をベースに独自に指標化したバイラル・チャートによるとマレーシア、タイ、ベトナム、カザフスタン、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、そして韓国などでブレークの兆しを見せているという。「数カ月前は再生回数がデーリーで2000~3000だったのが、現在は連日15万回にも迫る勢いで伸びています。ちなみに、トータル再生回数は1000万回達成目前です」と音楽関係者。
ブレイクの背景の1つに、今年4月にRIP SLYMEが5人体制での活動を再開したことがある。「メンバーのRYO-ZとDJ FUMIYAが全面的に関わってきたHALKALIの作品ですからね、活動再開とともにプロデュース作品として再び注目度を高めたと思います」と関係者。
発売の当時のレコード会社であるフォーライフでは「おつかれさまSUMMER」を始め「タンデブ」「ギリギリ・サーフライダー」など過去作品のミュージック・ビデオをYouTubeで公開を開始している。