興行収入（興収）403億3000万円の日本歴代最高興収を記録した20年のアニメ映画「劇場版 鬼滅の刃 無限列車編」リバイバル上映公開記念舞台あいさつが10日、東京・TOHOシネマズ日比谷で行われた。20年の上映以来、初めてのリバイバル上映には、主人公竈門炭治郎（かまど・たんじろう）役の声優・花江夏樹と煉獄（れんごく）杏寿郎役の日野聡が駆けつけた。この日は、日野が演じた煉獄さんの誕生日で、花江は冒頭で「煉獄さん、お誕生日、おめでとうございます」と祝福した。
「劇場版 鬼滅の刃 無限列車編」は、吾峠呼世晴（ごとうげ・こよはる）氏の原作漫画の7、8巻をアニメ映画化した。。40人以上の行方不明者を出しているという無限列車を舞台に、炭治郎たちと史上最強の敵・魘夢との激闘が描かれた。テレビシリーズにも出た鬼殺隊の最高位“柱”の1人で、炎の呼吸を使う煉獄が任務に挑む姿が初めて描かれ、上弦の参の鬼・猗窩座（あかざ、同＝石田彰）との激闘、後輩の炭治郎らに激励の言葉を投げかけるなど、おとこ気のある姿勢に共感の声が相次いだ。
花江は「アニメのシリーズが続いていって、見て、煉獄さんの言葉を思いながら強くなっていくわけじゃないですか？ それから見たら、どのシーンでも泣ける」と口にした。日野が「煉獄さんが元気なだけに…ね」と返すと、花江は「（牛鍋弁当を食べる煉獄が口にする）『うまい、うまい』は良いけれど…、この一夜しか、関わりはないんですけど、印象的というか、心の支えになる柱の存在だと再認識した感じ」と語った。
花江にとって、日常生活においても、煉獄の存在は心の支えだという。「炭治郎と同じで、つらいことがあったら煉獄さんの言葉があって、つらいことや仕事を乗り越えている、煉獄さん…大きな存在なんだなと。各シリーズに、たまに、ちょっとお顔が出てくるじゃないですか？ あの2、3秒くらいで泣けちゃう…そんな感じ。ずるいですよ」と照れ笑いを浮かべた。
◆「鬼滅の刃」 吾峠呼世晴（ごとうげ・こよはる）氏原作の人気漫画。大正時代を舞台に、炭治郎が家族を殺した鬼と戦うために修業して「鬼殺隊」に入隊し、鬼と化した妹禰豆子（ねずこ、同＝鬼頭明里）を人間に戻す方法を探し、仲間の我妻善逸（あがつま・ぜんいつ、同＝下野紘）、嘴平伊之助（はしびら・いのすけ、同＝松岡禎丞）とともにさまざまな鬼と戦い、成長しながら友情や絆を深めていく物語。16年2月15日発売の「週刊少年ジャンプ」で連載がスタートし、20年5月18日発売の同誌まで4年3カ月の間、休載なしで205話掲載。単行本1～23巻の累計発行部数は1億5000万部を突破した。
◆「テレビアニメ 鬼滅の刃」 19年4月から9月まで「竈門炭治郎 立志編」が各局で放送され、人気が爆発的に高まった。「劇場版 鬼滅の刃 無限列車編」は20年10月16日に公開すると、公開から11週、73日目の20年12月27日に興収324億7889万5850円を記録。01年の宮崎駿監督のスタジオジブリ作品「千と千尋の神隠し」の興収316億8000万円を超え、日本映画の歴代興収記録を更新。全世界で累計動員約4135人、総興収は約517億円を記録した。同作をテレビアニメ化して、21年10月10日からフジテレビ系で全7話が放送。同12月5日から22年2月13日まで「鬼滅の刃 遊郭編」が放送された。232月からワールドツアー上映「『鬼滅の刃』上弦集結、そして刀鍛冶の里へ」が開催され、同4月から同系で「－刀鍛冶の里編」、24年5月には「－柱稽古編」が放送。同編最終話の放送後に「劇場版 鬼滅の刃 無限城編」を3部作として製作すると発表。第一章は7月18日に公開する。
◆「劇場版 鬼滅の刃 無限城編」 炭治郎は鬼殺隊最高位の剣士である柱とともに戦い「無限列車」では炎柱・煉獄杏寿郎、「遊郭」では音柱・宇髄天元（うずいてんげん、声＝小西克幸）、「刀鍛冶の里」では、霞柱・時透無一郎（ときとう・むいちろう、同＝河西健吾）と恋柱・甘露寺蜜璃（かんろじ・みつり、同＝花澤香菜）とともに激闘を繰り広げていった。その後、来たる鬼との決戦に備え、隊士たちと共に柱による合同強化訓練「柱稽古」に挑んでいる最中、鬼殺隊の本部で・産屋敷邸に鬼舞辻無惨（きぶつじ・むざん、声＝関俊彦）が現れた。お館様の危機に駆けつけた柱と炭治郎であったが、無惨の手によって謎の空間へと落とされてしまう。炭治郎たちが落下した先は鬼の根城・無限城。鬼殺隊と鬼の最終決戦の火ぶたが切って落とされる。
