
<ニッカンスポーツ・コム/芸能番記者コラム>
ドリカムの思いと歌声のこもった映画館が渋谷に誕生した。
渋谷駅からもほど近い一等地、渋三広場に、DREAMS COME TRUEの全面協力で、仮設テントシアターやキッチンカーなどを設けた期間限定イベントの渋谷ドリカムシアターが始まった。中村正人がエグゼクティブプロデューサーを務めた映画「Page30」(堤幸彦監督)が公開されるなど、連日にぎわいをみせている。
先日、映画の舞台あいさつに取材に向かった際に、中村がちょっとした小話を明かしてくれた。何やらスクリーン横に20本の赤い筒が置かれている。中村によるとこれはドリカムがレコーディング時などで使っている吸音材といい、「ニューヨークで買ったものを運び込みました。いつも使っているヤツ。なので、これには吉田(美和)の歌声が染みこんでいます。耳をつけたら聞こえるかも」と語り、「でもひとつ問題があって、このイベントをやっている間はレコーディングができないという」と明かして笑いも誘った。
調べてみると、吸音材は業界でも有名なASC製で、同サイズの吸音材は高いものでは1本10万円近くするものもある。低音を吸収してくれるほか、拡散面と吸音面を細かに調整することもできる、まさにアーティストの“相棒”とも言える商品だろう。
渋谷ドリカムシアターは6月1日まで。大切な相棒を運んでまで実施中の大切なイベントについて、中村は「何かあれば全然うちにご連絡を」と積極的にPRしていた。一時代を築いてなおも精力的に動く姿に、尊敬の念を抱いた。【松尾幸之介】