フジテレビ系の看板番組「FNS27時間テレビ」の今年の制作が難航していることが4日、分かった。中居正広氏(52)の女性トラブルに同局社員が関わっていたとする一部報道や、同局のその後の対応を巡りスポンサー離れが加速。24年度の広告収入は233億円減であることも明らかになっており、番組制作にも影が差しつつある。
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同局を巡る一連の問題の余波が広がっている。企画進行が停滞している「FNS27時間テレビ」は同局の看板番組の1つで、FNS系列各局が一丸となって制作する長時間の大型バラエティー番組。1987年(昭62)に始まり、明石家さんま(69)やタモリ(79)など人気お笑い芸人を起用。2020年のコロナ禍に突入するまで毎年放送される人気番組へと成長した。
複数の関係者によると、同番組は毎年夏に放送されるため、例年であれば放送まで半年を切る2月ごろにも、制作スタッフの選定や企画進行が進んでいるが、今年はスポンサー離れによる収入減などが足取りを鈍くさせているという。
毎年同番組には人気お笑い芸人やタレントらが出演する。出演者も大人数であり、長時間出演によるギャラなど、必然的に出費も多くなる。さらに「提供読み」も恒例行事だ。新人アナウンサーがスポンサー名を1社1社読み上げていくが、同局では1月末時点で75社超がCM出稿を撤退し、ACに差し替えを行っている。春ごろには広告出稿が戻るのでは、とする声もあるが確実視はできない。
ロケ場所の確保も難航しそうだ。ロケ先からは、一連の問題を巡る影響を不安視する声もある。すでに同局の番組ロケの依頼を断るケースも生じているという。昨年同番組は人気バラエティー「新しいカギ」をベースに、GP帯を中心とする時間帯(午後7時~11時25分)でコア視聴率7%を記録するなど好数字をマークしていた。
同番組は元社長の港浩一氏(72)や日枝久取締役相談役(87)らが制作総指揮を執った時期もある。社内外から経営陣の一新が企業立て直しに不可欠とする声が根強く、3月をめどにしている第三者委員会の結果報告やその後の対応、6月に行われる株主総会で周囲やスポンサー各社を納得させられず、信頼復活から遠のくような結果が出れば、番組だけでなく局としての存続も危うくなってくる。