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【復刻】小倉智昭さんモノ申す! 東京五輪、低迷フジなど言いたいことズラリ/日曜日のヒーロー


小倉智昭氏は27年間キャスターとして多岐にわたる社会問題を鋭く論じてきた小倉智昭氏(69)が、放送界の現状、政治、若者へのメッセージなどについて語った。彼は特にトランプ大統領とプーチン大統領の接近が、日米関係に与える影響を懸念し、政治の右傾化を批判している。また、東京オリンピックのセキュリティ課題や子供たちへのスポーツ観戦の機会の提供を訴えた。彼は挑戦を続けることが若さの秘訣とし、癌との闘病の中でも充実した生活を目指している。フジテレビの低迷に対しては、初心に帰り、番組制作の自由度を求め、放送界の分業化が情熱を弱めていると指摘。キャリアの中で学んだ経験と洞察を活かし、これからも自由に発言し続けたいとしている。

小倉智昭さんはさまざまなことにズバズバともの申す(2016年11月22日撮影)

キャスター生活は27年を数える。フリーアナウンサー小倉智昭(69)。フジテレビ系「とくダネ!」(月~金曜午前8時)では、芸能、スポーツから政治、経済まで多岐にわたり、鋭い言葉を投げかける。視聴率で苦戦するフジテレビや今の放送界が抱える課題、若者や団塊世代、東京オリンピック(五輪)に期待することなど、今、気になることを聞いた。(2016年12月11日掲載「日曜日のヒーロー」肩書や年齢など当時)

★東京五輪

-キャスターとして、今、最も関心があることは何ですか

トランプさんは驚きました。特にプーチンさんと彼が接近すると、ロシアが日本に経済政策以外に期待することがなくなり、北方領土返還に影響が出るのでは。米軍の基地費用100%負担とまで言わないと思うけど、彼がそう思うなら安倍首相にすれば憲法改正もやりやすくなり、自衛隊の軍隊化も進むかも。それはいやかな。

-五輪の現地取材に積極的に出向く。20年の東京五輪も問題が多そうだが

なぜセキュリティーガードをやりやすくするためのオリンピックパークを造らないのか。その方が心配。最近は、ほとんどの五輪にあります。無いと各競技場ごとにチェックが必要となる。そうなると、面倒だし、余計な時間やコストもかかるのではないだろうか。

-64年の東京五輪を実際に見た。感じたことは

高2の時、東京五輪を安い席で見て、五輪への憧れが強くなり、スポーツへの愛着がわいた。実際に見るとスポーツ、国際社会への気持ちが変化し、必ずプラスになる。子供たちが団体で見られる形を作ってほしい。学校単位でもいいし、観戦日を設けてほしい。

★日本政治

-今の日本の政治と取り巻く環境に感じることは

最近の日本はメディアもそうかもしれないが、右というとみんなが右を向く。左というとみんな左を向く。思想的な意味ではなく。そういうところが気になる。僕は小泉首相の時、いいことはいい。悪いことは悪いと言った。ただ一国の首相の支持率が80%とか90%なんてあっていいのかとも。どこか歯車が狂ったら元に戻せなくなる。で、今、支持率で総裁の任期を延長していくという状況がいいのかどうか。それほどいいことではない気がする。

-メディアの現状は

選挙報道も昔は自由にやっていて、6人の候補者のうち拮抗(きっこう)する2人に違いないという場合、報道は2人にスポットを当ててやれた。最近は同じ時間で編集しないといけない。他の候補者の名前も必ず言わないと。でもそれが本当の平等なのか。スタッフは番組作りが面倒になり選挙報道を情報番組でやらなくなってきている。減ってます。こんなにひどい話はない。

★低迷フジテレビ

-近年、フジテレビの視聴率が低迷している。要因はどこにあるのか

ネットに小倉も潮時かと書かれていますが、初心に帰り、やりたいことをやるのが一番。ラテ欄の位置が一番右に来たのが絶対に大きい。普通は左か中央から見る。8にこだわったのはどうだったのか。黄金時代は楽しいというイメージが大きかった。今は視聴率が低いとか何をやってもだめという報道が独り歩きし、ますます苦しい。

-どうすれば復活するのか

昔は、情報やドラマのディレクターも、いったん仕事に出かけると局に戻って来ない豪傑が大勢いた。音楽の人はライブに足を運び、パイプを太くしていた。スポーツはこの人と固定した。変えると、築いたものが無くなる。少しでも残っているパイプをもう1度つなぎ、太くして水の流れをよくしないと。せっかくの「とくダネ!」の歴史が役に立たない。

-ミニ巨泉とも言われる。放送界全体の課題は

巨泉さんのプロデューサー的な感覚は素晴らしかった。こう作れば絶対に当たると。今はそういう柱になる人が少ない。分業化し、領域を侵さないようにしている。おとなしい人ばかり。強引に俺について来いというタイプが少ない。昔はディレクターがプロデューサーで作家でもあり、こんな番組を作ると言って作った。今はみんな責任を取るのが怖い。自由に大胆に取り組む方が成功すると思う。

★あなたに

-月刊誌「ヘイルメリーマガジン(注)」で中高年向けのコラムを書く。同世代に言いたいことは

現役でいることは若さを保つ秘訣(ひけつ)。

-体は元気だが、やることがないと言う人もいる

やることはいっぱいありますよ。僕は60歳からドラムを始め、本を1日3冊読み、ライブも週に2、3回は行く。やりたいことは探せばある。あきらめないでほしい。団塊の世代は小さい時から生存競争を生き抜いてきた。若者が経験できない培ったものを生かしてほしい。探せば必ずある。そのためにはまず健康。

-健康と言うが、5月にぼうこうがんを公表した。容態は

内視鏡手術をしましたが全部取り切れない部分があって。筋肉層まで入り込んでいる浸潤がん。主治医に全摘を勧められました。転移したら手遅れになると。僕はクオリティーライフが落ちるのがいや。ぼうこうにパック、ゴルフ場でお風呂に入れないのも。何とか温存する方法を勉強しました。その治療法で転移せず落ち着いています。

-がん宣告で生き方は変わったのか

しがみついて生きる生き方はしたくない。頑張って治したい。でも寿命は自分で決められない。だから考えがしっかりしてきた。何年、生きられるか分からないけど、充実した生き方をしたいと考えるようになりました。

-若者に伝えたいことは

生きていくため自分は何をしたらいいかは、自分で見つけに行かないと見つからないもの。どこかで必ず転換期がある。そこできちんと見つけてほしい。

-若い時は何を考えていた

小5の時、父に「智昭、夢を持つんじゃない」と言われました。当時、僕は吃音(きつおん)で、七夕の短冊に「治りますように」と書き、みんなにばかにされました。それを話すと父は「夢は持つんじゃない。夢は夢で終わることがある。目標を持て。目標なら身の丈に合わせ、いつでも変えられる」。夢を持てば必ずかなうと言う人がいる。それは成功した人だけ。失敗した人は絶対に言わない。僕はいろいろ目標を持ってやってきた。良かったと思う。

89年日本テレビ系「キャッチ」から30年近いキャスター生活。テレビと素顔が違うと言われることを嫌い、自分を全部さらけ出してきたという。偉ぶることなく話す姿は、どこにでもいる普通のオジサン。とても身近に感じた。

注 小倉は多趣味を生かし、月刊誌「ヘイルメリーマガジン」でコラム「Attacking the Deep Zone」を執筆。映画やドラマ、ファッションなど男の興味をそそる内容となっている。

■おちゃめな宇宙人

「とくダネ!」で共演する女優菊川怜(38) 見えない努力がすごい人。読書量、ライブやスポーツを見る量が半端ない。夜中から起床してニュースチェック。どこからエネルギーが? 4年半一緒でも大きな謎です。ある朝、打ち合わせで目を閉じていた小倉さん。「今、寝てましたよね」と言ったら、目を閉じて聞いていたそう。やはり宇宙人か。先日は資料を読む私を驚かそうと耳元で「おはよう」と超低音ボイス。おちゃめな宇宙人です。これからもよろしくお願いします。

◆小倉智昭(おぐら・ともあき)1947年(昭22)5月25日、秋田県生まれ。独協大卒業後、70年に東京12チャンネル(現テレビ東京)入社。故大橋巨泉さんの勧めで76年にフリーアナに。TBS系クイズ番組「世界まるごとHOWマッチ」の出題を担当し「1秒間に18文字の原稿を読める男」として知られて脚光を浴びる。99年から「情報プレゼンターとくダネ!」キャスター。高校時代は陸上部に所属。趣味はゴルフ。血液型B。

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