『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』最終回先行&ベストエピソード上映会が26日、東京・新宿ピカデリーで開かれ三日月・オーガス役の河西健吾、クーデリア・藍那・バーンスタイン役の寺崎裕香、昭弘・アルトランド役の内匠靖明、小川正和プロデューサー、企画担当の谷口廣次朗氏が登壇した。
かつて、地球圏全土で『厄祭戦』という大きな戦争があり、新たに4つの経済圏が誕生した地球圏は軍事を司る武力組織『ギャラルホルン』の監視下での平和と秩序を保っていた。地球圏が重視された政策により火星圏へ貧困という形で降りかかり、戦いの火種を生んでいく。そんな世界で主人公の三日月・オーガスを始めとする非正規の少年兵や人身売買される孤児「ヒューマンデブリ」たちが、自分たちの居場所を求め『厄祭戦』時代のモビルスーツ、ガンダム・バルバトスを駆り『ギャラルホルン』との戦いを切り抜けていく。
この日登壇したキャスト・スタッフともに鉄華団のシャツを羽織って登壇し、雰囲気たっぷり。イベントでは事前にファン投票された、上位3話がキャストやスタッフの生コメンタリーつきで上映。ちなみに3位が13話、2位が1話、1位は3411ポイントを集めたという19話となりアフレコ時の思い出やラジオ番組『鉄華団放送局』で盛り上がっているという小ネタなどが挟まれ、シリアスなシーンが多い本作もどこか和やかな感じでの上映となった。
この3話が上映された後に、河西は、「オルフェンズはいい意味でガンダムらしくない群像劇で話がおもしろいんですが、19話で大気圏突入という話を経て、ちゃんとガンダムをやってるんだなって実感しました」と、しみじみ。すると小川プロデューサーが反応し、「なんかガンダムぽくないと言われて、『うちらちゃんとガンダム作ってるよな?』って話すんですよ。(シリーズ構成の)岡田麿里さんとガンダムっぽいよと言って」と、裏話がトビアスことも。
そして、キャストたちも初めて観るという25話の最終話が上映。その凄まじい展開に観客も息を呑みながら見守り、上映が終わると涙する観客もいるほどのカタルシスが得られる仕上がりを見せた。それを裏付けるように谷口氏は、「朝8時にいい大人が集まって泣きそうになりました」といえば寺崎も「泣いちゃいましたね」としんみり。
河西も、「アフレコの段階で情報自体は分かってましたけど、自分ではあの時やっていた想像以上の感情のぶつかり合いとか、僕達の演技だったり、絵を作ってくださったり、音をつけてくださったりとか、みなさんが本当に一丸となって走ってきて、本当にいい作品に出会えたなって思います」と、言えば言うほど涙声になっていき感動を伝えていた。
なお小川プロデューサーによると、「制作現場も鉄華団みたいになってて、放送6週間前に450カットのコンテを出してきた長井龍雪監督に、みんな軽く殺意を覚えました(苦笑)。長井監督も『最後終わることができてよかった』と」との証言もあった。
最後に内匠は、「まさかガンダムに乗れて、良い作品にかかわるという1つのターニングポイントになりました」と、万感の思いを語り、河西は、「去年の9月に初めて上映させて頂いて、終わった後に会場から『おお!』という声を聞いて初めて行けるぞと。作っている方は面白いと思っているんですが、人の目に触れて初めて面白いか面白くないかというのが分かるんですが、この作品は大丈夫だなって」と、思い出を語りつつ、「我らのオルガ・イツカこと団長の細谷佳正さんが伝説の番組を作りたいと言っています!視聴率10%を取りたいと団長の細谷さんがおっしゃってます!あした正座してリアルタイムで観ろよ!!と伝えてもらえれば」と、呼びかけ、観客からはエールのような拍手が送られていた。
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