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全国にホテルなどを展開する株式会社チョイスホテルズジャパンは、コンフォートホテルの公式 Webサイトの会員制度「Choice Guest Club(TM)」の会員の親子を対象とした体験イベント「SDGs x バナナペーパーで地球にやさしいアートを作ろう!」を都内で初開催した。
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当日は会員の小学生のお子さま20名を招待し、バナナの茎の繊維からつくる「バナナペーパー」作り体験をしながら、SDGsやフェアトレード、環境問題について楽しく学ぶことができる機会を提供。
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今回、本イベントの協力先である環境循環を基盤とし、サステナビリティに貢献する活動を行う「One Planet Café Zambia」と、バナナペーパーを使った環境教育や製品開発にも取り組んでいる「武蔵野大学 工学部 サステナビリティ学科 髙橋研究室」との3社共同開催により、学生が企画したバナナペーパーを使ったオリジナルグッズづくりや、バナナペーパーが社会にもたらす価値について理解を深めることができる体験プログラムとなった。
参加者については、当選倍率が約 6倍にも及ぶ115名の応募の申込があり、抽選で当日の参加者を決定した。
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アフリカのザンビア現地で仕事をつくりたいと思い、バナナペーパー事業が2011年にスタートした「One Planet Café Zambia」代表取締役社長 エクベリ聡子氏も登壇。今回、小学生が行う方法と同様に現地でもバナナペーパーを作っているため、この作業を通して、現地での様子なども想像しながら作ってみてほしいと語った。
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武蔵野大学 工学部サステナビリティ学科 髙橋研究室教授 髙橋和枝氏と学生は現在、勉強しているサステナビリティプロジェクトの1つとしてバナナペーパーについても学んでいて、次世代に伝えたいと思い、参加。グループに分かれた小学生が座るテーブルの中に数名の学生がまざって、丁寧にバナナペーパー作りを教えていた。
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バナナの茎の部分でバナナペーパーをつくるのだが、1年に1本のバナナの茎からは1回しか実ができない。バナナの実を収穫した後は茎を切るので、その切った茎からバナナの繊維をとってバナナペーパーを作る。樹木を使った紙は数十年かかるが、バナナの茎の繊維は1年に1回、獲れるのでバナナペーパーはサステナビリティな紙となる。
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実際に体験スタート。先ずはバナナ繊維と水が入った入れ物が各テーブルに置かれる。繊維を実際に触ってみる小学生は「これが紙になるの?」という驚いた様子だった。
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紙すき木ですくう作業を行い、しっかり水をきって、木枠から網を取り外し、紙に原料をくっつける。
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その後、ぎゅ、ぎゅっと布で抑えてしっかりと水気をとる。
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そして、学生に手渡され、学生がホットプレートとアイロンで乾かしていく。
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乾いたバナナペーパーを紙から慎重に剥がしていく。
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そして、バナナペーパーが完成。
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小学生は真剣に取り組んでいて、とても興味深そうだった。今回の体験で紙がどうやって作られるか、より深く知れたことだろう。
更に、ここからオリジナルキーホルダー作りとして、色付けもしていく。
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水が張った入れ物に好きな色の絵の具を垂らし、爪楊枝で模様を作っていく 。その中に作ったバナナペーパーを入れて模様づけする。そして、紙にバナナペーパーをうつしてまた乾かす。
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そしてオリジナルカラーのバナナペーパーができあがる。
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これを四角に切ってキーホルダーに入れて完成だ。
それぞれ、個性がある色のバナナペーパーのキーホルダーができあがり、小学生も嬉しそうだった。そして何より、最初は緊張していた小学生と大学生だが、一緒に作業をすることで打ち解け、笑顔も増えて、仲良くなっているのも印象的だった。
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会場ではアフリカのザンビアでのバナナペーパー作りの様子も紹介され、これによって仕事ができ、人々がご飯を食べられるようになり、学校にも行けるようになったとエクベリ聡子氏が説明した。そして実際にアフリカや日本の和紙工場で作られているバナナペーパーの紙やパッケージ商品が並べられ、紙づくりについてやSDGs、サステナブルな社会についての学びを深める機会となった。
このように大学生にとっては教えることで学び、小学生にとっても経験から大きな学びとなった企画だった。