12月19日に埼玉県所沢市にあるSKIP FACTORY(スキップファクトリー)で、カーブ(縁石)セクションのみを使ったスケートボードコンテスト、KING of CURB 2021(今年は招待制となり、30歳以上限定)が開催され、奥野健也が見事優勝を飾った。
【What is King of Curb?】
キングオブカーブはカーブと呼ばれるセクションのみを使って、いかに難易度の高い技や、独創的な技をカッコよく決められるかを競う大会で、オリンピックで採用されている、ストリート種目やパーク種目とは違い、カーブという一つのセクションをいかに極められるかというシンプルだが、奥深い大会となっている。
2017年から行われているイベントで(昨年はコロナ禍の為中止)日本全国からトップスケーターが集まっていたが、今年はコロナの影響もあり30歳以上限定で、出場選手も招待制にし、規模を縮小しての開催となった。
ルールは1対1のトーナメント方式で、1回につき往復でトリックを行う(2回技をトライ)ルーティンを1人5回行い、審査員の判定によって勝敗が争われた。
【参加スケーターの15人】
今回のイベントに参戦したスケーターは以下の15人。()はInstagramアカウント。
・大島“ハチ”勝利 49歳(@hachikun0521)
・立本 和樹 45歳(@kazukitatemoto)
・米坂 淳之介 44歳(@junnosuke52425)
・渡鍋 文博 44歳(@fesboy)
・権正 純一 43歳(@chackalarm)
・池之上 慶太 42歳(@tizzskateboards)
・出雲 秀陽 39歳(@shuyoizumo)
・寺井 裕次郎 38歳(@pushjiro)
・阿部 直央 38歳(@naohiroabe)
・石川 雄也 37歳(@yuya_ishikawa)
・玉野 辰磨 37歳(@tatsumax1984)
・菊池 真吾 35歳(@pingokikuchi)
・三枝 純也“ジュンヤファイヤー” 34歳(@junyafire)
・奥野 健也 32歳(@kenyask8)
以上の15人、平均年齢37歳。
【キングオブカーブ歴代受賞者】
キングオブカーブは、日本最高峰のカーブコンテストと言っても過言ではなく、参加するスケーターも日本トップクラスのスケーターばかり。
主催者の方曰く、イベントを始めたきっかけはコンペばかりの世の中で、歴史を築き上げてきた大人の本気を見て欲しいという思いからから始まっているとの事。
今大会は30歳以上限定という事で、規模を縮小しての開催は、ある意味で理想の形になったとも言える。
・2017年・キッズクラス優勝者:池田大暉 オープンクラス優勝:本橋瞭 2位:瀬尻稜 3位:米坂淳之介
・2018年・優勝:本橋瞭 2位:浦野建隼 3位:奥野健也
・2019年・優勝:白井空良 2位:池慧野巨 3位:根岸空
※2020年はコロナ禍の為、開催中止
過去の受賞者はオリンピアンをはじめ、五輪の解説で話題になったスケーターから、今でも第一線で活躍するレジェンドまで、そうそうたる顔ぶれとなっている。
【King of Curb2021 Over30受賞者】
今大会優勝した、奥野健也。
ほぼノーミスのフロントサイド5−0グラインドからのスイッチKグラインドは達人の域。
最後はフリップフロントサイドKグラインドを決め、優勝賞金10万円を手にした。
準優勝の石川雄也。
ベストトリックコンテストではフロントサイドノーズグラインドから、そのままカーブに乗り上げてのノーズマニュアルからバンクにノーリーフリップアウトというトリックを見せ、準優勝の賞金3万円に加えて、匿名スポンサーからのベストトリック賞5万円をゲットした。
3位の立本和樹/バックサイドKグラインド。
今大会注目の、カーブ両端に設置されたセクションをフルに使い、未だ現役を証明。
3位のジュンヤファイヤーこと三枝純也/ノーリーヒールフリップノーズスライド。
ベストトリック賞受賞の寺井裕次郎
ノーリーバックサイドテールスライドで、カーブ全体を誰よりもスライドで流しきった。
ベストトリック賞受賞の阿部直央
特設のセクションを使ってのフロントサイド180スイッチKグラインド。
マガジンサミットから推薦での出場となった、最年長出場の大島“ハチ”勝利と出雲秀陽。
大島勝利は、イベントスタート時からスイッチが入ったように会場を盛り上げ、出雲秀陽は一人だけスピードがケタ違いでカーブに突っ込んでいく滑りを見せ、二人ともイベントを盛り上げた。
【KING of CURB 2021リザルト】
1位・奥野 健也
2位・石川 雄也
3位・立本 和樹
3位・三枝 純也(ジュンヤファイヤー)
ベストトリック賞
・寺井 裕次郎
・阿部 直央
・石川 雄也
【最高の大会とは〜年齢的NBDを更新し続ける全てのスケーターへ】
スケートボードコンテストの素晴らしい部分は何だろうか?
この大会の授賞式は何位のスケーターであろうと全員笑顔。
筆者が見てきたコンテストで、いいコンテストの基準は受賞式にあると思っている。
勝った負けたも大事だが、観客も選手も全員が最高の笑顔を見せる。
これがスケートボードコンテストの醍醐味であると思っている。
スケートボードはこれからどんどん大きな大会が増えていくだろうが、キングオブカーブのような、見るものをハッピーにさせる大会も増えていって欲しいと願っている。
30歳以上限定で開催された今大会。
参加スケーターの笑顔の裏には、これまでに多くの怪我や自分の体と向き合う時間があっただろう。
家族や仕事など、年齢を重ねるとスケートボードだけと向き合う時間も減ってくる。
そんな中でも、スケートと自分の体と向き合いつつ、数々の年齢的NBD(誰もやった事がない事を成し遂げるという意味)を更新し続ける全てのスケーターにリスペクトを送りたい。
写真 文・小嶋勝美 Twitter: @katsumikojima1
スケートボードを趣味としており、ライターとしてスケートボード関連の記事を執筆。
約10年間芸人として活動後、現在は放送作家として活動中。