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圧巻の作品群…!『JUNK WORLD』堀貴秀監督の制作現場に潜入してきた!「3DCGでのモデリングは、粘土をこねる感覚に似ている」


2017年に堀貴秀監督のSFアニメ『JUNK HEAD』が国際的評価を得た後、シリーズ第2弾『JUNK WORLD』が劇場公開されます。『JUNK WORLD』は前作『JUNK HEAD』の過去を描き、技術面では3Dプリンターと3DCGを駆使して圧倒的なビジュアルを実現しています。制作には初心者も参加し、手作業を重視したクリエイティブが特徴です。また、クラウドファンディングも活用されました。堀監督が3部作を構想中とし、シリーズの今後の展開が期待されます。

2017年、独学で映画作りを学んできた新進気鋭の監督・堀貴秀が制作したSFストップモーションアニメ映画『JUNK HEAD』が、ファンタジア国際映画祭最優秀長編アニメーション賞をはじめ数々の海外国際映画祭で多数賞を受賞。その後2021年に全国10館で公開されると、国内でも堀貴秀監督の造り上げる世界感にハマる人が続出。口コミでも大きな話題を集め、ミニシアターランキング2週連続1位を獲得。瞬く間に日本各地で追加上映が決定し、興行収入1.4億円を突破するカルト的人気を博しました。

そんな堀貴秀監督が約3年の月日をかけて手掛けた“JUNK”シリーズの第2弾『JUNK WORLD』が6月13日(金)に劇場公開となります。

“JUNK”シリーズ第2弾となる『JUNK WORLD』は、前作『JUNK HEAD』の1042年前の世界線が描かれた物語。解禁された本ポスタービジュアルには、主人公のロボット・ロビンが大きく描かれています。ロビンは、前作『JUNK HEAD』ではパートンという名で登場しており、2作品の世界軸を繋ぐキーパーソンとなっています。

作り込みがすごすぎる…!制作現場に潜入してきた

今回なんと、この『JUNK WORLD』などが生まれた場所。堀貴秀監督が作品作りを行うスタジオを取材させていただきました!

千葉県にあるスタジオにお邪魔すると、作品のファンにはたまらない人形やプロップたちがぎっしり。

堀監督の解説を聞きながら、贅沢な時間を過ごさせていただきました…!

前作からパワーアップしたポイントはいくつかありますが、一つめは3Dプリンターを活用している所。クラウドファンディングで費用を募り、制作にあたっています。素材もUVレジンを使用し、保存性も高まっています。

『JUNK HEAD』はラテックス素材を使っているので、日光などのダメージでぼろぼろになってしまうのだとか。

また、3DCGの活用で映像表現が進化。独創的なデザインと徹底した手作業による制作。細部までこだわり抜かれたセットやキャラクターが、圧倒的なビジュアルを実現しています。

CGアニメ未経験の5~6人が制作に参加。中にはPCを使ったことがない者もいたが、独自の技術を習得しながら制作を進めたそう。『JUNK HEAD』がストップモーションアニメで撮られていたため、3DCGを活用することで、前作までの質感が失われてしまうのでは?と心配する方もいるかもしれませんが、その心配はご無用。静止画の変形や3DCGモデリングもすべて手作業。徹底したこだわりが、作品の質感と個性を生み出しています。

堀監督によると「これまで粘土をこねて作っていたものを、3DCGにしたことで作業が楽になった部分もありますが、パソコン上で“ここをもう少し変えよう”と追い続けることが出来てしまうので、なかなかキリがつかなくて大変でした」とのこと。筆者も実際にモニターを見せていただきましたが、細部へのこだわりが本当にすごすぎるのです…!

『JUNK WORLD』の巨大なセット。看板にはクラウドワンディング支援者のお名前が描かれています。前作に続き、本作も作品を展示予定の「ボリス雑貨店」(ヒグチユウコさんが展開するショップ)の看板や、どこかで見たことある様なキャラクターがいるスクラップ置き場など遊び心満点!

堀監督に聞く『JUNK WORLD』へのこだわり

――前作『JUNK HEAD』は唯一無二の世界観とストーリーの面白さが話題となりましたね。待望の続編となりますが、監督は反響をどう感じられていますか?

自分の中では最初から3部作で作るつもりでしたけれど、本当に完成出来るのかという不安もあって。1作目はありがたい感想もたくさんいただけて嬉しかったのですが、本当に貧乏のままで(笑)。制作費をどう捻出しようか考えて、クラウドファンディングを利用しながら無事に2作目を作ることが出来ました。今日見ていただいたセットの看板に支援者の方のお名前を入れていますが、皆さんのおかげで完成したので。
あと。『JUNK HEAD』が各動画サイトで配信されて、それで観てくださった方がほとんどだと思うので、『JUNK WORLD』は前よりは多くの人に観てもらえるかなという期待もしています。

――私の周りでも観た人はみんな夢中になっていて。私は前作でも監督に取材をさせていただいたことがあるのですが、自慢していました(笑)。

ありがとうございます。そうやって好きになってくれる方がいることは素直に嬉しいです。『JUNK HEAD』の前身となる30分版を中学生の頃に観た方がいて、舞台挨拶で登壇した時に会いに来てくれて、大人になっていたので驚きました。その30分版って、10年くらい前の話なので、ずっと応援してくれていて、その時はジーンとしちゃいました。

――それこそ監督もティーンの頃から映画好きで、その影響を大きく受けているとおっしゃっていましたものね。

そうですね。高校生の時にアルバイトをしてビデオデッキを買って、レンタルビデオ屋でたくさん借りて観ていました。映画館にはお金が無くてなかなか行けなかったですけれど、レンタルビデオは何万本と観たと思います。

――3部作の構想は決まっていらっしゃると思うのですが、前作制作時から8年ほどの時間が経っているということで、時代の変化を取り入れた部分や、監督の中で刺激を受けた出来事はありますか?

今回トリスというキャラクターが出てきますが、女性の軍人で、最初は女言葉だったんです。「〜よ」「〜だわ」という感じの。でもアフレコも終わって編集している時に、「女性は普段そんな言葉遣いをしない」という意見がスタッフから出たので、全部撮り直しました。時代の変化ではないかもしれませんけど、自分では気付けなかったポイントですね。

――確かに、軍人であったり強いキャラクターでも女言葉を使っている場合って多いですものね。

今回、女言葉をやめてみて意外と違和感が無かったから、今後もバランスを見ながらセリフを作っていきたいなと思います。

――3DCGの勉強をされたということで、新たな武器が加わった感じですね。

自分がとにかく記憶力が悪くて覚えられないんですよ。こっちを読んだら、こっちを忘れてしまう。解説本も何度も繰り返し読んで、必要なところだけ覚えて、実際に作業して…。全ての機能の中の数パーセントしか理解していないと思うのですが、その範囲の中で出来ることをとにかく頑張りました。

3DCGのモデリングも最初は球体で、そこから粘土をこねる様に形にしていきます。それは今までやっていた、リアルな粘土で作品を作る感覚と似ていて、直感的に作業出来るので、作業自体は違和感無く取り入れられました。

――私はヒグチユウコさんのファンでもあるのですが、今回も「ボリス雑貨店」での作品展示があるということでとても楽しみです。

ヒグチさんは前作を映画館に観にきてくれて、「ヒグチです」って挨拶まで来てくださって。オーラがすごくて「うわ、この人ただものじゃない」って思いました(笑)。僕はあまり友達がいないのですが、ヒグチさんは本当にお姉さんの様に色々気にかけてくれてありがたいです。アトリエにもヒグチさんが送ってくださったグッズがたくさんあります。

――またグッズなどが出ることも楽しみです。今日は本当に貴重な機会をありがとうございました!

フォトギャラリー

▲圧巻のデッサン

▲注意書きのイラストが可愛い!

▲ミニチュア額縁の中の絵画は監督が描かれたもの。

▲監督が昔に作った作品たち。

▲アトリエにいた金魚さん。独特の造形に惹かれるそう。

▲筆者自慢のスニーカー。

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