同名の人気ウェブトゥーンを原作とする韓国発の新感覚ホラーエンターテイメント『憑依』が9月6日より公開。主演カン・ドンウォンのオフィシャルインタビューが到着した。
カン・ドンウォンが演じたのは主人公のインチキ祈祷師、チョン博士。祈祷師の血を引きながらも霊が視えない彼は、ド派手な仕掛けを施して“それらしく”見せた偽の除霊儀式で稼いでいたが、人々に憑依して襲いかかる恐ろしい悪鬼と対峙したことで、本物の祈祷師へと覚醒していく。前半は、悪知恵が働く守銭奴なインチキ祈祷師としてのコミカルな演技で笑わせるが、後半は、自身の辛い過去や祈祷師としての使命と向き合うシリアスな演技で大きなギャップを見せ、観客を魅了する。
「覚醒した姿にカタルシスを感じてもらえるように」
カン・ドンウォンは、「前半のインチキ祈祷師として詐欺をはたらくシーンがとても楽しかった」と撮影を振り返りながら、演じ方について「チョン博士というキャラクターは詐欺師のようでありながらシリアスな面も持ち合わせているので、軽快な姿と真面目な姿を行き来できるようにと意識して演じました」と説明する。「観客の皆さんに詐欺師のキャラクターも楽しく見てもらえるように努力しましたし、シリアスなシーンは、監督とも話し合って、覚醒した姿を活かしてカタルシスを感じてもらえるようにしました」
本作で監督を務めたのは、ポン・ジュノの『パラサイト 半地下の家族』やパク・チャヌクの『別れる決心』といった錚々たる作品で助監督を務めてきたキム・ソンシク。新人監督の作品ながら、カン・ドンウォンは彼のシナリオを気に入って出演を決めたという。
「シナリオがとても新鮮でした。“憑依”というシリアスなテーマを扱っていますが、すごく怖すぎるわけではなく、アクションもしっかり入っています。素材をうまく使って、ライトなタッチで物語を紐解いていく感じがとても面白く新鮮に感じました」
ホ・ジュノ演じる梵天(悪鬼)は、人々の身体を“器”として凄まじい速さで憑依していく驚異的な悪役だ。カン・ドンウォンは主演作『新感染半島 ファイナル・ステージ』で“走るゾンビ”との過酷な戦いを繰り広げたが、本作では、超人的な動きで標的を追い回し、容赦なく襲いかかる“憑依された人間”との激しい攻防戦が待ち受けている。
「村で憑依された人に追いかけられるシーンがあるのですが、毎日、寒いなか夜な夜な走り続けないといけなかったのでとてもハードでした」と過酷な撮影を回想。「実は最初の頃のシナリオではカーチェイスやアクションがもっと多くて、完全にアクション映画という感じだったのですが、様々な調整を経て今のバージョンになっています」と説明するように、スリリングなアクションをたっぷり盛り込みながらも、笑いもあり、ドラマもあり、思わぬ形で登場するパク・ジョンミンやBLACKPINKジスの特別出演といったお楽しみもある一作に仕上がっている。
霊は視えないが悪鬼を祓える呪具を操るチョン博士。彼の有能なバディとなるのが、イ・ソム演じる“霊が視える”依頼人のユギョンだ。悪鬼が取り憑いた妹を救うべく、チョン博士とその助手のインベ(イ・ドンフィ)、チョン博士の親代わりであるファン社長(キム・ジョンス)とともに悪鬼退治へ乗り出す。強大な敵を前にできあがったこのチームの楽しい掛け合いが、作品の大きな魅力にもなっている。実際に、撮影現場でもキャストたちは和気あいあいとしていたようだ。
「イ・ソムさんがもともと共演者の皆さんと親しかったんです。そんなこともあって、みんなでリラックスして楽しく撮影をすることができました。イ・ソムさんはドンフィさんとも仲が良くて二人でああだこうだ言いながら楽しくしていましたよ(笑)」
「日本のホテルで武士のような姿を見たんです」
『新感染半島 ファイナル・ステージ』に主演した際のインタビューでホラー映画愛を語ってくれたカン・ドンウォン。一番怖かった映画には、「『リング』! 『リング』ですよ!」と即答し、一同を笑わせていた。そんな彼が“これまでに一番怖かった体験”を聞かれると、「怖くはなかったんですが」と前置きしつつ、「以前、日本のホテルに泊まった時に、部屋で武士のような姿を見たんです。そういったものを見るのは最初で最後でした。とても不思議な経験でした」と気になる回答。部屋で武士を見たら相当怖い気もするけれど……?
そんなカン・ドンウォンが主演する『憑依』は、怖いものが苦手でも楽しめて、ハラハラドキドキできる最高の娯楽作になっている。劇場でどうぞお楽しみあれ。
『憑依』
2024年9月6日(金)新宿ピカデリーほか全国ロードショー
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