「深すぎる」「この一言で救われた」……。武田鉄矢が語る教育論が、ネットで大反響を巻き起こしている。
19日放送の『ぽかぽか』(フジテレビ系)にゲスト出演した武田。「プライベートでも金八先生のように人生の相談を受けることがあるっぽい」と聞かれるとマルの札を挙げ、「初期のころは横断歩道を渡っていたら、いきなり腕をつかまれて、子どもが学校に行かなくて困っていたらしいお母さんから“うちの子を……”(と泣きつかれた)」と説明。
だが、その時はまだ人間的に成熟していなかったという武田は、母親からの哀願に「担任じゃねーよ!」と言って見捨ててしまったのだとか。
ここで、スタジオにいた、ある観覧客から、「来年から就職する我が子には、本当は別の道に進んで欲しかった。親は子どもの生き方にどこまで介入していいのか。今でも正解が分からず悩んでいる」という悩み相談が寄せられた。
武田は「たいしていい答えじゃないかもしれませんが」と前置きすると、意外にも「子育ては必ず失敗します」と衝撃アドバイス。そして、「子育ては必ず失敗するために子育てをやっていると思ってください。失敗のために子を育てることができるのが親なんです」と訴えた。
さらに彼は、自身の若い頃のエピソードを述懐。母親に「1年でいいから、東京でフォークシンガーをやらせてほしい」という夢を打ち明けると、母は背中を向けたまま「1年ぞ」と言って許してくれたと振り返った。
その上で武田は、自身が抱いた夢について「どう考えたって、確率は99%失敗なんです。それを“1%だけでもいいから、やってみろ”って言ってくれるのは、あの時、地上に母1人しかいませんでした。この1%でもやってみろって言うところ。それが親なんです」と体験談を語った。
そして今回、悩みを寄せた観覧客に「だから、坊ちゃんは決してお母さんの思う通りには育ちません。でも、それはやっぱりお母さんが立派なお母さんだからですよ。“親の言う通りに育った子”って、仲間にも何人かいますけど、ロクなやついませんよ」と告げた。
そして「お母さん、こう考えよう。大谷翔平さんのお母さんだって、実は、お腹の中で本当はアメリカなんか行ってほしくなかったんじゃないかな? 岩手のJAか何かで働いて、よく分からないけど地味な確かな仕事で……」とも述べ、「つまり、親が子に願う成功っていうのはあり得ないんですよ。“子は親を裏切るところで道を作っていく”んです」と説いた。
そして「親と思うことと違うことを子がやり始めたら、お母さん、それはあなたの子育てが、うまくいってる証拠です」と話していた。
ネットではこの教育論が大反響。「素晴らしくて泣いた(中略)肩の力が抜けた気がした」「心が軽くなった」「深すぎる」「この一言で救われた」など、親御さんからの感動を呼んでいる。
(執筆者: genkanaketara)