福島県いわき市にあるレジャー施設スパリゾートハワイアンズのダンシングチーム、通称〔フラガール〕。そのフラガールの新入社員・夏凪日羽(なつなぎ・ひわ)と同期の仲間たち、彼女たちを取り巻く人々との絆を描くオリジナルアニメ映画『フラ・フラダンス』が 現在大ヒット上映中です。
総監督には「鋼の錬金術師」、「機動戦士ガンダム00」の水島精二、監督に『劇場版アイカツスターズ!』「ガンダムビルドダイバーズ」の綿田慎也、脚本には「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」『きみと、波にのれたら』の吉田玲子、キャラクターデザインは「アイカツ!」「UN-GO」のやぐちひろこといった日本を代表するトップクリエイターが集結し、「銀魂」や「アイカツ!」のBN Pictures制作でおくる心温まるアニメーション作品。
主題歌は、FUNK・SOUL・DISCOのグルーヴに、哲学のエッセンスを加えた歌詞、そしてコミカルで個性的なダンスを武器に数々の音楽ファンをうならせてきた4人組アイドル「フィロソフィーのダンス」が担当。映画のストーリーともシンクロしたチアフルな楽曲『サンフラワー』で映画を盛り上げます。
フィロソフィーのダンスの、奥津マリリさん、佐藤まりあさん、日向ハルさん、十束おとはさんに、映画の好きなシーンやフラガールとの共演についてお話を伺いました!
――映画大変楽しく拝見しました。主題歌『サンフラワー』も素晴らしかったです!まずはお一人ずつ『フラ・フラダンス』の感想を聞かせていただけますか?
奥津:感想は一言では語りきれないのですが、試写会ではフィロソフィーのダンスの曲が流れるということも忘れて本編で泣きまくりました。自分たちと共通点も多くて、重ねて見てしまうシーンも多かったです。「今自分たちが過ごしている時間ってすごく尊いものなんだな」と気付かされました。そしてスパリゾートハワイアンズに行きたくなる! 今回MVの撮影ではじめてお邪魔して、映画そのままの風景が広がっていて驚きました。
佐藤:登場人物全員が何らかの悩みを抱えていて、乗り越えていく姿にすごく勇気をもらえました。仲間がいるということは本当に幸せだなと改めて確認させてくれる作品だなと思いました。フラダンスのシーンがすごく綺麗でなめらかだなと感動したのですが、あとから実際のダンサーさんたちの踊りをモーションキャプチャーで作ったというのを知って。指先まで本当に綺麗なので、そこも見所だなと思いました。
日向:生まれた場所も育ってきた環境も全然違う5人のフラガールたちが、一緒にフラダンスをしていくうちにどんどん絆が深まっていって。故郷から離れて寂しい想いをしている子もいる中で、同期のみんなが第二の家族になるシーンがすごく好きで。私たちも個性がバラバラで、アイドルになったルーツもそれぞれ違うのに、同じ目標にむかって団結して頑張っているので、映画の登場人物たちとすごく重なりました。本当に他人事とは思えなくて、自分たちのドキュメンタリーを見ている様な気持ちになっちゃいました(笑)。
奥津・佐藤・十束:(笑)。
日向:本当そのくらい感動して、「わかる〜!!」っていうことの連続でした。この一年、あまりライブが出来ていなかったけど、ステージって人を元気にする力があるって本当に思っていて、フラガールの皆さんのステージを見て、本当に元気と刺激をもらいました。
十束:水島精二総監督をはじめとするスタッフの皆さんがすごく豪華で、アニメファンとしてこんなに素晴らしいアニメーション映画のエンディングを担当することが出来て本当に光栄でした。東日本大震災から10年、頑張ってきた福島の皆さんの気持ちが詰まっている映画で、普段アニメをご覧にならない方にも観ていただきたいです。
もちろん、アニメ好きの方にはモーションキャプチャーを使ったライブシーンや、キャラクターの可愛さにも注目して頂いて、推しを見つけて欲しいと思います。
――素敵な感想をありがとうございます!みなさんが特に好きになったキャラクターはいますか?
日向:CoCoネェさんです!
奥津:(笑)。可愛いよね!
佐藤:MVの撮影でハワイアンズにお邪魔した時にもいて、写真も撮りました!
十束:本当にいて感動した!
日向:本当に、CoCoネェさんに会いたくなる映画なんですよ(笑)。
十束:でもハワイアンズでは、「喋り出すんじゃないか」と思って怖くてぬいぐるみを買えなくて(笑)。
日向:みんなでおそろいのボールペンを買いました!
十束:CoCoネェさん以外でいうと、主人公の日羽ちゃんにひかれました。私もアイドルになるまで歌もダンスもやったことがなかったので、一番感情移入してしまって。私にもお姉ちゃんがいて、小さいころからお姉ちゃんの方が出来るという感じだったのでそこも共感出来て。『サンフラワー』をパフォーマンスする時は彼女のことを考えながら踊っています。
佐藤:わたしは滝川蘭子ちゃんが好きです。明るくて、最初の自己紹介でも自分の個性を発表していくところが面白くて。
日向:あのシーン面白かった!
十束:ああいう子が必要だよね!
佐藤:場を明るく盛り上げてくれますし、お客さんからの人気も彼女が一番高いという場面もあって、技術だけではない人柄であったり笑顔が人を惹きつけるんだなと勉強になりました。あとは蘭子ちゃんが体型作りに励むエピソードもあって、フラガールさんって体型維持も頑張ってらっしゃるんだなと感じました。でも蘭子ちゃんには美味しいものをたくさん食べていてほしいです!
奥津:全員好きですが、オハナちゃん。語尾が「にゃ〜」でシンパシーを感じますし(笑)、すごく可愛いです。ホームシックになっていながら、いつも元気で明るくて。フラガールさんのハワイ公演を見て、フラガールになりたいと思ったというエピソードもこの映画の中でかなり大事だと思いました。それだけ人の心を動かしたフラガールという存在もすごいですし、日本に来てしまうオハナちゃんのパッションもすごくかっこいいなと思います。
日向:私は鎌倉環奈ちゃんが好きです。フラガールになるために、家族にだまって家を出てきてしまって、本当は寂しいのに人に甘えることを知らないから人に強めに言ってしまうんだけど、自分にも余裕がないのにオハナちゃんを励ます所で優しさを手に入れて。あとは映画の最後の方の展開もすごくグッときました。ぜひ映画館で観てほしいです。
――MVでは実際にフラガールの皆さんと共演をしています。フラを踊ってみて、いかがでしたか?
https://youtu.be/0eU_ECjnOJ0
十束:実際に一緒に踊ってみるとすごく洗練されていて、繊細な動きに圧倒されました。体幹が大事という所もそうなのですが、指先まで気を遣うというところが異次元の難しさで。アイドルのダンスで学んできたこととは別世界の大変さがありました。それなのに笑顔を絶やさずにパフォーマンスしているところもすごいなと思いました。そしてフラガールの皆さんの教え方が本当に天使で! 優しいし、あたたかく包み込んでくれる、愛にあふれていて。精神力に脱帽。あの天使たちを好きにならない人はいないと思います。
佐藤:常に笑顔で私たちにも優しく教えてくれて、短い時間で一緒に『サンフラワー』のステージを作り上げてくれたので。その気持ちもすごく嬉しくて。あと体力が本当にすごいなって。ハワイアンズの中って冬でも28度くらいあって、真夏だと40度近くになるそうなんです。私たちTIF(東京アイドルフェスティバル)の、35度でも暑くて暑くて大変!という感じなのに(笑)、皆さんはもっと暑い中で笑顔でダンスをされていて本当にすごいです。
十束:年間300公演やっているんだもんね。
佐藤:その体力と頑張りを本当に見習いたいと思いました。
日向:今回福島と東京でそれぞれで練習をしていて、一緒に練習できた時間はとても限られていたのですが、当日立ち位置やフォーメーションに変更があっても、1回でみんな覚えていて記憶力と対応力がすごい!とプロフェッショナルなところに感動しました。
――実際にステージに立ってみて、緊張したのではないでしょうか。
奥津:本当に緊張しました!皆さんが大切にしてきた、守ってきたステージなのでそれを汚してしまってはならないと思い、誠心誠意、一つ一つの動きを丁寧にやろうと心がけました。ハワイアンズのステージという大切な場所に立たせてもらえること、皆さんの協力への感謝の気持ちを全てステージにぶつけたいという想いでした。観てくださる方も本当にあたたかくて。私たちをはじめて観る方ばかりだと思うのに、一緒に盛り上がってくれて、たくさんの拍手をくださって。もう、ハワイアンズの皆さん大好き!って。
日向:本当に皆さんのことが大好きになりました。ステージに立っているときはプロフェッショナルでかっこいい皆さんも、舞台裏では等身大の女の子というか。「その化粧品どこのですか?」って聞いてくれたり、皆さん衣装や小物を手作りでされているという話を聞いて驚きました。
十束:まつ毛パッチリですごく可愛い!と思って、あのつけまつげはダイソーじゃないかと思って聞いたら「ダイソーです!」って言っていて(笑)。
日向:つけまヤバイのはやっぱりダイソーに限るよね!って盛り上がりました(笑)。ハワイアンズでもダイソーのつけまが愛されていました。
奥津:ベースのメイクのやり方は入った時に教わるらしいんですけど、そこからは皆さん自己流で発展させていくみたいで、なのでメイクもよく見るとそれぞれ個性があって可愛いんです。
――スパリゾートハワイアンズではどんなことをしましたか? 映画やMVを見てすごく聖地巡礼したくなりました。
奥津:「激ウマバーガー」を食べました!
日向:あとハワイアンズっぽい、パイナップルジュースと。
佐藤:ピザ美味しかったです。味は明太もちチーズで、全然ハワイっぽくないのを選んでしまったのですが(笑)。
日向:CDに収録されているDVDの中にはMVのメイキングが入っていて、お泊まりしているところまで映っているので、ぜひ聖地巡礼してくださる際には参考にして欲しいです。
――『サンフラワー』の歌詞も、本当に映画の世界観を表現していて、そしてフィロソフィーのダンスにピッタリでもあり、素晴らしい楽曲ですよね。
奥津:「世界でいちばん眩しい今を私は生きている」という結論に至るのが本当に素晴らしいなと思っていて、私は私のままで今を生きていっていいんだという言葉が力強くて本当に素敵だなって。
佐藤:映画の余韻をすごく盛り上げてくれる楽曲になっていて、私たちも嬉しいです。
奥津:この映画はフラガールの魅力、震災のことについて、お仕事や将来の夢について、家族、恋愛、いろいろな要素が描かれているのですが、どれも丁寧なのにしつこくなく、心があたたかくなる本当に素敵な映画です。そして、すごくすごくハワイアンズに行きたくなります! 私たちの『サンフラワー』も一緒に好きになってくれたら嬉しいです。
――今日は素敵なお話をありがとうございました!
『フラ・フラダンス』
<声の出演>
夏凪日羽:福原遥
鎌倉環奈:美山加恋
滝川蘭子:富田望生
オハナ・カアイフエ:前田佳織里
白沢しおん:陶山恵実里
平和人:山田裕貴
鈴懸涼太:ディーン・フジオカ
総監督:水島精二「鋼の錬金術師」「機動戦士ガンダム 00」
監督:綿田慎也『劇場版 アイカツスターズ!』「ガンダムビルドダイバー ズ」
脚本:吉田玲子「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」『きみと、波にのれたら』
キャラクターデザイン:やぐちひろこ「アイカツ!」「UN-GO」
音楽:大島ミチル「鋼の錬金術師」「のだめカンタービレ」
主題歌:フィロソフィーのダンス「サンフラワー」
制作:BN Pictures「アイカツ!」「銀魂」
配給:アニプレックス
福島県いわき市に暮らす高校生・夏凪日羽。 卒業後の進路に悩む日羽は、かつて姉・真理 が勤めていた「東北のハワイ」こと「スパリゾートハワイアンズ」のポスターを見て衝動的に、新人ダンサー=フラガールの採用試験に応募する。 未経験ながらも採用された日羽は、鎌倉環奈、滝川蘭子、オハナ・カアイフエ、白沢しおんたち同期と共にフラガールへの道を歩み始めるが、個性豊かすぎる5人の足並みはそろわず、初ステージで、ある大失敗をしてしまう。 「今までで、一番ざんねんな新人たち」と呼ばれ、落ち込む彼女たちだったが、恋、ダイエット、そしてフラ…と、いいことも辛いことも分かちあいながら、フラフラしながらも絆を深めていく―――。
https://hula-fulladance.com/
https://twitter.com/hula_fulladance
【※ネタバレ注意※ 以下からは、映画の内容についてふれています。まだ映画をご覧になっていない方、気になる方はお気をつけください。】
――皆さんのおすすめのシーン、好きなシーンを教えてください!
奥津:CMにも使われているシーンなのですが、夕日の中でみんなでフラダンスを踊るシーンです。バラバラの場所から集まってきたのに心が一つになっていて、「フラがあればつながっている」という部分にシンパシーを感じました。多くの説明があるわけではないのですが、「この5人っていいな」と思える大好きなシーンです。
十束:アツいシーンランキング1位は、大会に出るシーンで、「私たちはこれでいく!」って普通のフラではないダンスをする所です。最初は何も出来なかったみんなが独自の路線を決めて勝負するっていうのが、そうくるか!という感じでした。曲がとにかく可愛くて、応援上映が出来る世の中になったら私もペンライト持って応援したいです。
そして、ビックリランキング1位は日羽ちゃんがステージにハンガーで自分をひっかけちゃうシーンです。映画を見てから、ハワイアンズに行って実際のステージを見たら、すごくステージが高くて!日羽ちゃんそりゃあ、ネットでも話題になっちゃうよって思いました(笑)。
佐藤:私もハンガーのシーン好き!びっくりしました(笑)。私は開始3分くらいで泣いてしまったシーンがあるのですが、日羽ちゃんが自分の部屋で前ショーで見た音楽をかけて一人で踊っていたら転んでしまい、家族が心配になって見にくる、という所です。お父さんもお母さんもすごく笑っていて、「2人がこんなに笑っているの久しぶりに見た」っていうセリフを聞いて、お姉ちゃんと同じフラガールになろうとしている日羽ちゃんを見て、その言葉が出て来たのかなと思って、そこでまず一回泣きました。
日向:環奈ちゃんが家族と離れて暮らす中で、本当は寂しいけれど強く振舞っているところが一番好きです。孤独を知っている人の強さというか、寂しさを知っているからこそ、優しい言葉をかけてあげられる。そして、大会に環奈ちゃんのお母さんが来てくれていて、そこで仲直りというか、お互い素直になれたシーンは大感動でした。
奥津:ディーン・フジオカさん演じる鈴懸さんの「僕たちは乗り越えてきたんだ」というセリフがあって、それがすごく強くて前向きで。乗り越えてきた方々の重みを感じながらも、悲しくなくて前向きな気持ちをもらえました。震災から10年間、みなさんが積み重ねてきた時間を感じることも出来ました。
撮影:オサダコウジ