今年90歳を迎えるクリント・イーストウッド監督の第40作となる『リチャード・ジュエル』は、1996年のアトランタ爆破事件を描く実話サスペンス。『アメリカン・スナイパー』、『ハドソン川の奇跡』など実在人物をめぐる”真実”を描き続けてきた巨匠が、「この物語は、今、我々の周りで起きていることとすごく似ている」と語り、映画化を決めたのは、事件の第一発見者として数多くの人々を救ったリチャード・ジュエル(ポール・ウォルター・ハウザー)の物語。
警備員として献身的な働きが讃えられて一躍ヒーローとなるが、数日後にFBIの捜査情報が漏洩し、地元メディアが「リチャードを捜査中」と実名報道したことで状況は一転。爆弾犯扱いされたリチャードは、名誉もプライバシーも奪われてしまいます。この窮地に無謀な弁護士のワトソン(サム・ロックウェル)が立ち上がりますが、2人の前に立ちはだかるのは、犯人逮捕を急ぐFBIの執拗な追求、スクープという獲物に容赦なく襲いかかる”メディアリンチ”の罠。衝撃の実話サスペンス『リチャード・ジュエル』が、いよいよ本日17日より公開となりました。
今回、『リチャード・ジュエル』の日本公開を間近に控え、リチャード役に抜擢されたポール・ウォルター・ハウザーの特別動画インタビューが到着!
【動画】1996年アトランタ爆破事件の実話『リチャード・ジュエル』ポール・ウォルター・ハウザー特別インタビュー
https://www.youtube.com/watch?v=c8gqdCzLU1k [リンク]
『リチャード・ジュエル』の映画化に向けて、クリント・イーストウッド監督は「リチャード役にはポール・ウォルター・ハウザー以外考えていなかった」といいます。実話を基にした社会派の傑作『アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル』を観ていたイーストウッドは、迷うことなくハウザーに出演オファーを送ったそう。
リチャードが憑依したかのような怪演を披露したポール・ウォルター・ハウザーのインタビューは自己紹介から始まります。「僕はリチャード・ジュエルを演じた。記念公園の爆破事件から大勢の人の命を救うことで、彼は栄光の瞬間をつかみ尊敬されるはずだった。しかし物事はまったく違う方向へいき、爆破事件の容疑者のレッテルが貼られた」と、突然の悲劇に襲われた経緯を解説。
撮影前に設けられた実母ボビさん、ワトソン氏との初対面は緊張の瞬間だったそう。「リチャードの母親のボビと弁護士のワトソン・ブライアントには、監督と一緒にスタジオで会った。とても圧倒されたよ。ボビと会うのは、監督に会うより緊張した」と告白。「息子リチャードは容疑をかけられ亡くなった。心が痛む」と、ボビさんの心中を察しつつの初対面を迎えます。
「会ったときに言われたんだ『息子リチャードにそっくりだわ』」と声をかけられ胸をなで下ろした。監督から渡された映像を含む様々な資料を元に役作りした成果が認められた瞬間となった。「見た目も行動も似ていると言われ、うれしかった。監督とボビのおかげだ。誇りに思っているよ」と感謝を込めて最後の役作りに励んだとのこと。「リチャードの声、精神、やさしさを捉えたかった。権力が正しいと疑わない 彼の善良さを伝えたかった」と、幼い頃から警官に憧れ、人々のために働きたいと願い、FBIの捜査にも喜んで協力した純粋なリチャードを体現していきます。
ポール・ウォルター・ハウザーは、「『リチャード・ジュエル』は弱者を描いている。捜査の内部とその進め方を描き、悲劇的で人生が変わり崩壊した男性の救済を描いている」と、本作が描く真実について言及。そして「ぜひ感じてほしいのは、人を判断するときに慎重になるべきだということ」だと力を込める。「先入観で理解しようとしても、人間性を認めているとは限らない。リチャードは不公平な先入観で判断されてしまった。そのせいで当時人々は彼の人権を尊重できなかった」と、 爆発犯扱いされたリチャードが払った代償の大きさ、人格の破壊に胸を痛めます。最後に、「この映画は彼の人権を回復したんだ」と胸を張ります。ポールのこの言葉の裏には、『リチャード・ジュエル』が人々が目を背けてきたアトランタ爆破事件の”真実”を描いていることに対する誇りなのです。
クリント・イーストウッド監督が、「この物語は、今、周りで起こっていることに似ている」と語る実話サスペンスは24年前に起こった事件を描いています。『リチャード・ジュエル』で初の主役に抜擢されたポールは、情報の真偽が確認されぬままに、世界に伝播していく今だからこそ、この映画が重要だと指摘する。SNSが人々の生活に根付き、姿なき誹謗中傷が蔓延する現代社会。誰もが「被害者」にも「加害者」にもなり得る現代社会に、クリント・イーストウッド監督が時代に警鐘を鳴らす。今こそ観るべき実話サスペンスの傑作『リチャード・ジュエル』が描く「真実」を映画館で目撃せよ!
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