10月21日放送の『チコちゃんに叱られる!』(NHK総合)で紹介された、「相撲が東と西に分かれるのはなぜ?」という疑問の答えに関する説明のある一幕がネット上で物議を醸している。
この疑問についてゲストでタレントの若槻千夏(38)が「関東VS関西だったから」と答えたものの、「ボーっと生きてんじゃねーよ!」を食らってしまうことに。チコちゃんの答えは「東さんと西さんが同じくらい強かったから」だった。
また、解説の静岡大学の小和田哲男名誉教授(78)によると、もともと相撲の始まりは古事記に登場するふたりの神様の力比べで、その後、五穀豊穣を願う「素舞」と呼ばれる神事に変化。さらに鎌倉時代に武術として広まることになったが、この時はまだ東西に分ける文化はなかったという。
しかし、安土桃山時代に入り、大の相撲好きとして知られる織田信長が、全国の力自慢を集めて相撲を主催している際、「竹相撲」という大きな竹の両端をお互いに掴んで力比べをする相撲で、伝蔵と馬次郎という2トップの勝敗が付かないことが起こったという。
この名勝負に信長は大興奮し、両者の健闘を称え、伝蔵が東にいたから「東伝蔵」、馬次郎が西にいたから「西馬次郎」という名前を与えたとのことだった。
しかし、番組で紹介されたイラストでは、信長の左にいるのが「東伝蔵」右にいるのが「西馬次郎」と描かれていた。これにネット上からは、「左右逆では?」「信長は南面にいるはずなのに」「こういうところが雑」というツッコミが集まっていた。
「大相撲が行われる両国国技館では、実際の方角である『北』が呼び出しの『東』に位置しているというのはあまりに有名な話。これは天皇陛下らが観戦する際に利用する貴賓席が道路側に位置することに起因しています。これは古来からある『天子は南面す』という天皇陛下や権力者は北に背を向けて南面を向くという考えによるもの。そのため、貴賓席を基準にし、両国国技館内の方角が作られています。今回のイラストでは、信長の左が東、右が西になっていますが、本来南面を向いていたはずの信長を基準にすると、左が西、右が東になるはず。イラストとはいえ、番組チェックの甘さに苦言が集まってしまったようです」(芸能ライター)
たびたび「諸説あります」と注意テロップが入る本番組だが、単純なミスによるものと思われるこの間違いには疑問が寄せられてしまっていた。