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話題の「CASH」を立ち上げたSTORES.jp創業者の光本勇介さんってどんな人?


「CASH」を立ち上げた光本勇介氏とは?


 昨日リリースされ、一日中SNSでの話題をかっさらいネット上を騒がせ続けている「CASH(キャッシュ)」



 スタートから24時間経たずして、予想を遥かに上回るサービス利用によって、一時的に査定機能のみ停止する事態となっています。





 CASHは、「目の前のアイテムを一瞬でキャッシュ(現金)に変えられる」とうたう新しいレンディングサービス。アイテムをスマホで撮ると自動で査定額が表示され、「キャッシュにする」を選べば、その金額の仮想通貨が瞬時にアプリにチャージされるという仕組みです。もちろん銀行やコンビニ(ローソンのみ)で現金として出金することができます。


 ユーザーは、キャッシュを2ヶ月以内に返金するか(手数料15%)、写真を撮ったアイテムを送付して返済にあてるかを選べます。


 私も試しに使ってみましたが、SMS認証するだけですぐに使えるようになり、超簡単操作で速攻査定額が出て、さらに即時にキャッシュがチャージされるという仕組みはものすごく面白いと思いました。ただし、返金時の手数料15%というのは、簡単にいうと「金利15%の高利貸し」ビジネスとも言えるので、色々と法律的な問題点も指摘されています。


 そんな「CASH」を手がけるのは、オンラインストア作成サービス「STORES.jp」をはじめとしたインターネットサービスを提供するブラケットの創業者・光本勇介さん。


 その光本さんが今年2月に立ち上げた新会社「バンク」の第1弾となるサービスが「CASH(キャッシュ)」です。


 たった1日でここまで話題になるサービスを手がけた光本さんとは、どのような人物なのでしょうか。


 実は以前紹介した『未来をつくる起業家~日本発スタートアップの失敗と成功 20ストーリー』に登場していて、ご本人の起業ストーリーについて語られています。



 光本さんのことを「CASH」で知ったという人も多いと思いますので、光本さんの経歴について本書の内容を引用しながらご紹介します。



目次



  1. 高校、大学時代〜新卒で広告会社に就職

  2. 自己資金でBracketを創業

  3. 最初のサービス「CoFoRe」

  4. 潰れる瀬戸際で始めた「Shoes of Prey」

  5. リリース初日から大ヒットの「STORES.jp」

  6. 事業を成功させるために必要なものとは?




高校、大学時代〜新卒で広告会社に就職


 高校生の頃から、インターネットでものを売る経験をしていたという光本さん。当時から、将来はインターネット事業で起業することを決めていたそうです。


 当時、他にネットストアがあまりなかったためか、1枚5,000円ほどで購入したTシャツなどがインターネット掲示板を通し25,000円ほどの価格で地方の方などに売れ、一日10万円ほど毎日稼いでいました。その時からインターネットの面白さや可能性を肌で感じ、将来、何かインターネットを使った事業をやりたいと強く思うようになりました。(P.69)


 大学時代はスタートアップに関わり、ベンチャー起業家にアポをとっては会ってもらうことを繰り返していました。


 そこでとある上場企業の社長から、「会社をつくったら、ビジネスの相手として大きな会社と渡り合うことがある。大きな会社の組織に入って、そこの状況を知ることも大事だ」と言われ、本当は就職せずに独立しようと思っていたそうですが考えが変わり、外資系広告代理店オグルヴィ・アンド・メイザーに入社を決めたそうです。


 広告会社を選んだ理由は、「一つの会社にいながらにして、たくさんの企業やビジネスの内情が分かる会社に入りたいと思った」から。


 しかし就職を決めた後も、「ビジネスをはじめるなら身軽なうちに」という思いから、20代で起業しようと決めていたといいます。


 オグルヴィでの仕事は楽しくてしょうがなかったそうですが、居心地が良すぎたことに対する危機感や、26歳の自分が何億円という大きな金額を動かす中で金銭感覚がおかしくなる不安があったこと、そして「他人」の会社に自分の人生をゆだねるよりも、自分でリスクを背負って自分の足で立っている方が自分に合っているのではという考えから、辞めることを決意したそうです。


自己資金でBracketを創業


 世界的な広告会社であるオグルヴィを辞め、27歳で起業した光本さん。起業時の苦労について、本書では金銭面についてまで話されています。


 会社員時代に貯めていた600万円の貯金を会社の資金にして使いましたが、半年で底をつきそうになりました。そのため、親に頼み込んで300万円ほどのお金を借りて、どうにか1年は頑張りました。(中略)預金残高が最も少ない時期で22,614円でした。(P.71)


 光本さんほどの人でも、こんなにもギリギリの経営に陥ったことがあったのかと驚くとともに、それを乗り越えて今の成功に至っている姿を見ると勇気をもらえます。


最初のサービス「CoFoRe」


 最初に創った「CoFoRe」は、ソーシャル・カーシェアリング・サービス。


 「車に乗らない時間に車を貸したい人と、レンタカーよりも安く車を借りたい人が出会う場を提供し、貸し借りで生じる金額の10%を手数料としていただく」という、「自動車版Airbnbのようなサービス」です。調べてみたら、このサービス、まだ閉じられてはいないようですね。


 このビジネスを始めようと考えた理由について、光本さんは次のように語っています。


 日本にどれだけ車が今あるかを調べると、6000万台もの車があることがわかったのです。さらに、24時間を100%に換算すると、車が動くのはわずか2〜3%の時間でしかないこともわかりました。なんと一日のうち、97%の車が動いていない、大部分の車は駐車場に置きっぱなしです。眠っている車が死ぬほどあるなんてすごくもったいないことですよね。


 一方で、車に乗りたい人ってどれくらいいるのだろうと思った時、不況にもかかわらずレンタカーのマーケットは毎年大きくなっていることがわかりました。だから車に乗りたいという需要はあるな、という直感がありました。そこで眠っている車をうまく活用できないかと考えたんです。(P.72)


 現在は「Airbnb」や「UBER」が日本に上陸し、だいぶメジャーになりつつまりますが、「CoFoRe」がスタートしたのは2009年4月。


 当時はまだ、FacebookやTwitterなどのSNSも普及しておらず、「ソーシャル」がなかなか理解されなかったため、このサービスだけで会社の利益を出すには全然足りなかったと振り返っています。


潰れる瀬戸際で始めた「Shoes of Prey」


 会社がつぶれるギリギリの瀬戸際で始めたのが「Shoes of Prey(シューズ・オブ・プレイ)」。女性靴をオーダーメイドで注文できるサービスです。


 こちらは海外で人気のサービスを日本に持ち込むという戦略で、オーストラリアで流行っていたシューズ・オブ・プレイを日本市場を展開すべく、パートナーと契約を結んで事業展開したものです。


 eコマースのビジネスをする時は普通、モノを仕入れる資金が必要ですが、シューズ・オブ・プレイの場合は、オーダーを頂いていから靴をつくるので、仕入れが必要なく、在庫リスクがなかったので、まだまだ小さな規模で会社を展開していた僕たちには好都合な事業でした。(P.73)


 このサービスをはじめてようやく、なんとかやっていけるほどの売上が少しずつ立つようになったといいます。


 2008年当時は、今のようにインターネットのスタートアップが多くなく、ベンチャーキャピタルからもなかなか相手にしてもらえない状況だったので、運転資金を得るのにかなり苦労をされたようですね。









リリース初日から大ヒット「STORES.jp」


 その後リリースしたのが、オンラインストア作成サービス「STORES.jp」。きっかけは、友人や親戚から「オンラインストアをつくって物を売りたい」という相談を受けることが多く、当時「誰でも簡単にオンラインストアがつくれるサービス」がなかったから。


 過去の様々な失敗から、事業は、どんなにロジカルに考えてもその通りに動かないことが多いと身にしみて分かっていたので、今回は、自分がいいと思った直感に従って動こうと思いました。(P.74)


 ウェブのリテラシーがない人たちでも問題なく作れるように「スーパーシンプル!」を志向し、「これがないと成り立たない」という機能しかつけず、感覚的な操作だけで、説明なしでも数分後にはいつの間にかストアができている、というデザインを目指しました。


 リリースするタイミングでは、本当に最低限の機能だけで開始しました、そのほうが簡単にサービス内容を伝えられうと思いました。実際、ユーザーが他の人に口コミで伝える時も、簡単に伝えてもらいやすいサービスになったと思います。(P.74)


 「STORES.jp」は、リリース初日から予想をはるかに上回る大ヒット。


 リリース前は「1年で1000ストアくらいいになればいいな」と思っていたそうですが、実際は、リリースしてわずか3時間後には3000ものストアが開設され、初日からプレミアムプランに登録してくれた人もいたといいます。


 まるで「CASH」の拡散ぶりをそのまま言い表しているかのようですね。




 「STORES.jp」同様、「CASH」も「スーパーシンプル」にこだわったからこそ、リリース直後からたくさんの人がそのサービスについてコメントし合い、みんなに教えるためにシェアし、一気に拡散されたのでしょう。


 まったく同じ現象が起きているのを見ると、光本さんの中ではサービスリリース時のバズらせ方の勝ちパターンが見えているように感じます。


 「STORES.jp」は、最終的にZOZOTOWNを運営する株式会社スタートトゥデイに約8億円で売却され、現在、光本さんは独立してBankという会社を創業。昨日「CASH」をリリースした、というわけです。


事業を成功させるために必要なもの


 事業を成功させるために必要なものについて、光本さんは「運とセンス、実力と努力のすべて」だと言います。「お金の使い方、事業の展開させるセンス、事業を進化させるセンス、これらが結果的にすべて重なって、一つのビジネスができ、会社が成立する」と。


 そしてベンチャー企業で働くことでもたらされる成長について、次のように語っています。


 もう既に出来上がっているサービスや会社に転職したいと思う人はたくさんいると思いますが、一つのサービスが大きなサービスになっていく過程を経験している人は、人材マーケットの中で希少です。今僕たちはまさにこのプロセスを経験していて、だからこそ学ぶことがたくさんあります。結果的にサービスをきちんと育てられれば、自分たちも成長できて、それは会社の資産になり、個人としてもものすごい経験値が上がります。そういう人が集まるチームにしたいと思っています。(P.81)


 現在、Bankではエンジニアが足りないようで、Wantedlyにて募集をかけているので、気になる方はぜひ応募してみてください。





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