噛むことの効果とは?
ダイエット効果
よく噛むと良い、といわれる代表的な理由として、ダイエット効果があります。疫学調査により、早食い=よく噛まない人には、肥満が多いと分かってきました。
なんと、調査報告によると、よく噛まない人は20歳時点からBMIの増加量も多いとのこと。よく噛まないと、その影響は若い内から出てくるというわけですね。
噛むと痩せる、そのメカニズムは?
噛む回数が増えると、胃など消化器官への血液量が増えます。そして消化活動が活発になり、食事誘発性熱産生(食事をする際に発生する熱)も高くなります。食事誘発性熱産生が高いということは、基礎代謝が高くなり、ダイエットに効果的というメカニズムです。
1回の食事で消費されるエネルギーは、そこまで多くはありません。しかし、食事のたびに少しでも食事誘発性熱産生が高い・エネルギーを消費していると、いずれは大きな消費となります。
体重60kgの人では、1日3回よく噛んで食事をすると、1年間で1.5kg分のエネルギーを多く消費する、という計算になるとのこと。
口元を引き締める効果
顔には「表情筋」や「骨格筋」などさまざまな筋肉があります。骨格筋の一つに、「咬筋(こうきん)」という噛むときに使う筋肉があります。
咬筋をしっかり動かすと、口の周りにある、
- 口輪筋
- 舌筋
- 頬筋
などの筋肉を刺激します。その結果、顎や頬のたるみを防止し、引き締まった口元をつくることができます。
美肌効果
噛む回数が増えると、口の中に唾液が増えますよね。唾液には、パロチンやEGFという成分が豊富です、
パロチン
成長ホルモンの一種で、皮膚のターンオーバーを活発にします。皮膚炎の治療薬としても使われています。
EGF
たんぱく質の一種で、皮膚の表面にある受容体と結びつき、肌細胞の再生を促進します。肌細胞の再生が促進されると、肌のトラブル予防になります。
小顔効果
噛むという動作は、普段使われていない顔の筋肉を使います。噛む回数が増えると、顔の筋肉のトレーニングになります。
さらに、噛むことで口周りを動かし血行が良くなると、
- 顔のむくみがとれる
- 顔のリンパ腺が刺激され、くすみが解消する
など、小顔効果が期待できます。
胃腸のはたらきを良くする
唾液には、殺菌効果・除菌効果があるといわれています。口の中ではもちろん、食道・胃の中の細菌の繁殖も抑えることができるため、消化管の調子も良くなります。
消化管が健康=免疫力アップにもなります。
歯を健康に保つ
よく噛むことによって唾液の分泌が増えますが、唾液には口の中を細菌から守るはたらきがあります。歯をコーティングすることで、細菌から守るともいわれています。
口元や歯の清潔は、第一印象にも影響がありますよね。噛む回数を増やして、口内環境を健やかに保ちましょう。
脳を刺激する
よく噛むと、セロトニンの分泌が増えます。セロトニンとは、脳内の神経伝達物質で、脳を活性化します。その他、精神を安定させるなどのはたらきも。
特に、リズミカルに噛むとセロトニンの分泌が増えるといわれています。
「よく噛む」とは何回噛めば良い!?
日本咀嚼学会や厚生労働省では、よく噛む、とは30回噛むことを推奨しています。しかし、30回とはあくまで目安で、なかなか実行しづらいことも。
あまりに沢山噛んで、食事の美味しさを感じないようであれば、美味しいと感じる回数で噛むと良いでしょう。
よく噛むためのコツ
よく噛むことは、簡単そうですが、なかなか実行できないこともありますよね。自然と、よく噛まなければならない習慣をつけるのも良いでしょう。
(例)
- 野菜を固め・大きめにカットする
- 食材を大きめにカットする
- ごぼう、れんこん、ナッツ類、たこ、いかなど、歯ごたえのあるものを取り入れる
また、以下のことも大切です。
- 急いで食べない(ゆっくり食べる)
- 飲み物で流し込むように食べない
ゆっくり食べると、食材そのものの味を感じることができますし、何より早食いは太る原因。流し込むように食べると、食べ物が細かくならずに胃に流れていくため、消化に良くないので要注意。
麺類など喉越しが良く、あまり噛まなくても飲み込める食事も、噛むことを意識して食べるようにしましょう。
いかがでしたでしょうか。「よく噛むことは良いこと」といわれていますが、具体的にはこんなにも美容や健康に良いことがあるのですね。
ぜひ今日から、よく噛んで食事を味わってみてくださいね。