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【米国株はもうダメ?】今から新NISAで投資を始めたいけど不安な方へ。「S&P500 Pro」ファンドのメリット・デメリットを取材!





貯蓄を増やす手段のひとつとして、投資信託や株取引などの資産運用を選ぶ人が増えてきました。筆者も少し前から新NISAやiDeCoで投資信託に挑戦しています。

初心者の筆者が口座開設するにあたって、最初につまずいたのが投資先の銘柄選び。どこに投資したら良いか分からず、「S&P500」などの有名な銘柄を選んだ記憶があります。

同じような悩みで、投資信託に踏み出せない人は多いのではないでしょうか。

そこで今回は、グローバル資産運用会社、ティー・ロウ・プライスの日本法人ティー・ロウ・プライス・ジャパン株式会社に取材を実施。

同社が2025年6月に新たに設定し、運用を始めた「ティー・ロウ・プライス 米国株式リサーチファンド 愛称:S&P500 Pro」(以下「S&P500 Pro」)の詳細や、投資信託のメリット・デメリットなど、これから投資信託を始めたいという方に分かりやすくご紹介します。
投資信託とは?メリット・デメリットを解説


そもそも「投資信託」というのは「投資のプロが自分の代わりに分散投資してくれる」という仕組みのことです。

投資による資産運用には株式だけではなく、国債や不動産、債券などさまざまな分野があります。「どれを選べば良いのか」を予想するのは投資初心者には非常に難しいですよね。

「投資信託」はさまざまな投資先がセットになっているので自動的に分散投資ができ、投資のプロが運用してくれるというのが大きなメリットです。

デメリットとしては手数料がかかることや、そもそも投資信託によってはハイリスクなものもあること。

たとえば有名な「S&P500」などは米国株式市場における主要な500社をカバーするもので、比較的安定しているとして人気を集めていました。

「S&P500」はインデックスファンドのひとつ。では他にどのような選択肢があるのでしょうか。
「インデックス」ファンド以外の選択肢と特徴は?


インデックスファンド(インデックス運用)とは、投資信託における運用方式のひとつです。その他に「アクティブファンド」、「エンハンスト・インデックス」が存在します。

インデックスは「日経平均」「TOPIX」といった株価指数に連動するよう運用され、比較的分かりやすくてローコストと言われています。

…と言われても、専門用語が多くてなんだかよく分からないですよね。

専門用語をなるべく省いて運用方式の違いやメリット、デメリットを以下にまとめてみました。
インデックス
・市場の動きに連動
・平均点を目指してこつこつ勝負するイメージ

・メリット
└手数料(運用コスト)が安い
└分かりやすい分散投資でリスク分散ができる

・デメリット
└ローリターン
アクティブ
・ファンドマネージャーによる独自運用で、市場平均を上回る成績を狙う
・高い得点を狙って大技を出すイメージ

・メリット
└うまくいけば大きなリターンが得られる

・デメリット
└手数料が高い
└ハイリターンが見込めるがハイリスクでもある
エンハンスト・インデックス
・インデックスを基本にしつつ、アクティブを少し取りいれる
・こつこつ勝負しつつ、たまに工夫をしてテクニカルな技を出すイメージ

・メリット
└アクティブより手数料が比較的安い
└インデックス+αのリターンが狙える

・デメリット
└工夫が裏目に出てインデックスに劣る可能性もある

 

まとめると、「インデックス」は低コストだけどローリターン、「アクティブ」はハイリターンを狙えるけどハイリスク、「エンハンスト・インデックス」はバランス良くリターンを狙う、というイメージです。

今回取材でお話をうかがったティー・ロウ・プライス・ジャパン株式会社の投資信託である「S&P500 Pro」は、「エンハンスト・インデックス」に分類されます。

「エンハンスト・インデックス」について、同社運用部門のポートフォリオ・スペシャリストにお話を伺いました。

(ティー・ロウ・プライス・ジャパン株式会社ポートフォリオ・スペシャリスト):
「『エンハンスト・インデックス』は、リスクは代表的な株式指数と同等程度に抑えつつ、銘柄選別にアクティブ運用の視点を取り入れることで、『インデックス+αのリターン』を目指す工夫がされた運用戦略です。
近年株式市場が不安定な環境が続く中で、投資のプロである世界の機関投資家や米国の個人投資家の注目を集めています」

インデックス(指数)との連動をめざす受動的なパッシブ運用と、インデックスを上回る運用成績をめざす積極的なアクティブ運用の中間にあたる。つまり、インデックスとアクティブの良いとこ取りを狙う戦略というわけですね。
「S&P500 Pro」ってどんな商品?


記事執筆現在、NISAには「つみたて投資枠」と「成長投資枠」があり、国が定めた基準を満たし、長期の分散投資に適した投資信託商品が対象になっています。

2025年6月に同社が新たに設定し、運用を開始した「S&P500 Pro」は、「成長投資枠」の対象となる投資信託商品のひとつ。「エンハンスト・インデックス」運用戦略となっています。

この「S&P500 Pro」と、投資先としてメジャーな「S&P500」(インデックス)には、どんな違いがあるのでしょうか。
同社ポートフォリオ・スペシャリストに「S&P500 Pro」の特徴も伺いました。

(ティー・ロウ・プライス・ジャパン株式会社ポートフォリオ・スペシャリスト):
「『S&P500』は米国の有名企業で構成されています。しかし、中には過去の業績は良かったものの、将来の成長性が低い企業も組み込まれている可能性があります。
そうした企業の株価が冴えない場面では、『S&P500』全体のパフォーマンスの足を引っ張る傾向がありました。
対して『S&P500 Pro』は『S&P500』の構成企業から、成長性が高いと思われる企業等に絞り込むことによって、より高いリターンを目指す運用戦略を用いた投資信託です。

絞り込みは企業調査・分析のプロであるティー・ロウ・プライスが行います。
『S&P500 Pro』は、1999年に米国で運用を開始したティー・ロウ・プライスの旗艦戦略『米国ストラクチャード・リサーチ株式戦略』を採用。
同戦略は、2024年12月末時点において『S&P500』のパフォーマンスを継続して上回ってきました(*1)。
相場環境に左右されず安定的にパフォーマンスを上回ること、インデックスのリスクから大きく乖離しない範囲で、より大きなリターンの積み上げを目指しています」

 

「エンハンスト・インデックス」である「S&P500 Pro」は「インデックス」よりも信託報酬(運用管理の手数料)は高いのですが、過去の実績ではその手数料を控除しても「S&P500」のパフォーマンスを上回ってきたそう。

「インデックス」と「アクティブ」の良いとこ取りによって「エンハンスト(強化)」された米国株式投資の新たな選択肢であり、「インデックス」に慣れ親しんだ投資家にとっての新定番を目指している、とのことです。
米国の関税政策に紛争…こんなときに投資を始めて良いの?


記事執筆現在、米国大統領に返り咲いたトランプ氏による関税政策は、世界市場に大きな影響を与えています。

こうした米国の政策は、投資にどんな影響があるのでしょうか?

 

(ティー・ロウ・プライス・ジャパン株式会社ポートフォリオ・スペシャリスト):
「米国の相互関税施策が、米国株式市場に影響を及ぼしていることは疑う余地がありません。関税政策によって株式市場の短期的な変動性が高まることは避けられないでしょう。
また、トランプ大統領は関税を交渉のツールとして使用すると同時に、金融市場の動向にも注意を払っていると見られるため、大きく株式市場が下落することがあれば、政策の方針を急に転換する可能性もあります。

中長期でみれば、米国株式市場は依然として高い成長が期待できると見ています。
世界における米国の存在感は変わらず大きく、世界株式市場に占める米国の割合は60%を超えるのに対して、2位の日本は約5%と大きく差がついています(*2)
米国ではこれまで革新的な企業が多く生まれてきた土壌があるので、そうした環境がこれまでの右肩上がりの株式市場を支えてきたといえますし、これからもその傾向は続くと考えられます」
現在の米国市場で投資のプロが注目している産業は?


「S&P500 Pro」は「S&P500」と同じく、米国市場の株式を対象とする商品です。

世界情勢が不安定な現在、投資のプロフェッショナルであるファンドの目線から、どんな産業や企業に注目しているのか伺いました。

 

(ティー・ロウ・プライス・ジャパン株式会社ポートフォリオ・スペシャリスト):
「市場で度々話題になりますが、AIに関しては、企業収益の拡大に繋がるAI活用事例が散見されるようになってきています。
それがまたAIインフラへの投資を促す、といった好循環に入りつつあり、AIは今後も注目されている分野です。
ヘルスケアについても、手術ロボットやバイオ医薬等、米国が世界をリードしている多くの魅力的な投資対象企業があります。

また資本財・サービスについては、オートメーション関連、防衛・航空関連等で、高い成長性が期待できる企業が多く存在します。
一方でトランプ大統領による政策の不確実性によって市場環境が不透明な部分も大きいことから、業種配分を指数と大きく乖離させることはリスクにもなり得ます。
業種配分は指数と同程度としながらも銘柄選別によって各分野で優位な企業に投資し、プラスαのリターンを目指す運用は効果的だと考えています」

 

現在の米国では、AI、ヘルスケア、サービス業など、自動化や効率化による成長の期待ができる企業に注目が集まっているそうです。

ただし、同社が扱う「S&P500 Pro」においては業種の配分を偏らせる運用は行わないそう。

あくまでも株式指数である「S&P500」と同様の業種配分としながらも、同業種内で成長性の高い企業に配分していくことで「S&P500」を上回るリターンを目指しているそうです。
投資先やスタートのタイミングに正解はない


各地の紛争に、関税政策、円高と、株式市場に影響を与えそうな要因がある中、「今から投資を始めるのは怖い」「米国株はもうダメなのでは?」と考える人もいれば、「株価が下落している今がチャンス」と考える人もいます。

投資を始めるべきか、またどの商品を選ぶべきかに明確な答えはありません。投資先によっては「リターンが低い」「元本割れする」リスクもあります。

一方で投資信託は、長期的な積み立てを前提とした運用でリターンを期待する商品なので、スタートするなら早い方が良い(長期運用できる)といえます。

今回取材した「S&P500 Pro」のように、新NISAの成長投資枠対象の商品(販売会社:楽天証券)なら投資初心者も始めやすく、口座開設も簡単です。投資先選びに迷っている人は、新たな選択肢のひとつに加えてみてはいかがでしょうか。

 

*1:2024年12月末時点。同ファンドが実質的に採用する運用戦略で運用されているコンポジットの日本円ベースの月次リターンを用いて計算しています。信託報酬は当ファンドの年0.555%(税抜)に該当月の日本の消費税率を掛け合わせた値を控除しており、1999年5月~2014年3月は0.58275%(税込、消費税5%)、2014年4月~2019年9月は0.59940%(税込、消費税8%)、2019年10月以降は0.61050%(税込、消費税10%)を使用しています。S&P500は税引前配当込み、日本円ベースのリターンを使用しています。1999年5月末(運用開始時)を100として2024年12月末までに、月次リターンで算出した累積パフォーマンスがS&P500を上回っていた期間

*2:2025年5月末時点。ファクトセットのデータをもとにティー・ロウ・プライスが算出。MSCIオールカントリー・ワールド・インデックスに占める時価総額比率を使用
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