駅員さんや店員さんなどに「キレる高齢者」が増えているという。
ただ、高齢者に限らず、「キレる」とまでいかないが、今の社会から他人に対する不寛容さや窮屈さを感じ、ストレスに思う…という人は多いのではないだろうか。
また、自分自身がキレないまでも、ストレスから自分も怒りやすくなっているのでは…と不安に思う人もいるはずだ。
ストレスや「怒り」はガマンすることも辛いが、一度爆発してしまえば取り返しのつかないことになる恐れがあり、なんとかマネジメントしていきたい…。
だからこそ、「怒り」をコントロールするスキル「アンガーマネジメント」に注目が集まっている。
また、ストレスを抑えることによって「アンガーマネジメント」にも通ずる技術「マインドフルネス」も最近話題だ。
なんとこの「マインドフルネス」は、VR技術の導入も進んでいるという。
そこでこの記事では、「マインドフルネス」とVRの関わりについて触れたい。
「今ここ」に集中してストレスを低減する技術!マインドフルネス
「マインドフルネス」とは、意識を「今ここ」に集中することで、ストレスを低減しリフレッシュするという技術。
たとえば、ストレスの原因となる不安は未来に対するネガティブな思い込み。
また、怒りは、過去に起きたネガティブな記憶に起因することが多い。
そこで、未来や過去ではなく「今ここ」にある一番具体的なもの…呼吸や、特定の体の部位などに意識を集中させることで、ストレスを減らそうというわけだ。
この技術、「瞑想」を発展させたもので、ストレス低減以外にも集中力や決断力を高めるなど、近年有効性を示す研究結果が見つかっており、注目を集めている。
スマートフォンアプリからAppleWatchアプリまで!マインドフルネスアプリ
「マインドフルネス」そのものは、特にデジタル機器を使用せずとも行えるものだ。
ただ、音楽や映像などでリラックス効果を高めたり、呼吸のタイミングを知らせてくれたりといった機能を提供するアプリも多数リリースされている。
AppStoreやGooglePlayで「マインドフルネス」と検索すると大量に見つかるだろう。
代表的なところに触れると、たとえばスマートフォンアプリの「Zenify」や、AppleWacthの「呼吸」アプリなどだ。
「Zenify」
「Zenify」は瞑想の練習を通知によって指示してくれるアプリ。
「マインドフルネス」も瞑想も初めてでサッパリわからない…という人でも、ちょっとずつお手軽に学んでいくことが可能だ。
「呼吸」
AppleWatchに標準インストールされているアプリで、深呼吸のタイミングを振動で知らせてくれる。
定期的に起動して深呼吸を促してくれるので、日中ついつい仕事に集中してしまい、リラックスのタイミングを逃しがち…という人にも向いている。
デジタルヘルス企業が提供するマインドフルネスVR「Provata」
VR技術がマインドフルネスにどんな影響をもたらすのかというと、最大の効果は、体験者をストレス満載の現実から切り離し、リラックスできる理想の空間を提供できるという点だ。
リラックス効果のあるビジュアルを見たり、音楽を聴いたり…というは通常のアプリでも実現可能だが、VR技術のもたらす没入感ならさらに効果的。
そんなVR技術の恩恵を最大限活用したマインドフルネスアプリが「Provata」。
iOS向けのアプリとして提供されており、CardboardなどのスマホVRゴーグルを用いてVR体験可能。
海中や浜辺や滝といったとても静かでリラックスできるVR空間に没入。
瞑想のレクチャーを受けることができる。
また、ヘルスケア情報をトラッキング可能な機器…たとえばApple Watchなどとの連携も可能。
連携することで、心拍数の変化などから瞑想の効果を確認できる。
ちなみに、VRゴーグルなしでも使用することは可能だ。
「Provata」を提供する企業Provataはそもそも、デジタルヘルスサービスを提供する企業なので、作りは本格的。
マインドフルネスに特に興味がなくとも、VRコンテンツとして楽しむだけでリラックス効果を実感できるだろう。
瞑想によってストレスを低減するVRコンテンツ「Guided Meditation VR」
「Guided Meditation VR」は、瞑想によって心をリラックスできるというVRコンテンツ。
OculusRiftやHTC VIVE、Gear VRといったVRデバイスに対応している。
森の中や村落、浜辺などのヒーリングスポットからスポットを選び、瞑想することが可能だ。
一般ユーザーが気軽に楽しめるアプリだが、世界中の病院や疼痛治療センター、精神科医で利用されるなど、医療用途においても導入が進んでいるようだ。
もちろん、ごくフツーにリラックス用のコンテンツとして楽しめる。
ストレスをコントロールしてよりよい人生を送ろう
「ストレス」というと軽く感じる人もいるかもしれないが、ストレスが溜まることで精神的な病はもちろん、胃潰瘍のような肉体的な病に発展することもある。
そこまで悪化せずとも、ストレスが溜まっていると日々の満足感が減り、充実していると思えなくなってしまう…。
この記事ではVRを用いたマインドフルネスについて紹介したが、アプリやVRでなくとも、自分にできる方法でストレスを低減するための行動を生活に取り入れた方がいいだろう。
実際にVRを用いることでどこまでヒーリング効果がアップするのか、具体的な数字まではわからないものの、VRの高い没入感が描き出すヒーリングスポットは非常に魅力的。
マインドフルネスに興味を持っている人は、まずはiOSで楽しめる「Provata」から触れてみてはいかがだろうか?
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