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Samsung、自殺を予防するVR診療アプリを開発することを発表


海外メディアRoad to VRは、Samsungが自殺を予防するVR診療アプリを開発することを報じた。



AIを活用したVR診断アプリの開発


同メディアによると、SamsungはVRアプリ開発会社のFNIと韓国の病院Gangnam Severance Hospitalとパートナーシップを締結して、メンタルヘルスに関するGear VR対応アプリを開発することを発表した。


開発するVRアプリの内容は、心理状態を計測して自殺の予防につながる診療が可能となるもの、とのこと。SamsungがGear VR、Gangnam Severance Hospitalが診療データをそれぞれ提供し、FNIが実際にVRアプリを開発するという体制で進める。


同アプリの心理状態を計測する機能には、Samsungが開発したAIアイスタント「Bixby」も活用される。


以上のVRアプリは、2018年に病院と学校に導入することを目指しており、その後、一般販売する計画である。


精神医療に応用されるVRテクノロジー


VRヘッドセットは、バーチャルな視覚情報を「リアルに」体験させるだけではなく、バーチャルな体験自体が体験者の精神状態に直接的に影響を及ぼすことが知られている。


こうしたVRヘッドセットの精神への影響力を応用して、精神医療にVRテクノロジーを役立てる事例は数多く存在する。


統合失調症に対抗するVR


悪魔は患者が「言ってほしくないこと」を言ってくる


モントリオールのPhilippe-Pinel研究所では、統合失調症の治療にVRを利用するプロジェクトが進められている。単なるリラックスなどではなく、幻聴の軽減に効果があると期待されている。


この研究に参加したRichard Breton氏は、20代前半に統合失調症と診断され、それ以来幻覚やパラノイアに苦しんでいた。そこで同氏は、エンジニアに彼を苦しめる「拷問者」と対峙できるVRコンテンツの開発を依頼した。


VRを使った内なる悪魔との対決は、同氏に良い効果をもたらした。同氏は自分の心と戦うことができるようになり、幻聴も80%から90%も抑えられるようになったのだ。


2015年の9月に開始されたこのプロジェクトには、同氏のほかにも患者が19人参加しており、そのうち15人には大きな改善がみられた、とのこと。


曝露療法とVR


Skip Rizzo博士とBravemind VRシステム。クレジット:Branimir Kvartuc


南カリフォルニア大学では、精神疾患に苦しむ人々のためにBravemindというアプリケーションを開発している。Bravemindは、VRを使って伝統的な曝露療法を行うアプリだ。


患者が過去に経験してトラウマの原因となった、あるいは苦手としている環境をVRで再現し、少しずつそれに慣らしていくのが目的となる。VRを使わずに曝露療法を行うのは、難しいか、ときに不可能だ。しかし、VRであればPTSD患者のために大災害や戦争を再現することもできる。


研究中ではあるが、VRがしばしば求められるニーズに応えるツールであることが明らかになってきているという。PTSD、うつ病、摂食障害の治療や各種リハビリへの利用、疼痛の管理といった医療に関わる幅広い分野でVRの有効性が示されつつある。


Sea Hero Quest



「Sea Hero Quest」は、ポップなグラフィックが印象的なGear VR対応パズルアドベンチャーゲームだ。


同ゲームのゲームシステムは比較的シンプルである。プレイヤーは、自らが乗る船を操縦してゴールまでたどり着くとゲームクリアとなる。ゴールを探すには、海や陸に点在しているアイテムを手がかりにする必要がある。


以上のようなゲームシステムは、実は「モーリスの水迷路実験」と呼ばれる脳科学の分野で知られている実験を参考にしている。「モーリスの水迷路実験」とは、マウスを実験対象とした空間認知能力と短期記憶力を測定する実験である。同ゲームは、ゲームプレイがこの実験をバーチャルに体験することになるように設計されているのだ。


同ゲームのプレイヤーがゴールにたどり着くまでのタイムは、実験データとして蓄積されている。この実験データから、年齢や性別に応じた平均的な空間認知能力と短期記憶力を割り出すことができる。


同ゲームをプレイして、平均的なゴールまでのタイムより遅れている場合、空間認知能力と短期記憶力が衰えている可能性がある。この空間認知能力と短期記憶力の衰えこそ、認知症の初期症状でもあるのだ。したがって、同ゲームのプレイタイムから認知症の初期症状を観察することが可能となる。


以上のようにリアルに体験することが困難なイベントをバーチャルに体験することを可能とするVRテクノロジーは、精神医療の分野でも役立っているのだ。こうしたVRの精神医療への活用は、今後も続くだろう。


Samsungが自殺を予防するVR診療アプリを開発することを報じたRoad to VRの記事

https://www.roadtovr.com/samsung-developing-vr-tools-help-diagnose-mental-health/


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