Windowブログで、Dell製Windows VRヘッドセット「Visor」の発売が発表された。
スタイリッシュなVRヘッドセット「Visor」
概要
同ブログによると、2017年9月1日から6日までドイツ・ベルリンで開催される欧州のIT見本市IFAの参加に先立って、デバイスメーカーのDellはWindows PCに対応したVRヘッドセット(正式名称はMixed Realityヘッドセット)「Visor」を発表した。
Windwows VRヘッドセットとは、Windwows PCに接続して使用し、なおかつMicrosoftが規定した仕様に従って製造されたVRヘッドセットのことである。競合するデバイスはVIVEとOculus Riftであるが 、このふたつのVRヘッドセットがそれぞれ1社(VIVEであればHTC、Oculus RiftであればOculus社)が独占的に製造しているのに対し、Windows VRヘッドセットはMicrosoft社以外のいわゆるサード・パーティのデバイスメーカーが製造する体制を採用しているところが異なっている。製造体制の違いは、VRヘッドセットの価格帯の違いにつながっている。
特徴
Dell製のWindows VRヘッドセットに関しては、2017年6月にデザインを本メディアで報じたことがあった。今回発表されたVRヘッドセットは、その時に披露されたデザインと変わっていない(本記事トップ画像参照)。
同VRヘッドセットのデザインにおける最大の特徴は、レンズを格納しているVRヘッドセット前部がフリップアップ式(上部に開けることができる)になっていることだ。Microsoft製品のレビュー動画をYouTubeに投稿しているYouTubeチャンネルWindows Centralは、同VRヘッドセットを装着した動画を投稿した。この動画を見ると、同VRヘッドセット前部をフリップアップしたときの様子がわかる。
上の動画からもうひとつの重要な特徴がわかる。同VRヘッドセット前部の2ヶ所には小さい黒い穴がある。この穴こそ、inside-out型のトラッキングカメラなのだ。inside-out型とは、VIVEまたはOculus RiftのようにVRヘッドセットとは別にトラッキングカメラを設置するのではなく、VRヘッドセットにトラッキングカメラを内蔵していることを意味する。
ちなみに、VIVEまたはOculus Riftのトラッキング形式はoutside-in型と呼ばれる。PSVRも同様のトラッキング形式である。
仕様と価格・発売日
同VRヘッドセットのその他の仕様は、以下の通り。なお、以下の仕様はDell製Windows VRヘッドセットだけではなく、後述するサード・パーティのデバイスメーカーすべてのVRヘッドセットに共通するものである。
- ・解像度1440 x 1440のLCDディスプレイ2つを搭載
- ・90Hzのリフレッシュレート
- ・2.89インチのディスプレイを2つ内蔵
- ・視野角は95度
- ・3.5mmジャックによるオーディオ出力、マイク入力が可能
- ・HDMI2.0とUSB3.0ポートを使用したPC接続
- ・inside-out型のトラッキングカメラを実装
以上のようなDell製VRヘッドセットは、海外メディアUploadVRがDell社に直接問い合わせたところによると、2017年10月17日に$349(¥約38,000)で発売する、とのこと。$99(約¥10,000)であるWindows VRヘッドセット専用コントローラーといっしょに購入しても$449(約¥49,000)だ。この価格は、期間限定の値下げセールを実施しているOculus Rift & Touchの¥50,000より安い。
2017年末商戦までにそろう4大メーカーのVRヘッドセット
前述したように、Windows VRヘッドセットはサード・パーティのデバイスメーカーが製造するので、VRヘッドセットをリリースするのはDellだけではない。現時点で判明しているのは、DellのほかにはAser、Lenovo、そしてHPがWindows VRヘッドセットをリリースする予定だ。
Acer
台湾のデバイスメーカーAcerは、すでにWindows VRヘッドセットのデベロッパーエディションをリリースしている。同VRヘッドセットに関しては、本メディアではすでに何度か報じている。以下に参考記事を列挙する。
(参考記事)
「開始数時間で売り切れに!Windows Mixed Reality HeadsetデベロッパーエディションがAcer Direct楽天市場店にて数量限定で予約受付再開 」
「AcerのMRヘッドセットのハンズオンレビューが公開」
「Acer Windows Mixed Reality Headsetデベロッパーエディション8月25日(金)12時より数量限定で通常販売開始」
なお、同VRヘッドセットは上に示した参考記事に記載されているように8月25日から¥40,000で発売している。
Lenovo
中国のデバイスメーカーLenovoもWindows VRヘッドセットを発売することを表明していることを、本メディアでは2017年6月末に報じた。
基本仕様はほかのWindows VRヘッドセットと同等で、2017年末に$399(約¥43,000)で発売する予定だ。
HP
デバイスメーカーHPもVRヘッドセットを発売することを表明していることは、本メディアでは2017年6月はじめに報じた。
同VRヘッドセットもまたWindows VRヘッドセットの基本仕様に準じており、発売価格は$329(約¥36,000)を予定している。発売時期は当初は2017年8月と発表されていたが、8月29日現在、まだ発売されていない。
Asus
上記のメーカーのほかには、AsusはWindows VRヘッドセットのデザインのみを公表している。
Dell製のVRヘッドセットのように非常にスタイリッシュでスリムなデザインであるが、現時点で発売時期および価格は一切わかっていない。
以上のように、2017年末には多数のWindows VRヘッドセットがVIVEやOculus Riftより安い価格で購入する出来る環境が整う。対応コンテンツの内容によっては、ハイエンドVR市場で大きな動きがあるかも知れない。
Dell製Windows VRヘッドセット「Visor」の発売を発表したWindowブログ
https://blogs.windows.com/windowsexperience/2017/08/28/ifa-2017-dell-unveils-mixed-reality-headset-new-laptops-2-1s-windows-10/
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