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サプライチェーン業務時間を37%削減するHoloLensアプリ「PickAR」のデモ動画公開


海外メディアVRScoutは、HoloLensアプリ「PickAR」のデモ動画を紹介した。



サプライチェーンを改善する「PickAR」


同メディアによると、アメリカ・ジョージア州のアトランタにあるジョージア工科大学の学生チームは、サプライチェーンを改善するHoloLensアプリ「PickAR」を開発した。


同チームが開発したアプリは、Micrsoft社が主催するアントレプレナーシップ(企業精神)を学生が競う国際大会Imagine Cupで注目を集め、ウォルマートのような小売り大手企業も興味を示している。そうした同アプリのデモ動画が以下だ。



同アプリは、HoloLens地図アプリとHoloLensスキャナーアプリを組み合わせたようなものとなっている。


アプリにはふたつの機能が実装されている。ひとつめの機能が、チェックしたいアイテムの場所までガイドするマッピング機能だ。ユーザーは、ガイドが示した方向に沿って移動すると、チェックしたいアイテムの場所にたどり着くことができる。もうひとつの機能が、スキャナー機能だ。現在のサプライチェーン業務では、在庫チェックにハンドスキャナーを使うことがある。同アプリは、この従来のスキャナーでのアイテム読み取りを、HoloLensユーザーの視線上にあるアイ・スキャナーで代替するのだ。


同アプリを開発した学生のひとりであるCharu Thomas女史は、同アプリが実現する業務改善に関して、以下のようにコメントしている。


PickARの開発にあたっては、音声、紙ベース、タブレットのような様々な手法によるアイテム・ピッキング業務を比較しました。


その結果、アイテム・ピッキング業務に(HoloLensのような)ウェアラブル・ヘッドセットとアイ・スキャナーを使って正確にピッキングする改善を実行すると、37%の業務時間の削減が認められました。


以上のような「PickAR」を開発した学生チームは、現在ウォルマートと実用化に向けて共同研究を続けている。


ARテクノロジーによる業務改善


ARテクノロジーを活用した業務改善に関する事例は、本メディアでも多数紹介している。そうした業務改善事例に共通するのは、ARテクノロジーを活用すれば、従来の業務をハンズフリーで可能となったり、業務情報を見ながらの作業ができるようになることで業務効率が向上する、ということである。


AR-Check



清掃業務専用ARグラス「AR-Check」を装着すると、ユーザーは上の画像のように「掃除した場所」と「まだの場所」が一目瞭然だ。赤の場所を減らしていき、全体を緑に変えることができれば清掃完了となる。


掃除の仕方が悪ければそれを確認することもできる。掃除機をかけるスピードが速すぎれば十分にゴミを吸い込むことができないし、窓を拭く力が弱すぎれば汚れが残ってしまう。その場合は、同ARグラスにNGの表示が出るはずだ。


一人で部屋の掃除をするときでも、どこまで終わったのかわからなくなってしまうことはある。複数人で分担する清掃業務となればなおさらで、同じ場所を何度も掃除してしまえば時間のロスになる。同ARグラスは他のメンバーが掃除した場所もまとめて管理できるので、終わっていない場所だけを効率的に掃除することができる。


Google Glassによる航空整備の業務改善



Google Glassがエンタープライズ版としてリリースされたことは本メディアでも報じたが、アメリカ航空機エンジンメーカーGE Aviationは、航空エンジンの整備業務に同デバイスを導入することにより、作業マニュアルの確認を文字通り「手を止めずに」できるようになったので、作業時間の短縮に成功した。


同デバイス導入の成果を実証した動画も存在する。その動画によると、シニア・メカニックに同一のエンジン整備業務をGoogle Glassを装着して実施した場合と、装着しない場合の作業時間を比べた場合、Google Glassを装着した場合、16%早くなったことが実証された(上の動画参照)。


シーメンス社が導入したARヘルメット


ARヘルメットに助けられながらガスタービンを組み立てるエンジニア

ARヘルメットに助けられながらガスタービンを組み立てるエンジニア


ドイツの企業シーメンス(Siemens AG)は、ロサンゼルスのスタートアップ企業Daqriが開発した産業用ARヘルメットを業務に活用するテストを昨年の夏に行った


テスト業務にはガスバーナーの組み立てが実施されたのだが、過去にガスバーナーを組み立てた経験のないエンジニアの一人は、45分で組み立てを終えたという。ちなみに、ガスバーナーの組み立て作業は初めてなら丸一日かかる、とのこと。


以上のように、ARテクノロジーを活用すれば業務効率化によるコストダウンが期待できるので、強気のARテクノロジー導入計画も決断できるのではなかろうか。


HoloLensアプリ「PickAR」のデモ動画を紹介したVRScoutの記事

https://vrscout.com/news/hololens-application-save-ecommerce-retailers-millions/


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