TOKYO, Jul 27, 2022 - (JCN Newswire) - 株式会社日立製作所(以下、日立)は、米国のウィスコンシン大学病院(University of Wisconsin Hospitals and Clinics Authority)から、米国ウィスコンシン州マディソン市に新しく建設するイーストパークメディカルセンターに導入予定の陽子線治療システムを受注しました。本システムは、ウィスコンシン大学病院にて、英国レオキャンサーケア社(Leo Cancer Care、以下、レオ社)の座位治療システムと組み合わせて治療が行われます。イーストパークメディカルセンターは2024年に開院予定で、日立の陽子線治療システムとレオ社の座位治療システムを組み合わせて使用するのは、ウィスコンシン大学病院が初めてです。
システムの特徴
ウィスコンシン大学病院に導入される陽子線治療システムは、回転ガントリ室1室と固定照射室1室で、固定照射室にはレオ社の座位治療システムが設置されます。
レオ社の座位治療システムは、従来は患者が治療台に横たわり治療を受けていたものが、より日常に近い椅子に座ったままで治療を受けることができ、患者の負担低減につながると期待されています。また、回転ガントリ室を複数設置するよりも設置面積が小さくてすみ、導入費用の低減にもつながります。
2つの治療室には、がんの形状に合わせて陽子線を照射できるスポットスキャニング照射技術を備えており、また、回転ガントリ室には、高精度な位置決めが可能なコーンビームCT*1を搭載した360度回転ガントリや動体追跡システム*2などの技術を備えています。
コメント
ウィスコンシン大学 人間腫瘍学部長(放射線腫瘍医) ポール・ハラリ:
ウィスコンシン大学病院において、最先端の陽子線治療を提供するための第一歩を踏み出せたことを大変嬉しく思います。がん患者のために、経験豊富な陽子線治療システムプロバイダーである日立と、革新的な技術を有するレオ社と、先進的な医療センターが一体となって協力することはとても意味のあることだと考えています。
プロトンインターナショナル社(Proton International)*3 CEO クリス・チャンドラー:
ウィスコンシン大学病院が、この重要な治療技術をウィスコンシン州に導入する一助を担えることを光栄に思います。また、レオ社の座位治療システムががん患者のための革新的な技術であると確信しており、ウィスコンシン大学病院が、がん患者にこの先進的な技術を提供することに協力できることを光栄に思います。
日立製作所 ヘルスケア事業本部 スマートセラピー本部長 伊丹博幸:
ウィスコンシン大学病院のような素晴らしい医療機関から陽子線治療システムメーカーとして選定されたことを光栄に思い、レオ社およびプロトンインターナショナル社と協力して、新しい陽子線治療ソリューションを実現できることを嬉しく思います。私たちは、粒子線治療を必要としている患者にとってより治療が受けやすいシステムをめざして最善を尽くします。また日立は優れた技術を通じて社会に貢献していきます。
粒子線がん治療について
粒子線がん治療は、放射線によるがん治療法の一つです。水素の原子核や炭素イオンを加速器で光速の約70%に加速させ、腫瘍に集中して照射することでがんを治療するもので、水素の原子核を加速したものを陽子線、炭素イオンを加速したものを重粒子線といいます。治療に伴う痛みがほとんどなく、他の放射線治療に比べて副作用が少ないため、治療と社会生活の両立が可能であり、生活の質(QoL)を維持しつつ、がんを治療できる最先端の治療法として注目されています。
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日立製作所について
日立は、データとテクノロジーでサステナブルな社会を実現する社会イノベーション事業を推進しています。金融・官公庁・自治体・通信向けITサービスやお客さまのDXを支援する「デジタルシステム&サービス」、エネルギーや鉄道で脱炭素社会の実現に貢献する「グリーンエナジー&モビリティ」、産業流通、水インフラ、ヘルスケア、家電・空調システム、計測分析システム、ビルシステムなどの幅広い領域でプロダクトをデジタルでつなぐ「コネクティブインダストリーズ」と、自動車・二輪車の分野で先進技術を提供する「オートモティブシステム」の事業体制のもと、ITやOT(制御・運用技術)、プロダクトを活用するLumadaソリューションを通じてお客さまや社会の課題を解決します。グリーン、デジタル、イノベーションを原動力に、お客さまとの協創で成長をめざします。2021年度(2022年3月期)の連結売上収益は10兆2,646億円、2022年3月末時点で連結子会社は853社、全世界で約37万人の従業員を擁しています。 https://www.hitachi.co.jp/
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