東京, 2022年3月11日 - (JCN Newswire) - グローバル・コンサルティング・ファームのアリックスパートナーズは、「2030年の消費動向調査」(以下、本調査)を実施、所得格差の広がりと売り方に与える影響について考察しました。本調査から、日本では向こう約10年間で低所得世帯と同じ消費行動をとる世帯人口が大きく増加する見込みであることが明らかとなりました。
総務省統計局の家計調査をもとにアリックスパートナーズが過去の傾向とその他の関連要素を勘案して補正すると、2030年までに世帯年収250万円未満と同じ消費行動をとる世帯人口の構成比率は2020年の26.9%から移民の増加を加味し31.7%に増加、人口にして420万人増加する見込みであることがわかりました。家計調査では2030年の低所得世帯の構成比は30.2%と見込まれていますが、実態は低所得化がさらに加速すると考えられます。一方で、中所得世帯(年収250~1,000万円)は733万人、さらに年収1,000万円以上の高所得者は304万人減少することがわかりました。
消費財・サービス消費額をみると、世帯年収250万円未満の世帯の消費額に移民による購買力を加味すると2020年から2030年の間に2.4兆円増加すると見込まれます。人口および消費額ともに増加する世帯グループであり、国内消費者をターゲットにしている企業には注目すべき数字といえるでしょう。
世帯年収250万円未満の消費者は、既存の情報を基に自分が必要とする機能のみを満たす商品を選択する傾向があります。よって小売企業としては、彼らのニーズを徹底的に絞り込んだ商品を、マイクロインフルエンサーやデジタルサイネージを通じて、オンライン販売で訴求することが有効となります。
一方、世帯年収1,000万円以上に純金融資産保有額1億円以上世帯の増加を加味しても、2020年から2030年で構成比は12.6%から10.8%に下がり、人口は304万人減少するものの、世帯消費額でみると2.4兆円増加する見込みであることがわかりました。
こうした高所得者層では自分らしさにつながる商品を求める傾向が高まっています。自ら整理し、解釈した情報を基に納得しながら自分にあう商品を選択するため、自社サイトやSNSを通じて商品ストーリーに共感してもらうことや、実店舗での対話を通じてストーリーをすり合わせることで購入に対して納得してもらうことが重要となります。
アリックスパートナーズ東京オフィスで消費財・小売担当するディレクターの魚谷洋輔は次のように述べています。「今回の調査で日本においても予想以上に所得の二極化が進行していることがわかりました。内閣府も報告している通り、とりわけ低所得の若者の単身世帯や高齢者世帯が増加傾向にあります。消費財・小売企業が今後10年を見据えて成長するためには、商品開発からマーケティング、販売にわたってこうした低所得世帯のニーズに適切に対応できる施策を講じていく必要があると考えています」。
アリックスパートナーズについて
1981年設立。ニューヨークに本社を構える結果重視型のグローバルコンサルティング会社。企業再生案件や緊急性が高く複雑な課題の解決支援を強みとしている。民間企業に加え、法律事務所、投資銀行、プライベートエクイティなど多岐にわたるクライアントを持つ。世界20都市に事務所を展開。日本オフィスの設立は2005年。日本語ウェブサイトは https://www.alixpartners.com/jp/
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