リブ・コンサルティングは、2024年2月に日本の大企業、そして2024年4月に中堅・中小企業を対象に生成AIの利用実態に関する調査を実施し、その比較結果を発表しました。この調査は、企業規模による生成AIの利用状況や導入ハードル、成果実感などの差異を明らかにすることを目的としています。
大企業では、課長職以上の41.1%が「日常的(週数回以上)」に生成AIを利用しており、中堅・中小企業の課長職から経営者の9.8%と比較すると約2倍の差が見られました(図1)。
「ほぼ毎日利用している」と回答した割合も、大企業の10.5%に対して中堅・中小企業では1.3%と、更に大きな差が出ています。
生成AIの利用による成果を実感している割合も大企業では22.8%であり、中堅・中小企業の10.9%と比較すると約2倍の差がありました(図2)。利用状況と同様に、成果実感でも大企業が優位に立っていることがわかります。
一方で、生成AIの導入ハードルに関しては、大企業と中堅・中小企業で共通する課題も見られました(図3)。
「使用方法のノウハウが不足している」との回答が大企業の43.1%、中堅・中小企業の38.6%と、両者において上位の課題となっています。しかし、「セキュリティ面で課題がある」との回答は、大企業の33.1%に対して中堅・中小企業では17.5%と、大企業の方がセキュリティ面での懸念が強いことが示されています。
また、生成AIが「自分の業務にプラスの影響を与える」と考える割合は、大企業の47.5%、中堅・中小企業の46.5%と、ほぼ同等の結果となりました(図4)。これは、企業規模に関わらず、生成AIの業務への有益性を認識していることを示しています。
特筆すべきは、生成AIに係る教育の実施状況です(図5)。
大企業では28.7%が「すでに生成AIに係る教育を実施している」と回答しましたが、中堅・中小企業ではわずか6.6%にとどまり、約4倍の差が生じています。この結果は、企業規模による教育体制の整備状況の差を如実に表しています。
この調査結果は、生成AIの導入や活用において、大企業と中堅・中小企業間での認識や取り組みの差異を浮き彫りにし、特に教育の面での格差が顕著であることを示しています。リブ・コンサルティングは、この調査を通じて企業が抱える課題を明確にし、生成AIの効果的な導入と活用を支援することを目指しています。
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