株式会社ダイサン代表の藤田武敏氏が、インドネシアのタクミ大学で行った講演では、建設業界が抱える人手不足の問題や、ITを活用した業務の効率化について詳しく語りました。この講演は、インドネシア最大の送り出し機関MINORI社が主催したイベントの一環として、建築分野及びITエンジニアに関する重要なトピックを取り上げるものでした。
インドネシアにおいて、ミノリ社は2008年に設立され、「ものづくりと人づくりを応援する」という理念のもと、日本とインドネシアの協力関係を強化し、同国の社会発展に寄与しています。特に、IT人財を日本に送り出すためのプログラムを運営しており、これによりインドネシアの若者が日本で技術や文化を学び、帰国後にその知識を活かして母国の発展に貢献することを目指しています。
ダイサンは、MINORIから優秀な人材を紹介されることが多く、タクミ大学の学生たちに向けて行った以前の講演も好評を得ていました。そのため、今回は再び招待され、建設業界における現状と未来について熱心に語りました。
講演の中で藤田社長は、建設業界における「新3K」(給与、休暇、希望)を提唱しました。従来の「きつい」「汚い」「危険」といった建設業界のイメージを払拭し、より魅力的な職場環境を創出することが目標です。講演では、過去の就労者数との比較を通じて人手不足の深刻さが明らかにされ、学生たちにその具体的な取り組みについて説明しました。
1つ目の「給与」について、現在の市場における給与水準の向上を目指す取り組みがあります。2つ目の「休暇」に関しては、働き方改革の一環として、労働環境の改善が重要です。そして、3つ目の「希望」は、仕事に対するやりがいや未来の展望を持つことの重要性を訴えました。これらの新3Kの実現が、建設業界に新しい人材を呼び込む鍵であると強調しました。
現代の建設業界では、DX(デジタルトランスフォーメーション)が進行中です。藤田社長は、CADソフトを用いた作図の自動化によって施工スタッフの負担を軽減している具体例を挙げました。このような技術の導入は、業務の効率化だけでなく、スタッフの作業環境の改善にも寄与します。
さらに、米国やフィリピンなど日本への海外人財の赴任も推進しており、国際的な人財活用によって施工力を強化しています。役職者への登用に関する取り組みも併せて紹介され、海外からの人材が日本の建設業界で重要な役割を果たすことを伝えました。
今後、建設業界はますますITを活用することで、魅力的で革新的な業界へと進化していきます。藤田社長は、変化し続ける技術と共に、業界はさらなる高みを目指すという希望に満ちたメッセージを学生たちに送りました。これからも日本での技能実習や特定技能を通じて、インドネシア人財の活躍を応援し、国際的な連携を強化していく意欲を示しました。
株式会社ダイサンは、くさび緊結式足場「ビケ足場」や次世代足場「レボルト」の提供を通じて、建設業界の発展に努めています。新たに立ち上げたデジタル事業部においても、DX推進に向けた施策を積極的に進めており、建設業界全体のデジタル化の基盤を築くことに貢献しています。このような取り組みが、未来の建設業界の発展に繋がると確信しています。