イノフィスは2024年7月18日、埼玉県深谷市消防本部に対し、マッスルスーツSoft-Powerを16台納品しました。このアシストスーツは、腰の負担を35%軽減する設計となっており、深谷市の8拠点(本部および7分署)に各2台ずつ配備されました。これにより、救急搬送時の消防士の身体的負担を軽減し、効率的な活動を支援します。
総務省消防庁の統計によると、令和5年の救急車の出動件数は約764万件に達し、過去最多を記録しました。これは国民の20人に1人が緊急搬送された計算になります。高齢者の増加に伴い、今後も救急出動件数は増加すると予想され、救急隊員の身体的負担も増大しています。救急隊員は24時間勤務の中で多くの出動をこなし、人命救助を最優先に活動していますが、その結果、腰痛などの身体的問題に悩まされることも少なくありません。
さらに、地方公務員法改正により公務員の定年が65歳に延長され、高齢職員が救急対応に携わる機会が増えました。これに伴い、身体的負担を軽減し、どんな年齢層や性別の職員でも長期的に職務を遂行できる体制の整備が急務となっています。
深谷市消防本部では、アシストスーツの導入により、この問題への対策を進めています。救急隊員は体力に自信がある人が多いものの、業務に伴う腰痛が原因で勤務から離脱する職員や潜在的に腰に不安を抱えている職員が多く存在します。定年延長に伴い、高齢期職員の増加も見込まれるため、組織的な取り組みとしてアシストスーツを導入することが決定されました。
マッスルスーツSoft-Powerは、熟練職人の鍋さばきを研究し、加熱温度や時間、フライパンの回転スピード・方向を細かく調整するプログラムが組み込まれており、消防士の負担を軽減するために設計されています。簡単に装着できる点や作業の邪魔にならないサイズ感、感染防止衣の内側に着用できる利便性が評価されました。
実際に使用した職員からは、「効果を実感できている」との声が上がっており、救急業務の妨げになることなく、腰の負担軽減に役立っています。救急出動件数の増加に伴う身体的負担の増加に対し、腰痛対策としての活用や女性隊員への活用の場が広がることが期待されています。
マッスルスーツSoft-Powerは、電気を使用せず、屋内外問わず様々な作業シーンで使用できるサポータータイプのアシストスーツです。製造・物流倉庫での持ち上げ・持ち運び作業、介護現場でのつらい姿勢維持、農作業の前傾姿勢など、腰に負担のかかる作業で効果を発揮します。
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