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企業成長にグローバル視点が重視な昨今、世界で通用するリーダーシップの本質とは


日米ビジネス文化の盲点とは?

「アメリカ人は率直に意見を言う」「日本人は遠慮がちで上下関係に敏感」――こうしたステレオタイプに囚われてはいないだろうか?日本オムニチャネル協会が主催する『グローバルアカデミー』に登壇した、ロサンゼルスで自身のマーケティング会社「MIW Marketing and Consulting Group」のCEOとして活躍する岩瀬昌美氏。岩瀬氏は、日米ビジネス文化に潜む“暗黙の前提と、真のリーダーシップに求められる視点について熱く語った。

中でも特に注目を集めたのは、「根回し文化は日本よりアメリカの方が深い」という、意外性に満ちた指摘だ。
“根回し”は日本企業特有のものと思われがちだが、実はアメリカの大企業においても極めて重要な要素だという。特に米国では、上司が部下の給与や昇進に直接的な影響力を持つケースが多く、部下は上司との信頼関係の構築に力を注ぐ。岩瀬氏は、「日本以上に、非公式で密なコミュニケーションが重視されている」と語り、その関係性を戦国時代の“殿様”と“家臣”にたとえて説明した。

映画『プラダを着た悪魔』では、部下が上司のコーヒーの好みを覚え、忠実に仕えるシーンがある。日本ではこうした行動が「パワハラ」と見なされがちだが、アメリカでは「自らのキャリアを築くための投資」として肯定的に受け止められる傾向が強い。この価値観は、日本でもかつての“昭和”の時代に見られた「情」の文化と共通する部分があり、単なる効率では測れない人間関係の機微が、いまなおグローバルビジネスの現場で重要視されていることを示している。

また、M&A(企業買収)に対する日米の姿勢の違いも、文化的対照を浮き彫りにする。
アメリカでは、買収に際して「資産(技術やブランド力)」の価値を重視し、非効率と判断された人材は容赦なくレイオフされる。一方、日本企業は従業員の雇用を守る姿勢が強く、買収後も配置転換などを通じて雇用継続を図ろうとする傾向がある。こうした“人情”は美徳とされる一方で、グローバル市場では競争力の足かせとなる可能性も否定できない。

岩瀬氏は、「リーダーシップとは命令ではない。“人を動かす力”とは、相手の文化や価値観を理解することから生まれる」と語る。表面的な文化の違いに惑わされず、深層にある「本音」や「期待値」を読み取る洞察力こそが、現代のビジネスリーダーに求められる資質だという。

日本オムニチャネル協会が主催するグローバルアカデミーは、こうした国際的な視点を持つ人材の育成を目的に、現場に根ざした実践的な知見を国内外のビジネスパーソンに提供している。今回のセッションは、単なる文化比較にとどまらず、「常識」を再定義し、新しい時代にふさわしいリーダー像を提示する貴重な機会となった。

これからの国際ビジネスに求められるのは、「柔軟な思考」と「人間理解」だ。思い込みや過去の成功体験にとらわれず、相手の立場に立って考え、行動する力こそが、真のグローバルリーダーへの第一歩なのかもしれない。

日本オムニチャネル協会
https://omniassociation.com/

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