三井住友フィナンシャルグループがGPT‑4oとRAGで「AI‑CEO」を開発し社内導入を開始しました。役職員が“中島 達らしい”AIに気軽に相談できる体験で、AIと共働する組織風土の定着を狙います。
社内カルチャーと技術をつなぐ「AI‑CEO」
SMBCグループは、生成AIへの投資枠を活用し、AIを単なる実験で終わらせず業務に定着させるため「AI‑CEO」を開発しました。目的は、役職員が日常的にAIを活用する文化を醸成し、「AI‑leading Financial Institution」としてのブランド確立を図ることです。従業員がグループCEOである中島 達氏を模したAIに気軽に相談できる体験を提供することで、AI利用の有用性を自然に認識させる狙いです。
「AI‑CEO」はOpenAIのGPT‑4oを活用し、システムプロンプトとRAG技術を組み合わせて開発されています。過去の中島氏の発言やその背景、周囲からの印象といったデータをRAGに投入し、「中島らしい」回答を生成します。また、Microsoftの技術を用いたAIアバターとAIモデルを連携させ、インタラクティブな会話が可能なUIも設計しています。現在はAIチャットボット形式で役職員向けに展開を開始しています。
副次的効果として、AI‑CEOとの対話を通じて経営的視座の提供やグループカルチャーの浸透、提案や企画のブラッシュアップが期待されています。今後は投入データや機能追加、AIの自律的成長設計を継続し、役職員のパートナーとしての役割を深化させる計画です。さらに「AI上司」の開発も進めており、商品データや過去の取引実績、行員の知見を活用して顧客ニーズ推やソリューション提案を行う試行を2025年度内に三井住友銀行で開始する予定です。
詳しくは「三井住友銀行」の公式ページまで。
レポート/DXマガジン編集部 權