WOTAが神奈川県と全国初の協定を締結しました。能登半島地震での教訓を起点に、入浴・手洗いといった衛生確保を優先する「水循環システム」を自治体間で迅速に融通する広域互助プラットフォームを、47都道府県規模で構築します。初動遅れをどう解消するのか、実運用のカギに迫ります。
平時の備えで初動を短縮する——集約・輸送・最適配分の3機能

WOTAは神奈川県と「災害時の生活用水資機材の広域互助に関する協定」を締結しました。本協定では「WOTA BOX」「WOSH」等の生活用水資機材を、被災を免れた自治体から被災自治体へ提供する仕組みを定めています。事務局であるWOTAが支援要請の受付や自治体間調整、設置・運用・撤去のスケジュール共有を担い、平時の事前配備も推進します。
能登半島地震での実績が背景にあります。WOTAは過去の応急給水で約300台の水循環システを展開し、避難所の約89%をカバーしましたが、初動で1か月以上を要した反省があります。洗濯や仮設トイレが比較的代替可能な一方、シャワーと手洗いは現地での供給と排水処理が不可欠であり、自治体間の事前連携が早期対応の鍵だと位置づけられています。
本プラットフォームは「平時の体制整備」「災害時集約」「最適配分」の三機能で運用されます。都道府県を軸に非被災自治体の資機材を集約・輸送し、被災地の水需要を踏まえた配分計画を行います。首都直下地震や南海トラフ級の国難級災害を見据え、全国47都道府県と順次協定締結を進める方針です。
詳しくは「WOTA株式会社」の公式ページまで。
レポート/DXマガジン編集部 權