今年の新入社員は、仕事で成し遂げたいことのトップに「安定した生活」を挙げました。その割合は65.6%と過去最高。一方「自分の成長」は50.1%で過去最低。コロナ禍や物価高を経験したZ世代は、いま何を優先し、どう働きたいのでしょうか?
“成長より安定”に振れた新人マインドをどう活かすか
ALL DIFFERENTの「新入社員意識調査2025」によると、3933人のうち65.6%が「安定した生活を送りたい」と回答し、2019年比で11.3ポイント上昇しました。対照的に「自分を成長させたい」は50.1%に落ち込み、2020年から14ポイント近く低下。安定志向の高まりが顕著です。

今後取り組みたい仕事では、「楽しくてやりがいのある仕事」69.1%が依然トップ。しかし「自身の成長につながる仕事」は41.4%と過去最低に。さらに労働時間の設問では「定時に帰りたい」44.6%と半数近くを占め、残業をいとわない層は2割弱にとどまりました。

時間配分でも「プライベート優先」が18.5%と2014年の4倍超。頼まれごとを“断りにくい”新人は約7割、悩みを「ため込む」傾向も4ポイント増で、心理的安全性を確保しづらい素顔が浮き彫りになっています。
この世代を活かす鍵は「安心→挑戦」のステップ設計です。上司は①目的と意義を明確に示す、②選択肢を与え自分で考えさせる、③小さな成功と失敗を伴走的に振り返る――という三段階で“安定志向”を“成長実感”へ転換させる必要があります。安定を土台に楽しさと成長を積み上げる環境づくりが、定着率とパフォーマンスを同時に高める近道となるでしょう。
詳しくは「ALL DIFFERENT株式会社」まで。
レポート/DXマガジン編集部 海道