NECは日本テレビ系列の番組制作を担う日テレアックスオンに対して、映像素材を一元管理する「NEC デジタルアセットマネジメントサービス(DAMサービス)」を提供しました。この導入は、年末年始に放送されるスポーツ番組制作の効率化を目的としており、TV制作プロダクションにおける初の採用事例となります。
スポーツ番組では、試合映像だけでなく、練習風景やインタビューなど多岐にわたる映像を短時間で編集する必要があります。従来は、試合会場から映像データをバイク便などで送る方法が主流で、編集作業開始までの時間が長く、映像データが複数の記録媒体に分散していたため、必要な素材の検索にも手間がかかっていました。
DAMサービスを活用することで、取材現場から映像をアップロードするだけでクラウド上に一元管理され、編集作業開始までの時間を短縮できます。また、映像データがアップロードされる際に自動生成されるサムネイル画像や、試合日時や選手名、得点時間などのメタデータ付与機能により、必要なシーンを迅速かつ正確に検索可能になります。
クラウドベースの運用により、編集スタッフは場所を問わず作業できるようになり、柔軟な働き方も実現します。この効率化により、制作スタッフが番組のクオリティ向上に注力できる環境が整いました。
日テレアックスオンの瀧下亮哉アーカイブプロデューサーは、「映像とメタデータを同時に管理できるクラウドサービスは我々の要望を満たすものであり、状況に応じたカスタマイズや優れた操作性が導入の決め手となりました。このツールは、当社のデジタルアーカイブ事業において重要な役割を果たすものです」と述べています。
NECは今後も放送システム構築やクラウド活用の知見を活かし、放送業界のクラウドシフトを支援し、番組制作のさらなる効率化に貢献していきます。
レポート/DXマガジン編集部折川