TransRecogが提供するWindows用PDF書き込みソフト「AxelaNote」が、東京消防庁が推進する「東京消防庁INNOVATION PROJECT 2024」に採択されました。本取り組みにより、紙を中心とした東京消防庁の施設管理や図面修正のワークフローがDX化され、PDFを活用したペーパーレス推進や作業効率の向上が期待されています。協定期間は2024年11月1日から2025年3月31日までです。
東京消防庁ではこれまで、発注前後の取引先との図面修正や確認作業を紙ベースで行い、月平均300キログラムもの廃棄文書が発生していました。手動での修正や印刷を繰り返す作業では、情報共有や再現性の確保に手間やリスクが伴います。こうした課題を解消する手段として、PDFファイル上に“透明シート”を重ねて書き込みができるAxelaNoteが採用されました。
このプロジェクトでは、東京消防庁とTransRecogが協力して実証実験を進めます。紙ベースで行われていた図面修正や確認作業をAxelaNoteに置き換えてペーパーレス化を図り、情報共有の効率化と作業の確実性を高めるのが狙いです。東京消防庁は実務面での課題を整理し、TransRecogがソフト機能や設定面の最適化を行います。元のPDFを改変せずに書き込みできるAxelaNoteは、著作権保護や注釈禁止設定があるPDFにも対応可能で、建築図面や契約書類などの修正業務で利便性を発揮します。さらに、付属ツールAxelaMergeによるページの入れ替えや削除、AxeleDiffによる差分比較などを組み合わせることで、複数関係者が関わる場面での作業効率が格段に向上すると期待されます。
今回の取り組みによって得られた知見は、東京都のほかの官公庁や自治体の業務DXにも広く応用できる可能性があります。TransRecogは東京消防庁との連携を通じてAxelaNoteをさらに改良し、書類業務のデジタル化やペーパーレス化の推進に貢献していく方針を示しています。中小企業庁長官賞を含む数々の受賞歴を持ち、主に建築業界で支持されているAxelaNoteは、今回の採択をきっかけに公共機関の業務効率化にも一段と寄与すると期待されています。
レポート/DXマガジン編集部折川