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ラグビー元日本代表が指摘するチームマネジメントの極意、目標や戦略、評価基準などの明確さが結束力強化のカギに


日本オムニチャネル協会は2024年8月26日、定例のセミナーを開催しました。今回のテーマは「トッププレイヤーはトップマネジメントに本当になれないのか~失敗から学ぶチームビルディングの神髄~」。チームワークが何より求められる「ラグビー」を例に、組織やマネジメントを成功させるポイントを探りました。

「トッププレイヤーはトップマネジメントになれない」。

スポーツ界ではよく聞くこの言葉。一般企業でも、営業で優秀な成績を残した人が優秀な管理職になるとは限らないと言われることがあります。しかし、こうした考えは今も当てはまるものなのでしょうか…。今回のセミナーでは、「トッププレイヤーはトップマネジメントになれない」の本質に迫りました。ゲストとして、ラグビー元日本代表の後藤翔太氏が登壇。トッププレイヤーからトップマネジメントに転身した自身の経験を踏まえ、チームのまとめ方やマネジメントの極意を解説しました。

目指すべき目標を一致させなければ組織はバラバラに

ビジネス界で「トッププレイヤーはトップマネジメントに向いていない」とよく言われますが、実際はどうなのか。ラグビー元日本代表の後藤翔太氏は自身の経験を踏まえ、マネジメントに携わる際のポイントを説明しました。プレイヤーからマネージャーへと変わる過程で直面した課題や、それを乗り越えるために得た洞察なども紹介しました。

後藤氏は、ラグビー選手としての成功は、他人との競争ではなく、自分自身との戦いから始まると語ります。同氏は子供の頃、小柄で運動神経も良くなかったため、常に勝てない戦いを強いられていました。そこで同氏は誰もやっていないラグビーを選び、自分が勝てる可能性のある領域で徹底的に努力するという戦略をとりました。このように、自分が勝てる場所を見つけ、その中で最大限の努力をすることが成功の鍵であると強調しています。

写真:ラグビー元日本代表 マネジメントコンサルタント 後藤翔太氏

後藤氏が指導者として初めて挑んだのは、大阪の女子ラグビーチームの立ち上げでした。しかし、楽しくラグビーを好きになってもらいたいという思いから、選手たちに「自分で考えて行動する」自由を与えすぎた結果、チームはまとまりを欠き、結果を出せませんでした。この経験から後藤氏は、組織が成功するためには、明確な目標とそれに向かうための統一された方針が必要であると学びました。

組織を成功に導くためには、何のためにその組織が存在し、どこに向かうのかを明確にすることが重要です。後藤氏は、チームメンバー全員が同じ方向を向いていないと、どれだけの努力をしても組織はバラバラになってしまうと強調します。特に、選手たちが目指すべき目標が一致していることが、チーム全体の力を一つにまとめる鍵だと述べています。

さらに同氏氏は、自身のラグビー経験から得た技術や戦略を女子ラグビーにそのまま適用しようとしましたが、それがチームにとって必ずしも良い結果をもたらすわけではないことに気付きました。同氏は、過去の成功体験や固定観念に囚われず、チームの特性に合わせて柔軟に戦略を再構築することの重要性を学びました。後藤氏が得た洞察の一つは、女子ラグビーにおいては、攻撃よりも相手のエラーを利用するディフェンス戦略が有効であるということでした。

女子ラグビーチームの指導において、統計データを徹底的に分析し、チームの戦略を再構築しました。これにより、選手たちに何が求められているのかを明確に伝え、自主的に努力できる環境を整えました。このように、客観的なデータに基づいて判断し、適切な目標を設定することが組織の成功には欠かせないと述べています。

組織のメンバーがモチベーションを維持するためには、正当に評価されることが重要です。後藤氏は、選手たちが努力した結果が正当に評価されない場合、モチベーションが著しく低下することを指摘しました。また、評価は結果だけでなく、プロセスや成長の可能性にも基づいて行うべきだと述べています。このように、メンバーが自らの努力に見合った評価を受けることで、組織全体のモチベーションが高まり、より良い結果を生み出すサイクルが形成されると後藤氏は語ります。

自分の持つこだわりや過去の成功体験を一度捨て、全く新しいアプローチを取り入れる覚悟も必要だと指摘します。後藤氏は、女子ラグビーにおける新たな戦略を模索し、最終的には自らの考えを180度変えることでチームを成功に導きました。このように、マネジメントにおいては、自己否定を恐れずに新たな方法を探求し続けることが重要であると強調しています。

リーダーとしてチームを一つにまとめ、全員が同じ目標に向かって進むことができるようにすることも重要だと述べています。チームが一丸となって目標に向かうことで、メンバーそれぞれが自らの役割を理解し、結果として組織全体の成功に繋がるのです。このプロセスを通じて得た経験が、指導者としての成長に大きく寄与したと語ります。

写真:日本オムニチャネル協会 チームビルディング分科会リーダーの田中安人氏もゲストとして登壇。大学時代にラグビー部に所属していたことから、チームスポーツの組織論に精通。後藤氏と対談しながらマネジメントの在り方を議論した。
写真:日本オムニチャネル協会 理事の逸見光次郎氏。セミナーのモデレーターとして後藤氏や田中氏にマネジメントの課題を質問していた。

今回のセミナーでは、トッププレイヤーがマネジメントにおいて直面する課題と、その乗り越え方について深い洞察を与えてくれました。後藤氏の経験から得られる教訓は、どんな組織でも応用できる普遍的なものです。特に、自分自身のこだわりや過去の成功体験を乗り越え、柔軟に組織を導くことが、真のリーダーシップであるといえるでしょう。

当日のセミナーの様子を動画で公開しています。ぜひご覧ください

関連リンク
日本オムニチャネル協会
https://omniassociation.com/

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