犬が自分を人間だと勘違いするのはなぜ?
犬が自分を人間だと認識しているかのように見えるのは、彼らが私たち人間との間に非常に強い絆を築いているからと考えられます。
犬は本来、群れで生活する動物です。家庭で飼われる犬にとって、人間の家族は彼らの「群れ」そのものとなります。そして犬は群れの一員として、人間の行動や生活習慣を注意深く観察し、それに合わせて自身の行動を調整するようになるのです。
たとえば、人間と同じ場所でくつろいだり、食事の際に近くにいたりする行動は、彼らが自身を家族の一員、あるいは群れのメンバーとして深く認識していることのあらわれと言えるでしょう。
厳密に言えば、これは犬が実際に人間であると「勘違い」しているわけではありません。しかし、人間社会の中で共生することに適応し、人間らしい振る舞いをしているのは間違いないでしょう。
犬としての社会性が育ちにくい環境で暮らしていた
犬が自分を人間だと認識しているように見える理由のひとつには、社会性を身につける大切な時期に、犬よりも人間と接する機会が圧倒的に多かったことにあります。
子犬は成長する過程で、他の犬との交流を通じて、犬としての社会的なルールや行動パターンを学びます。しかし、もしこの時期に人間との接触が中心となり、他の犬との適切な交流が少なかったらどうなるでしょうか?犬は人間社会のルールや行動様式を優先的に吸収するようになるでしょう。
その結果、犬は次第に人間のような振る舞いを身につけ、自分たちを「犬の群れ」の一員ではなく「人間の群れ」の一員として認識するようになるでしょう。これは、犬が人間社会で生き抜くために適応した結果と言えます。
人間の生活リズムになっている
犬が自分を人間だと思っていると感じられる理由には「人間の生活リズムに完全に同化している」というのがあげられるでしょう。
本来、犬には犬自身の活動サイクルがあります。しかし、人間と暮らす犬は、私たちの起床時間、食事の時間、散歩の時間、そして就寝時間といった人間の生活サイクルに日々合わせて生活をするようになります。
たとえば、私たちが朝食を食べ始めると、自分のご飯を期待してソワソワしたり、夜に私たちが寝支度を始めると、一緒にベッドに入る準備をしたりするようになるでしょう。
このような日常が繰り返されることで、犬は人間の生活リズムに適応し、人間のような行動をしていると感じられるようになるのだと考えられます。
擬人化された扱いが日常的に行われている
犬が日常的に人間のような扱いを受けている場合、自分も同じ人間だと勘違いするようになるでしょう。
たとえば犬に対して、まるで人間の子どものように話しかけたり、洋服を着せたり、特別な誕生日パーティーを開いたりすることがあります。こうした擬人化された扱いが、「自分は人間の仲間かもしれない」という錯覚を助長し、勘違いさせているのかもしれません。
適度な擬人化であれば大きな問題になることはありませんが、あまりにも度が行き過ぎると、犬の本来の行動が制限されてしまう可能性があります。犬を擬人化するのもほどほどにして、犬らしい行動ができるようにしてあげることが大切です。
飼い主とのコミュニケーションの影響
犬が自分を人間だと認識しているように見えるのは、飼い主さんとのコミュニケーションが大きく影響していることが考えられます。
たとえば飼い主さんが、まるで人間の子どもに話すように接したり、犬の行動に対して人間と同じような感情で応答したりすることで、犬は自分が人間と同等に扱われていると感じるようになります。
こうした双方向のコミュニケーションを通じて、犬は自分と人間との間に強い一体感を抱き、人間社会のルールを深く理解しようとします。その結果、犬は人間らしい行動をまねし、人間のように振る舞うようになるのでしょう。
まとめ
犬が「自分は人間の一員だ」と感じるのは、飼い主さんとの深い絆と愛情によるものです。
犬は、人間の家族を自身の群れと認識し、その生活に適応しようとします。この「勘違い」を生むのは、社会性を育む時期に人間とばかり接すること、人間の生活リズムに完全に同化すること、そして日常的に擬人化された扱いを受けることが挙げられます。
犬が本来の感覚や行動を保てるように、他の犬とのふれあいや、嗅覚を使った遊びなど、日常の中で犬らしさを引き出す工夫も大切です。
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