犬が虫を食べるのはなぜ?
犬が虫を食べる行動は、一見すると不思議に思えるかもしれませんが、犬の本能や性格、生活環境が大きく関わっています。以下では、主な理由についてご紹介します。
本能的な行動
犬はもともと狩猟動物の子孫です。動くものに対して本能的に反応し、追いかけたり捕まえたりする性質があります。
虫がピョンと跳ねたり飛んだりすると、それが犬の狩猟本能を刺激し、「捕まえたい」「食べたい」と感じてしまうのです。特に若い犬や活発な性格の犬は、動く虫に興味を示しやすい傾向があります。
好奇心によるもの
犬は周囲のものを「口」で確かめる習性があります。新しいもの、見慣れないものに出会ったとき、匂いを嗅いだり舐めたりするのはよくあることです。
虫もその対象のひとつで、「これは何だろう?」と好奇心から口にしてしまうことがあります。特に散歩中や庭遊びの際、普段と違う環境にいると興味が高まり、虫に対する反応も強くなります。
栄養不足やストレスが関係する場合も
まれにですが、虫を食べる行動が、体や心の不調を反映している場合もあります。たとえば、ミネラルや特定の栄養素が不足していると、異物を口に入れたがる異食症(いしょくしょう)」という行動につながることがあります。
また、ストレスや退屈が原因で、口に入れてはいけないものを食べてしまうこともあります。このような場合は、虫に限らず、土や石、布などを食べようとすることもあるため、注意が必要です。
食べても比較的安全な虫
犬が虫を食べてしまったからといって、すべてが深刻な問題につながるわけではありません。中には、少量であれば比較的安全とされる虫も存在します。
ただし、いくら安全とされていても、食べる量や犬の体質によっては体調を崩すこともあるため、基本的には口にしないように見守ることが大切です。以下は、犬が食べても大きな問題になりにくいとされる虫の例です。
- アリ:量摂取や毒アリ(ヒアリなど)には注意
- コオロギ:栄養豊富な昆虫食として人気だが、野外のものは農薬や寄生虫に注意
- 小さなクモ:有毒な種類もいるため油断は禁物
これらの虫は、一度や少量であれば大きな問題を起こさないケースが多いですが、「安全」と思い込まず、様子をよく観察することが大切です。
次の章では、犬が口にすると危険な虫について詳しく解説します。
危険な虫の種類
虫の中には、犬が食べると健康に悪影響を与えるものもあります。見た目が小さくても、毒や病原体を持っていることがあるため、油断はできません。ここでは、特に注意したい虫を紹介します。
ハチ
ハチは刺すことによって毒を注入する虫です。犬がハチをくわえたり食べたりした際、口の中を刺されると、激しい痛みや腫れ、呼吸困難を引き起こすことがあります。
場合によってはアナフィラキシーショックという急激なアレルギー反応を起こすこともあり、命に関わることも。特にスズメバチやアシナガバチなどの毒性が強い種類には要注意です。
毛虫
毛虫の多くは、体表に「毒針毛(どくしんもう)」と呼ばれる細い毛を持っており、これが犬の口の中や喉、胃腸に触れると炎症を引き起こします。強い痛みやよだれ、嘔吐などの症状が出ることがあります。
また、一部の種類では皮膚に触れただけでもかぶれることがあり、食べなくても危険です。
ゴキブリ
ゴキブリそのものに毒はありませんが、体にさまざまな細菌や寄生虫を持っている可能性があります。食べることで胃腸炎や寄生虫感染を引き起こすことがあり、健康リスクは高いといえます。
都市部では殺虫剤の影響も考えられるため、さらに注意が必要です。
カメムシ
カメムシは強い臭いを出す虫として知られています。この臭いの成分は、犬の胃や腸を刺激し、吐き気や食欲不振の原因となることがあります。
また、強いにおいに驚いて誤って噛んだり飲み込んだりすることも多く、ストレスや不快感を引き起こす原因になります。
ムカデ
ムカデは毒を持つ顎で噛むタイプの虫です。犬がムカデに噛まれると、強い痛みや腫れ、炎症が起こります。場合によっては、アレルギー反応を起こして全身に症状が出ることもあります。
とくに大型のムカデは毒の量も多く、危険性が高いため、見つけたら犬が近づかないようにしましょう。
虫を食べた後に注意すべき症状
犬が虫を食べたあと、体調に異変が見られることがあります。中でも、命に関わる可能性がある「危険度の高い症状」には特に注意が必要です。以下のようなサインが見られた場合は、できるだけ早く動物病院を受診してください。
呼吸が苦しそう、ゼーゼーしている
虫に刺されたことによるアレルギー反応や、喉や気道の腫れが原因で呼吸困難を引き起こすことがあります。
ハチなどの毒虫が関係している場合は特に危険で、放っておくと窒息のリスクもあります。いつもより呼吸が早い、浅い、苦しそうと感じたらすぐに受診を。
激しい嘔吐や止まらない下痢
一時的な胃腸の不調とは異なり、短時間に何度も吐く、水のような下痢が続く場合は要注意です。毒や寄生虫、細菌の影響で消化器が強くダメージを受けている可能性があります。
脱水や体力低下にもつながるため、早めの処置が必要です。
意識がもうろうとしている、ぐったりして動かない
虫による中毒やアナフィラキシーショックが進行すると、犬は急に元気がなくなったり、反応が鈍くなったりすることがあります。呼びかけに反応しない、フラフラしている、寝たまま起き上がらないなどの様子が見られたら、すぐに医療機関へ連れて行ってください。
よだれが大量に出る、口をしきりに気にする
毒のある虫や刺激の強い分泌物(カメムシなど)を食べた場合、口の中で強い違和感や痛みを感じることがあります。よだれが止まらなかったり、口を前足で掻くなどの行動が見られる場合は、口腔内に炎症や損傷がある可能性があります。
異物が刺さっていることもあるため、自宅で無理に取り除こうとせず獣医師に診てもらいましょう。
まとめ
犬が虫を食べることは珍しくありませんが、中には健康に害を及ぼす虫もいます。ハチや毛虫、ムカデなどは毒や刺激物を持ち、呼吸困難や嘔吐などの症状を引き起こすことがあります。
異変があればすぐに動物病院へ。安全と思われる虫でも油断せず、日頃から犬の行動を観察し、虫の発生を防ぐ環境づくりを心がけましょう。
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