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『大型犬』を家族にするには?お迎えをする際のポイントやトラブルの回避法を獣医が解説


大型犬との生活、どんな感じだろう?

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まずはお迎えをするにあたり、大型犬との生活がどのような雰囲気になるかイメージしてみましょう。

体も大きい大型犬たちは、小型犬との生活と異なる部分が大きいです。

ごはん

まずごはんについてです。

回数は小型犬と変わらず1日2回であることが一般的です。

ただし、1回で食べる量が倍以上になります。

子犬の頃は、消化機能も不充分で体格も大きくなっていないため、給餌量も体格に見合った量になりますが、成犬になって体格が大きくなると給餌量も比例して多くなる傾向があります。

顎の大きさも大きいため、大型犬用のドッグフードを与える必要があります。

給与量はドッグフードによって異なるため、パッケージに表記されたりフードメーカーが指定した量を元に、定期的に体重の測定を行いながら適切な量を決めて与えるようにしましょう。

散歩

体格も大きい大型犬は運動量も必要です。

健康状態や季節、年齢などにもよりますが1日2回程度、30分から1時間程度の散歩が必要になることが多いです。

大型犬でも体つきや性質もそれぞれで、必要な運動の質も異なります。

骨格も太く、体格も大きいタイプの子たちはゆっくりと歩く散歩を長めに行うことが適しているとされています。

一方で猟犬や牧羊犬などとして作出された犬種は、毎日でなくても定期的に広い場所で思い切り走ることが出来ると、楽しんで発散できる場合もあります。

ただし、関節に問題のある子や他の器官で疾患のある子の場合、体が大きい分、運動が気管に大きな負担をかけてしまう場合もあります。

適切な運動量は体重や年齢、持病などによって個体差があるため、その都度かかりつけの先生に確認する習慣をつけると安心です。

移動

大型犬と生活すると、動物病院やどこかへ移動するときの方法も確保しなければなりません。

小型犬であれば、抱っこをしたりキャリーケースに入ってもらって移動することが可能ですが、大型犬となると体重も大きいものであれば30㎏を超える個体も多く、簡単に持ち上げることは難しいです。

近くで元気な個体であれば、散歩をしながら向かうことも可能ですが、体調が悪かったり高齢で運動することが難しい場合や距離がある場合は移動手段を考えなければなりません。

大型犬も充分に乗ることのできる自家用車がある場合は安心です。

車にただ乗せるだけでは、車内で暴れてしまう可能性もあるため、大型犬用の車内用シートやクレートなどを使用すると良いでしょう。

自家用車がない場合は、ペットタクシーなどを使用する必要がある場合もあります。

公共の交通機関ではキャリーケースやクレートの中にわんちゃんに入ってもらった状態で乗ることが一般的です。

どうしても入らないような大型犬の場合、ペット用タクシーも存在するため、条件を確認して利用を検討する必要があります。

また、クレートにタイヤや引っ張るための持ちてがついているものもあるため、近場で歩ける天候であれば、移動式のクレートを使用しても良いかもしれません。

クリアしなければならない問題は?

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大型犬と生活すると想定していなかったような問題も起こり得ます。

一緒に生活し始めてから八方ふさがりにならないよう、予め起こり得るトラブルを想定して、対策を考えておけると安心です。

しつけ

まず、しつけに関して大型犬は難しい場合が多いです。

体の大きさからくる威圧感から、大型犬は怖いイメージが持たれがちですが、一部の犬種を除いて穏やかな性格の子が多いです。

しかし、体格が大きいため力も強く、興奮や警戒などから起こる行動が大きくなり、周りにいる人や動物に影響が起こる危険性があります。

けがなどにつながってトラブルになってしまう危険性もあるため、飼い主さんが行動一つ一つを制御できるように普段からしつける必要があります。

興奮により強い力で引っ張られたことにより飼い主さん自身が転倒をして大怪我につながることもよくあるケースです。

しつけるだけでなく、どんなことに興奮をし、警戒をするかなどおうちの子の性質もきちんと把握することが大切です。

環境

体格も大きい大型犬は、一緒に暮らすために必要なスペースの確保もきちんと行わなければなりません。

以前は大型犬は外での飼育のイメージもありましたが、夏の暑い日や冬の寒い日など、現在の日本の気候では外での飼育はわんちゃんの体に大きな負担を与える危険性があるためおすすめできません。

室内の整った環境で暮らしてあげられるようにしましょう。

そのために、室内で大型犬が過ごせるスペースを確保してあげる必要があります。

子犬の頃は好奇心旺盛でダイナミックないたずらをする可能性があるため、危険なものから隔離できるような環境であることや、体格が大きいため関節に負担がかかりやすく、フローリングなどの滑りやすい素材は関節を痛めてしまう危険性があるため、マットなどの滑りにくい素材への返還の配慮などが出来るとより好ましいでしょう。

医療

おうちのわんちゃんにいつまでも健康でいて欲しいという願いはどんな飼い主さんでも共通と言えるでしょう。

大型犬のわんちゃんの場合、体調を崩した際に大きく小型犬と異なるのは医療費の違いです。

体格の大きい大型犬に使用する薬の量は、体重に比例するため、小型犬と比較すると多くなります。

飲み薬だけでなく、注射薬や手術の際に使用する麻酔の量も増えるため、大型犬の場合は費用が小型犬よりもかかる可能性があります。

病気の際の医療費だけでなく、予防薬に関しても同様です。

体重が大きくなればなるほど必要なお薬の用量も多くなるため、用量の多く含まれている大きい薬を与える必要があります。

そのため、予防薬にかかる費用も小型犬と比較すると高くなる傾向があると言えるでしょう。

予算も含め、予めどの程度必要となるのか、必要になった時に算出できるかということも一緒に暮らし始める前に考えておいたり、家族で相談しておくことが大切です。

大型犬を飼育するにあたって飼い主さんの味方になるもの

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起こり得るトラブルについてお話させていただきました。

飼い主さんだけで解決しようとすると難しいこともあるかもしれません。

それでは何を頼りにしながら生活すればよいのでしょうか。

専門家との協力体制

しつけや日々のケアなども、体格の大きく力の強い大型犬では、初めてわんちゃんと生活し始めたばかりの飼い主さんにとっては難しいと感じる場面も多いでしょう。

そんな時に頼りになるのが専門家の方々です。

お耳掃除や爪切りなどは動物病院でも行ってもらうことができ、トリミングサロンでも大型犬を受け入れてもらえる場合もあります。

トリミングサロンによっては大型犬の施術が出来るような浴槽やトリミング台などが存在しない場合もあるので、事前に確認をするよう心がけましょう。

またしつけに関しても、飼い主さんだけではわんちゃんの気持ちを理解しきれない場面があってもトレーナーさんや訓練士さんであればポイントを教えてもらえる可能性が高いです。

自分自身では解決できずに、わんちゃんとの信頼関係が築き上げにくいときや問題行動で悩んでいる時などに相談できる専門家の方とのつながりがあるととても心強いです。

周りの人の理解

大型犬との生活は飼い主さんご家族とわんちゃんだけで成り立つものではありません。

ご近所の方との関係や、一緒に暮らしていない家族との関係、近隣の郵便配達や宅配の方との関係、近所のわんちゃんたちとの関係など様々な関係の下に成り立ちます。

吠え声や飛びつきなどの行動、大型犬のわんちゃんは友好的に接しているつもりでも体格差があることでトラブルにつながるなど、いろいろなケースが考えられます。

おうちの子がどんなことを怖がったり興奮したりするかということやしないでほしいことをあらかじめ伝えたり、一定の距離をとるように飼い主さんも配慮するなど適切な距離を作ることでトラブルを未然に防ぐことが可能になります。

また、お散歩仲間などでだんだんと慣れてきたときに、お互いに問題の起きないような距離感で接することでわんちゃん同士もお友達と仕手関係を築くことが出来るでしょう。

大型犬のわんちゃんと生活しているということだけでなく、おうちの子がどんな子なのかということを飼い主さんが理解して、社会環境になじめるように配慮してあげることでわんちゃんも社会の一員として適応することが出来る可能性が高いです。

ペット用保険の加入

高額になりがちな大型犬の子たちの医療費ですが、そんな時に強い味方となるのがペット用保険の加入です。

負担してもらえる割合やどんな病気が適用されるかということは、加入する保険の種類によって異なりますが、適した保険を選ぶことで医療費で困った場合に飼い主さんを助けてくれる可能性が高いです。

しかし、病気になってから加入を検討しても、加入自体が難しかったり、既に病気とわかっている疾患は負担してもらえないなどの条件が加えられることが多いです。

健康なうちや、お迎えをするにあたり早い段階で、いざというときのために保険の加入は特に考えておく必要があるでしょう。

まとめ

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わんちゃんとのどんな生活にあこがれるかは皆さんそれぞれ違うでしょう。

そんな中で、何を望みたいか、自分にはどんな生活が適しているのかを踏まえて、どんなわんちゃんを迎えるかを決めることはとても大切です。

しかし、わんちゃんも命ある生き物です。

一度お迎えしたら家族の一員であり、簡単に手放すことはできません。

どんなメリット・デメリットがあるのか、ご家族の同意や協力は得られるのか、どんな対策を取ることができるのかなどしっかりよく考えたうえでお迎えができると良いですね。


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