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私はずっとゴールデンレトリバーに無理をさせていました…大反省して生まれた超スピードスキルとは?


一生懸命やった結果がこんなに負担をかけるなんて…

シャンプー中のゴールデンレトリバー

ゴールデンレトリバーは体重40kg弱の女の子で、外飼いにもかかわらず2ヵ月間シャンプーしていませんでした。そのため、汚れはひどい状態でした。2回シャンプーをしましたが、まだ汚れが残っていたので、さらにもう1回追加しました。しかし、その時点で既に1時間以上が経過していました。ドライングとカットの時間を考慮すると、もう時間がありません。

すぐにドライングを開始しましたが、乾燥が進まず、特に足の指間は厄介で、片足を乾かすのに10分以上かかりました。お迎えの時間が迫っていたため、2人で作業スピードを上げましたが、結局お迎え時間を10分過ぎてしまい、作業全体で3時間以上かかってしまいました。

数時間後、ゴールデンレトリバーのオーナーさんから電話が来ました。

「帰ったらずっとぐったりしているんだけど、うちの子に何かしたでしょ!」

直感で時間がかかりすぎて疲れたんだと分かりましたが、グダグダ言い訳しかできません。外飼いだったため臭いについては叱られませんでしたが、犬を疲れさせてしまったことで、オーナーさんの信用を失い、その子がトリミングに来ることは二度とありませんでした

最悪な結果を繰り返さないためには?

体の汚れを落としているゴールデンレトリバー

仕事は一生懸命やりましたが、結果的に犬に過剰な負担をかけてしまいました。

一生懸命やって犬がグッタリするならしないほうがましですから、まず今のやり方を否定して、3時間もかかった原因となった3つの問題点を洗い出しました。

問題1
見た瞬間、経験上2回はシャンプーが必要だと判断しましたが、それでは足らずさらに1回追加。結局1時間以上かけてシャンプーをしても汚れは落ちていませんでした。この判断は、今使っているシャンプーの性能をもとにした経験上の判断でしたが、明らかに間違いでした。

問題2
約1000mlのシャンプーを使いましたが、汚れが残ったという事は、落とすべき汚れにシャンプー剤が届いていない可能性があります。私のシャンプー作業は、被毛の表面を手で前後と上下にゴシゴシ運動、これでは肌上の汚れにシャンプーが届き難いと気づきました。

問題3
使っていたのはアミノ酸系のシャンプー。調べるとこのタイプは使用後にネチネチ感の残るものがあるようで、ドライングの際に乾きを判断し難いのです。それに加え、洗い残しの皮脂がドライヤーの温風でゆるくなり指先にフィルムのように付着すると、指先で乾き具合を判断し難くなる結果、いたずらにドライング時間が長くなります。

何を変えればスピードアップできるのか?

念入りに体の汚れを落としているゴールデンレトリバー

問題1と問題3の改善のために、アミノ酸系から純植物性コロイドシャンプーに変更しました。洗浄力はゆうに3倍はあり、コンディショニング成分やお肌の有用成分は使われておらず、ネチネチ感は皆無です。

問題2に対しては、シャンプー作業中の指先を使った確認項目を追加しました。前後と上下のゴシゴシ運動はそのままですが、どんな犬でも汚れが酷い場所は類似していますから、その部分にシャンプーが馴染んでいることを確認するため、指先を被毛に潜り込ませて汚れにシャンプーが届いた独特のヌルヌル感を指先で確認します。

超スピードスキルの実践

体を拭いているゴールデンレトリバー

2つの変更でどのようにシャンプー作業が改善されたかを解説します。

先ずシャンプー変更の効果は大きく、シャンプー回数は概ね半分になりました。また、汚れが落ちている証拠にドライングの時間は30%以上短くなり、厄介なゴールデンレトリバーの指間も乾いた瞬間がはっきり分かるほどの大きな変化です。

指先確認作業は手間が増えるように感じていましたが、これにはすぐに慣れてシャンプー時間が長くなることはなく、逆に無駄な動きが減って時短でき、シャンプーの使用量は、ゴールデンレトリバーでも1回240ml程度に減量できました。

新しい『超スピードスキル』でのテストがすごすぎた!

ドライヤー中のゴールデンレトリバー

あるクリスマス・イヴ、日頃からお付き合いしている警察犬訓練士の先生が「イヴなんで預かり犬を自宅に返したいから洗ってくれない?」と言ってこられました。それがなんと、オールド・イングリッシュ・シープドッグを筆頭にジャーマン シェパード6頭、計7頭です。県警が管理する河川敷で毎日訓練している彼らの汚れは想像できるでしょう。

早速作業開始、シャンプー&ドライ1名+ドライ兼その他作業1名の2名体制で作業した結果、4時間34分で全ての作業を終えることができました。これは、どんなプロトリマーにお話ししてものけぞってしまうスコアのようです。

3時間かけてゴールデンレトリバーをグッタリさせていたことを思うと、驚異的な時短を達成できた事に少し誇らしくなりました。


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