時折「液体」と称されるほど、体の柔らかさには定評がある猫。どんなに狭い箱の中や、僅かな隙間でもなんのその。「一体どうやって!?」と思う場所に、難なく入り込んでしまいます。
そんな「液体」状態の猫を、ぬいぐるみにした作品がツイッターで話題です。透明の箱や丸い鉢にするりと入り込む様子は、まさに実物の猫そっくり!壁に押しつぶされている体毛も、より本物っぽさを際立たせています。
作品を手掛けたのは、ぬいぐるみデザイナーとして活動する「せこなお」さん。今作はもともと、とある企業から「ソフビとぬいぐるみを使って何か出来ないか」という、相談があったことが作るきっかけだったそうです。
柔らかいぬいぐるみを透明ソフビに詰めて、やどかりのように姿形を変えるものができないかと考え、そのモチーフとして思いついたのが、容器に入って自在に形を変える猫の姿。いわゆる「猫は液体」を再現できるのでは、と閃いたのだそう。
その後、ソフビと絡める話は結局なくなってしまいましたが、せこなおさんは独自に制作を進行。代わりに透明容器に入り込むという、より身近な「猫は液体」状態を表現しました。
制作の中で、特にこだわったと話すのは「容器に収まった姿と出た姿の差」。ぬいぐるみは比較的大きく見えますが、体よりも小さな容器に難なく入り込む様子はまさに本物の猫のよう。せこなおさんはこのギャップを、毛の長さと厳選した生地選びによって再現しています。
また、ボディ部分の中身にも綿を使わず、プラスチックビーズを入れることで、体の動きがより流動的に変化する仕組み。ぬいぐるみを動かすと中のビーズが流れ重心が動くため、実際の液体の動きに近い感触になっているそうです。
ぬいぐるみとして触ったり、抱いたりして楽しむことが出来つつ、容器に入り込む姿を見て楽しむことも出来る作品には、「想像より大きかった!」「ペット不可物件住みなのでこの猫をお迎えしよう」と、その”本物感”に心惹かれた方からのコメントが多数寄せられています。
今作はJR東京駅構内グランスタ東京1F「VINYL」内にて、10月13日から24日の間で開催されるせこなおさんの個展「MOKEMONO園」にて展示、少量の販売を予定しているとのこと。
販売時にはPET素材の透明ボックスに入れてあるそうなので、お気に入りの容器に入れ替えて、絵を額に入れるようにぴったりの容器を探すのも楽しいかもしれませんね。
<記事化協力>
せこなおさん(Twitter:@sekonao/HP:SEKONAO WORKS)
(山口弘剛)