映画公開から35年が経過した現在でも、色褪せぬ名作として定期的に観たくなるスタジオジブリ作品「天空の城ラピュタ」。劇中のワンシーンを再現したジオラマ作品が、ツイッターに投稿されました。
どこを切り取っても名シーンだらけの本作ですが、ジオラマ制作者のTOmaTOさん(@TOmaTO89048206)が選んだのは物語後半、ムスカ大佐がラピュタ内部にて「巨大な飛行石」を発見するシーン。
巨大飛行石を覆いつくすツタをかきわけるムスカ、黒い石の文字を読むムスカの姿が、劇中そのままに再現されており「すばらしい。700年もの間、王の帰りを待っていたのだ!」と、勝ちを確信したムスカ大佐の声が聞こえてきそうです。
TOmaTOさん自身ももちろん、「天空の城ラピュタ」の大ファン。今回のジオラマ制作の前に、おなじみの「ペンダント型の飛行石」をレジンで制作しており、その際に「そういえば飛行石ってもうひとつあるよな」と思ったことが、ジオラマ構想のきっかけだったそうです。
過去に木などの自然物は制作したことがあったため、このシーンなら再現できるのではと思い、自身初となるフルスクラッチにてジオラマ制作をすることを決意。1月後半に着手しました。
台座の模様や飛行石が光るなど、盛り込まれたギミックもさることながら、やはり圧巻なのは約3500本からなる草。
銅線を約100m使用し、1本ずつ葉っぱを貼り付け、土台に差していく……という工程は、高い集中力と忍耐力が必要になることは容易に想像できます。筆者であれば100本もしないうちに投げ出してしまいそう……。
ところが、「途中からモデラーズハイと言いますか、楽しくなってきてしまい、気付いたら終わっていました(笑)」と草作りには意外にも、辛さは感じなかったそうです。
むしろ、大変だったと語るのは、飛行石を囲うツタ部分の制作。1本ずつ作るのも、塗るのも、球面形状にするのも大変で、途中で挫折するかと思ったというほどで、草を作る3倍ほどの制作時間を要したとのこと。やはりジオラマ制作というものは、一筋縄ではいかないようです。
こうした多くの苦労の末、完成した作品は、自身でも納得の出来となった模様。「手探りで作り始め、ちゃんとした作品になるか、不安が大きかった作品だったので、なんとか形になって良かった、そして作品を見てもらえて良かったというのが正直な感想ですね」と、約3か月に及ぶ制作期間を振り返っています。
過去には「紅の豚」の「サボイアS.21F」や「風の谷のナウシカ」の「ガンシップ」など、スタジオジブリ作品のワンシーンをジオラマで再現してきたTOmaTOさんですが、実は模型制作を始めてから、先日1年を迎えたばかり。次はどんな作品を制作するのか、今から楽しみになってしまいますね。
<記事化協力>
TOmaTOさん(@TOmaTO89048206)
(山口弘剛)