それはそれとして、今年もみんな仲良く。
2018年は平成30年、戌年は(犬もネコ目と考えれば)猫年、つまり2018年は猫年ということで、本年もよろしくお願い申し上げます。三が日も通常営業の猫ジャーナルがお届けしますのは、一般社団法人ペットフード協会が昨年12月22日に発表しました「平成29年 全国犬猫飼育実態調査」で、1994(平成6)年の調査開始以来、初めて「猫の飼育頭数推計値が、犬のそれを上回った」というニュースであります。
データによれば、2017年の全国の犬・猫の推計飼育頭数は、犬が892万頭、猫が952万6千頭。前年の2016年にはその差が肉薄していましたが、とうとう飼育頭数では、猫が犬を上回ったわけです。各社の報道ではその点だけを紹介したものが多かったのですが、もうちょっとだけ踏み込んで、猫ジャーナル視点で気になったポイントを掘り下げたいと思います。
飼育世帯率では犬のほうが高く、猫は1世帯当たりの平均飼育頭数が多い
猫と犬の飼育頭数は、「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」に基づく「世帯数」と、同協会が調査した「飼育率」を乗じた「飼育世帯数」を算出し、猫と犬それぞれの「平均飼育頭数」を乗じて推計されています(「平均飼育頭数」についても同協会の調査による数字です)。2017年の「飼育率」は、犬が12.84%、猫が9.71%で、傾向としては犬が前年比で0.72ポイント、4年前と比べると2.20ポイント減少している一方、猫はほぼ横ばい。2017年の犬の平均飼育頭数は1.24、猫は1.75で、猫犬ともに平均飼育頭数は、ここ4年ではほとんど変化していません。正確に一言でまとめるならば「犬を飼っている世帯のほうが依然として多いが、世帯当たりの平均飼育頭数が猫の方が多く、昨年は犬の飼育率が減少したため、飼育頭数の推計値が猫を下回った」という表現になります。飼育頭数は多いかもしれませんが、飼い主さんの数(世帯数)でいえば、まだまだ犬の方が多いわけです。
飼い犬の8割強は純血種、飼い猫の8割は雑種
飼育する犬と猫の「純血種、雑種の割合」の2017年の数値は、犬の85.4%が「純血」で14.6%が「雑種・わからない」でした。一方の猫は正反対で、17.2%が「純血」で82.8%が「雑種・わからない」となっています。よく「猫好きはどの品種も好きで、犬好きは飼っている品種が好き」なんて話を耳にしますが、その要因はこの数値からもかいま見えるように思われます。飼い猫のほとんどは雑種なワケですから、区別する必要がないものと推察されます。
猫の生涯必要経費は前年の調査に比べて約26万円増
1か月当たりの猫に関する支出総額(医療費等を含む)は、2016年が5435円だったのに対し、2017年は7475円と約2千円増加しました。この1か月の支出総額を元に、「猫の年齢ごとに算出した平均支出金額を平均余命まで足しあげることにより算出」された、猫の生涯必要経費は、2016年が80万9913円(平均余命は15.04歳)。2017年は107万6313円(平均余命は15.33歳)となりました。データを見たところ「市販の猫主食用キャットフード」「市販の猫おやつ用キャットフード」の費用の増加幅より、支出総額の増加幅が大きかった点、また1頭飼育の世帯よりも複数飼育世帯の支出総額の増加幅が大きかった点から推察すると、猫の加齢に伴う医療費やペット保険料の増加が要因の一つと考えられます。しかし、細目が不明のため、ハッキリしたことは言えません。
「里親探しサイト」「シェルター」からの譲渡して入手した割合は低下
猫の入手先についてのアンケート結果を見ると、「里親探しのマッチングサイトからの譲渡」「シェルターからの譲渡」の合計割合が低下していることが伺えます。2016年にはそれぞれの合計は16.4%(9.0%と7.4%)だったのに対し、2017年には10.9%(9.0%と1.9%)となっていました。犬の入手先アンケートでも「シェルターからの譲渡」の回答数が極端に減っているため、もしかしたら質問の項目(前年までは「愛護団体(シェルターなど)からの譲渡」)が変更された影響かもしれません。
以上の4点が、猫ジャーナル視点でピックアップしたところとなります。元データの「平成29年 全国犬猫飼育実態調査」を確認されたい場合は、Google等で検索のうえ参照いただけましたら幸いです。
何はともあれ、本年も微力ではございますが、猫のためと人のためを両立できる話題をお届けできるよう努力する所存にて、本年も猫三昧で参りますので、皆さまどうぞよろしくお願い申し上げます。
[Photo by JacLou]