生きるためになくてはならない警戒心
その猫が持って生まれた本来の性格や、家に迎え入れるまでの生活環境や体験によって、警戒心が非常に強くなる猫がいます。特に保護猫を引き取ると、ちょっとしたことですぐにシャーと威嚇したり猫パンチが飛んできたりする猫に出逢うでしょう。
しかし、その猫が今まで生き延びてこられたのは、この警戒心の強さのおかげです。警戒心は、生きるためになくてはならない資質の一つです。これまでに怖い経験やつらい環境ばかりの中にいたため、通常よりも臆病になってしまっているのです。
臆病さが強すぎる警戒心の原因なのであれば、恐怖心を取り除き、その代わりに安心感を与えてあげれば良いのです。実際に警戒心MAXだった猫も、飼い主さんを信頼し始めると警戒心を緩め、自分から近付いてきてくれるようになるのものです。
猫の警戒心を解き、信頼されるために必要な接し方を見ていきましょう。
警戒心MAXな猫と仲良くなる接し方
1.必要最小限のお世話だけを行う
猫が警戒心を解き、自分から飼い主さんに近付いてきたり、アクションを起こしたりするようになるまでは、必要最小限のお世話だけを行いましょう。
それ以外の時間は、猫に危険が迫っている場合などを除き、触ったり抱き上げたり覗き込んだり見つめたりせず、自由にさせておきましょう。
慣れるまでは、ケージの中で過ごさせると良いでしょう。最初から部屋の中で自由にさせてしまうと、どこかに隠れて出てこなくなるため、危険な状態になっても助けられません。
また猫にとっても、ケージの中にいる方が安心できます。ケージには、目隠しになるように大きなタオルなどをかけてあげましょう。
さらに動物病院に連れて行く場合は洗濯ネットに入れ、その状態でキャリーバッグに入れましょう。診察中も、ネットに入れたままにします。
2.ゆったりと静かに行動する
警戒心が強いと、些細な音、気配などにも敏感に反応します。また早く動く相手のことを非常に警戒します。そのため、慣れるまでは特にゆったりとした動きと静かに過ごすことに気を配ってください。
また声をかける時には、気持ち高めのトーンで、優しく赤ちゃんに話しかけるようにします。食事を与える時は名前を呼んでから「ご飯だよ」と声をかけるようにしましょう。自分の名前に良いイメージを持ち、また「ご飯」という言葉も理解できるようになります。
3.できるだけ猫のことを気にしない
猫は、飼い主さんが何を考え、何を見、次に何をしようとしているのかを、常に気にしています。そして、飼い主さんが何か新しいことをするたびにビクビクしてしまいます。
そこで猫に警戒させないよう、無関心を装いましょう。猫に「この人は自分にとって無害な人だ」と思ってもらうことが狙いです。
4.猫が喜ぶことをする
猫が自分から飼い主さんに近付いたり鳴いたりといったアクションをとるようになったら、猫が飼い主さんを「無害な人」だと思い始めたサインです。こうした傾向が見られたら、少しずつ段階を経ながら猫に対しての接触機会を増やしていきましょう。
その時に大切なのが、「猫が喜ぶことをする」ことです。最初は、「食事の世話」と「トイレの掃除」だけはサボらずにしっかりと行いましょう。
少しずつ受け入れてくれる様子が見られたら、ご飯以外での声かけを増やしたり、その子が喜ぶ部位を撫でたりといったスキンシップも広げてみてください。
ただし、猫が自ら近づいてくるようになるまでは、ひたすら我慢して無関心でいることが、最も喜ばれることです。
5.規則正しい生活をする
猫は予想外の出来事に緊張するため、規則正しい生活をすることで安心を得られます。
飼い主さんの起床時間や就寝時間、家を出る時間や帰宅時間、そして食事の時間などをできるだけ規則正しくすることで、猫も飼い主さんとの生活に早く慣れてきます。
必ず慣れてくれることを信じて!
警戒心MAXな猫と仲良くなるためには、根気と時間が必要です。その覚悟をしてはいても、「1日も早く仲良くなりたい」と思うのが人情です。そのために心がけるべきことを考えてみましょう。
猫にとってリラックスできる環境を作る
猫にとって安心して過ごせる居場所をあちこちに作りましょう。暑すぎず寒すぎず、硬すぎず柔らかすぎず、うるさ過ぎず飼い主さんの気配も感じられるような場所で、リラックスして過ごせるようにしてください。
また、清潔で使いやすいトイレを複数用意すること、新鮮な水をいつでも飲めるようにすること、来客時などに逃げ込めるよう、人目につかない薄暗くて狭くて静かな隠れ家も必要です。
慣れるペースは猫任せにする
何をするにも、猫のペースで進めてください。決して焦らないことです。
警戒心MAXの猫が自分から甘えてきたり、自由に触らせてくれるようになるまでには、月単位で考える必要があります。
場合によっては、年単位の時間を必要とする場合もあるでしょう。そしてその間は、できるだけ生活環境に変化を与えないようにしてあげましょう。
避けるべき行為
警戒心を解き始めてくれた猫に、再び警戒心を抱かせないよう、下記のような行為には十分に注意してください。
- 食事の世話と猫のトイレの除は怠らないこと
- 過剰なスキンシップによる愛情の押し付けを行わないこと
- 機嫌が悪くても感情を出さず、猫には優しく接すること
- 声を荒げたり乱暴な振る舞いはしないこと
まとめ
どんなに警戒心の強い猫でも、飼い主さんが恐れずにじっくりと向き合う気持ちと覚悟を持って接すれば、すぐに威嚇してくるような警戒心MAXな猫とも上手に距離感をとりながら暮らしていくことができます。
時間はかかりますが、いずれはしっかりとした信頼の絆で結ばれ、警戒心MAXだった頃が懐かしくなるほどの甘えん坊に変わってしまうかもしれません。
その日を夢見て、少しずつ猫の警戒心を解いていきましょう。
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