1.狩りの習性から周囲を見渡したいため
猫がテーブルに登りたがるのは、狩りをする習性が影響しています。
野生時代の猫は、木の上などから周りを見渡して獲物をみつけたり、外敵から身を守ったりしていました。狩猟本能が残る現在のイエネコが高い場所を好むのもそのためです。
テーブルは、家にある家具の中でも足場が安定していて、周りを見渡すのに都合の良い場所です。
高い位置から飼い主や部屋の様子を観察し、興味がそそられるものを見逃さないようにするため、猫はテーブルに登りたがるのです。
2.安心感と自信を持てるため
前述したように、猫にとって周囲の変化をいち早く発見できる場所は、安全で安心できることを意味します。
家の中には身の危険を感じるような外敵から逃げる心配はありませんが、同居猫やほかのペット、もしくは飼い主が何をしているのかは気になるのでしょう。
テーブルの上から部屋の中の状況を把握することは、猫にとって自分に自信が持てる根拠になります。
猫同士の関係性では、高い場所にいる者ほど優位とされるため、自信のある自分の存在を「見せる」手段となっているのかもしれません。
3.快適さと興味の誘惑があるから
冬場の冷気は床にたまるため、寒さを避けて、すこしでも暖かい場所を求めるために高いテーブルの上に登ることもあります。
テーブルは部屋の中で一番快適な場所にテーブルを置くことが多いでしょう。窓際にあるテーブルでは、猫も太陽を浴びながらのんびりできます。
また、飼い主への期待や構ってほしい欲求も関係しています。もし、食事中であれば、飼い主は何を食べているのか気になるのかもしれません。
テーブルの上は、座っている飼い主の顔の高さに近づくため、すぐに自分に注目してもらえます。飼い主さんが大好きな猫にとっては、テーブルの上に乗って気付いてもらえることが嬉しいのかもしれません。
テーブルに乗るのをやめさせる方法
どんなに大切な愛猫であっても、できれば食事をするテーブルの上には乗って欲しくないというのが本音ではないでしょうか?
愛猫にテーブルに登るのをやめてもらうには、以下の方法が役立つかもしれません。
叱らない、怒らない
猫は自分の考えに従って行動してしまうため、人の希望を教えていくためには、根気と信頼関係が必要です。
猫にやめてほしいことを覚えてほしいときに、飼い主にとってむずかしいのは「叱らない」ことかもしれません。ふだんはやさしく接していても、とっさのときにはつい「ダメ!」と強い口調で言ってしまう人も中にはいるでしょう。
猫にとっては、驚きと不安で複雑な気持ちになってしまいます。
まずは、優しく「降りて」と促して、自分からどかないようなら抱っこして降ろすことから始めましょう。
登りたくならないような工夫
やめさせたい行動の先には、猫が興味を持つものは置いておかないことが前提です。
もし、テーブルの先に窓があるなら、ただの近道としてテーブルに登ってしまうのかもしれませんし、飼い主さんがテーブルの上の猫をなでてしまうのが原因かもしれません。
猫がテーブルに登る目的をよく観察して、テーブルに登っても何のメリットもないようにしておく工夫が必要です。
猫の目的が「窓から外を見る」であれば、できるだけテーブルを窓から離すようなレイアウトを考えるとよいでしょう。「飼い主に構ってもらう」のが目的であれば、テーブル上では構わずに、猫を床に降ろしてから撫でてあげましょう。
テーブル上でのメリットがなければ、猫も登りたくなる気持ちは低減するはずです。
代わりの場所を作る
猫はテーブルに登りたがりますが、必ずしもそこが「テーブル」でないといけない訳ではありません。
テーブルの代わりに同じ高さの台を用意し、もし通り道にしているだけなら別のルートがあればそれでもいいワケです。
テーブルよりも代わりの場所の方にメリットがあれば、猫は自発的にテーブルを選ばなくなります。
猫の好みは個体によって違いますので、改善には試行錯誤が必要です。テーブル登りをやめさせるためのポイントは、テーブルとは別に猫が喜んで使ってくれる場所を用意することです。
まとめ
猫がテーブルに登りたがる理由は、周囲の状況を把握したいという欲求や快適さを求めることが挙げられます。しかし、テーブルに登るのがクセになってしまうと困りもの。
テーブルに乗るのをやめさせるためには、叱らず怒らず、猫に促すことが大切です。同時に、猫がテーブルに登る目的を観察して、テーブルに登る上でのメリットをなくす工夫をするようにしましょう。
猫のしつけには根気が必要ですが、テーブルの代わりとなるような魅力ある場所が近くにあれば、いずれ猫はテーブルを選ばなくなりますよ。
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