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誰もが「創作」に取り組むべき理由


多くの人が創作を特別な才能が必要な営みと考えがちですが、心理学者カトリーナ・マッコイ氏は創作の普遍的な利点を強調しています。創作はストレス軽減や自己肯定感の強化、幸福感の向上につながると述べ、特別な技術や大規模なプロジェクトでなくても、その行為自体が心の健康を促進することを示しています。創作を生活に取り入れるためには、自己許可、恐怖との共存、習慣化、好奇心の追求などが重要です。これらによって、誰もが創造性を発揮し、心のケアとして創作が役立つことが強調されています。

多くの人は「創作」や「アート活動」と聞くと、プロの芸術家や特別な才能を持つ人たちだけが関わるものだと思いがちです。

しかし、公認心理士あり学術研究者でもあるカトリーナ・マッコイ氏は、創造性は誰にとっても必要な営みであり、ストレス軽減や幸福感の公寿、自己肯定感の強化など多くの恩恵があると述べています。

創作は「贅沢」ではありません。

本記事では誰もが創作に取り組むべき理由と、そうするための4つのポイントを紹介します。

目次

  • 創作って特別なこと?「創ること」は誰でもできる心のケアだった
  • 創作を生活に取り入れる4つのポイント

創作って特別なこと?「創ること」は誰でもできる心のケアだった

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ストレスフルな社会だからこそ、身近な創作を楽しもう / Credit:Canva

私たちは日々、仕事や人間関係、社会的プレッシャーなど、目に見えないストレスを抱えながら生きています。

そんな現代において、「創作」という行為が心に与える影響が、心理学的にも再評価されています。

創作活動とは、自分の内側から何かを表現し、形にする行為すべてを指します。

必ずしも芸術作品のように完成度が高い必要はありません。

たとえば、絵を描くことや写真を撮ること、編み物や刺繍を楽しむことも創作です。

また、詩や日記を書くこと、歌詞やメロディーを考えること、ダンスや演劇で身体を使って表現することも含まれます。

さらに、料理を工夫したり、ガーデニングで空間を演出したりすることも立派な創作活動です。

これらはすべて、自分なりの創造力を使った表現です。

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創作中、私たちはフロー状態になり、深い満足感が得られる / Credit:Canva

創作に取り組むと、人はしばしば「フロー状態(没頭状態)」に入ります。

これまでの研究によると、これは時間の感覚を忘れるほど集中した状態であり、自己意識や不安感が薄れ、深い満足感が得られるとされています。

また、創作にはストレスや不安の軽減、自己肯定感と自信の向上、感情の整理と自己理解の促進といった心理的効果があります。

過去のメタ分析によれば、創作はウェルビーイング(幸福感、満足度)の向上に統計的に有意な効果を持つことが明らかにされています。

こうしたメリットを考えると、誰もが創作活動に取り組むべきだと分かります。

それでもなお、多くの人は創作に対して尻込みしてしまうものです。

「自分は才能がない」「何を作っても意味がない」と感じてしまう人も少なくないでしょう。

特に現代社会では、成果や生産性が強く求められるため、創作のような非効率な行動は軽視されがちです。

また、「時間がない」「創作する余裕がない」といった日常的な理由も、創作を後回しにする大きな要因です。

では、忙しい現代人が日常生活に創作を取り入れるためには、どんなことを意識できるでしょうか。

創作を生活に取り入れる4つのポイント

マッコイ氏は、創作を日常に取り入れるための実践的なアドバイスを4つ紹介しています。

これらは心理療法の知見に基づき、多くの人に応用可能な方法です。

まず1つ目は「創作に許可を出す」ことです。

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忙しい社会人でも「創作」していい! / Credit:Canva

「下手でもいい」「意味がなくてもいい」と自分に言ってあげることが、創作の第一歩になります。

多くの人は、始める前に「こんなもの作っても誰も評価してくれない」と自分を止めてしまいます。

でも創作は、他人のためにではなく、自分のために行うものです。

自由に、目的なく、ただ手を動かすこと自体に癒しの力があります。

次に、「恐怖と仲良くなる」ことが大切です。

「失敗したくない」「誰かに笑われるのが怖い」という感情は自然なものです。

創作には、自己開示という側面があるため、不安を伴うのは当然です。

それでも、マッコイ氏は「恐怖を否定せずに隣に座らせる」ことを提案しています。

子どもが一生懸命に描いた絵を笑う大人はいませんよね。

自分自身にも、同じ優しさを向けていいのです。

3つ目のポイントは、「習慣にする」ことです。

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創作する時間を確保しよう / Credit:Canva

創作は「時間があるときにやろう」ではなく、「あえて時間を作ってやる」ものです。

たとえば、1日20分だけ、週に数回でも創作タイムをスケジューリングしましょう。

これを予定表に書き込むだけで、心理的な優先順位が上がり、行動につながりやすくなります。

習慣化することで、創作への抵抗感がぐっと下がります。

最後に、「好奇心を追う」ことが創作の鍵になります。

創作のタネは、日常の中のちょっとした「気になる」に隠れています。

たとえば、ふと目に留まった色や形、耳に残ったフレーズやリズム、なぜか気になる物語の断片などです。

こうした感覚に素直に従ってみることが、創作の扉を開くきっかけになります。

創作とは、完成されたアイデアを持って始めるものではなく、手を動かしながら育てていくものなのです。

ここまで考えてきたように、創作は、プロのためだけの活動ではありません。

それは、心を整え、自分を知り、生活に彩りを与える日常の営みです。

「何かを生み出す」という体験は、誰にでも開かれており、あなたの中に眠る創造性を呼び覚ましてくれます。

たとえそれが、誰にも見せない落書きであっても、それはあなたの内面と世界をつなぐ大切な証です。

今こそ、ほんの少しだけ“創る時間”を自分に許してみませんか?

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参考文献

Creativity Is Not a Luxury
https://www.psychologytoday.com/us/blog/finding-the-right-words/202506/creativity-is-not-a-luxury

ライター

矢黒尚人: ロボットやドローンといった未来技術に強い関心あり。材料工学の観点から新しい可能性を探ることが好きです。趣味は筋トレで、日々のトレーニングを通じて心身のバランスを整えています。

編集者

ナゾロジー 編集部

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