猫はどうして舌なめずりをするの?
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猫が舌なめずりをする姿、あるあるのかわいらしい光景です。その行動の背後には様々な理由があるのをご存知でしたか?幾つか紹介します。
緊張している時
人間でも、みんなの前でプレゼンなどをする時に、緊張して舌をペロッとする人を見ることがあります。実は、猫ちゃんも緊張している時に舌なめずりをすることがあるんです。
例えば、明るい所なのに猫の目の黒い部分が大きく丸くなっており、耳が少し寝ているような状態でペロペロと舌なめずりをしているような時は、かなり緊張している状況だといえるでしょう。
そんな愛猫を見かけたら、猫ちゃんの心理を察してあげましょう。しばらくそばにいてあげたり、だっこしてあげたり、なでてあげたりして緊張をほぐしてあげましょう。緊張がほぐれるなら、その種の舌なめずりは収まることでしょう。
困っている時
人間の場合でも、困っている場合に頭をかいたりすることがありますね。それと同じような意味で、猫も考えて困っている時に舌なめずりをする場合があります。
例えばですが、家族のために用意したおいしそうなご飯が、猫ちゃんのすぐにそばに置かれている場合などです。「これ、食べたいんだよなー。でも、食べるとママ(飼い主)に叱られるだろうなー」というような状況ですね。このように、猫なりに困る状況の時に舌なめずりが始まることがあります。
こうしたお困りごとの場合、解消してあげられるような原因であれば解消してあげることができますが、時には猫ちゃんなりに悪いことを考えて困っていることもありますから、あえて原因を解消しない場合もあるでしょう。
さすがに先ほどの例のような状況では、家族のためのご飯を猫にあげることはできません。そのような時はどうすることもできないでしょうね。放っておき、家族のご飯に手を出さないように見張っておきましょう。
食事を満喫した後
猫ちゃんの耳の傾き具合は通常の感じで、目の瞳が細くなっていて、大きく舌で口まわりを舐めて、舌なめずりをしているような時は、特に心配はいりません。安心できます。
それは、ご飯を食べたばかりで、口のまわりに残っているものをなめている時だからです。なめることによって、食事の時に口の周りについた臭いを消そうとしている場合もあります。
いずれにしても、食事を楽しんで「ああ、おいしかった。ごちそうさまー」というような状態ですので、心配には及びません。そのまま見守ってあげることができます。「美味しかったんだね。よかったね」と優しく声をかけてあげることもできるでしょう。
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セルフグルーミングをしている時
毛並みを整えたり、気持ちを落ち着かせてリラックスしたりするために、猫ちゃんが自らテンポよく舌なめずりをすることがあります。
これは、セルフグルーミングと呼ばれる行動です。この場合にも心配には及びません。猫は講習を受けたわけでもないのに、ざらざらした突起のある舌を用いて、自分で自分の身体をきれいにする方法を知っており、セルフグルーミングを行っているのです。
飼い主が過度にグルーミングのお手伝いをしてしまうと、かえって愛猫のストレスが高まってしまうこともあり得ますので、飼い主がグルーミングのお手伝いをし過ぎないようにしましょう。定期的にブラッシングをしてあげる程度で十分でしょう。
病気のサインということも
特にこれと言った理由を思い浮かばないのに、口元のあたりをしきりに舐めている場合には注意が必要です。もしかすると、歯の病気とか口まわりの病気にかかっている可能性もあります。
具体的には、歯周病の可能性があります。もし、歯周病にかかっているのにそのままにしておくと、痛みが生じるようになり、大好きなご飯が食べられなくなってしまうこともあり得ます。
それで、そのような状況を見かけたなら、なめている箇所をよく確認して、病気の可能性が捨てきれないようであれば早めに動物病院に連れて行き、診てもらいましょう。
歯周病については、日ごろから歯磨きをしてあげるとある程度防げるので、予防を心がけることもできるでしょう。
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状況に応じた対応を
このように、猫ちゃんの舌なめずりといっても様々な原因が考えられます。それで、今度愛猫が舌なめずりをしている光景を見たら少し立ち止まって、猫の心理とその原因について考えてみましょう。
心配ない状況もありますが、その一方で何らかの病気にかかっている可能性などもありますので、状況を見極め、状況に応じた適切な対応をしてあげたいものですね。