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猫に青魚は危険?猫に魚をあげるリスクと注意点を解説!


はじめに

「猫は魚が大好き」と古くから言われているため、多くの方が猫と聞くと魚をイメージすることでしょう。実際、猫が魚をくわえているイラストや、魚型をしている猫用フードやおやつもあります。

ところが、猫にとってすべての魚が食べてもいいものではありません。魚介類の中には猫に害を与えるものや、命を危険にさらすものもあります。

ですから、飼い主さんは、猫に与えてもいい魚と与えてはいけない危険な魚をしっかり理解しておくことはとても大切です。この記事では猫に青魚を与えることについても危険性について解説していきます。

さっそくみていきましょう。

猫は本当に魚が好き?

魚を食べようと狙っている猫

Sergio Sergo/shutterstock.com

猫には魚、というイメージは日本独自の考え方です。日本は海に囲まれている島国で、古くから特に海沿いに住んでいる猫たちは漁師さんから新鮮な魚をおすそ分けしてもらっていました。そのため、猫には魚という日本独自のイメージが定着したようです。

港に住み着いている猫たちをみると常に魚を食べているので、必ずしも猫に魚を与えてはいけないというわけではありません。

では、なぜ青魚は危険と言われているのでしょうか?

猫に青魚を避けるべき理由

人間の場合、青魚を食べると頭がよくなると言われていますが、猫にとって青魚は危険な食べ物です。

みなさんもご存知の通り、青魚にはDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)などの不飽和脂肪酸(ふほうわしぼうさん)が豊富に含まれています。

不飽和脂肪酸は、体内で分解されるときに大量のビタミンEを消費します。そのため、青魚を食べ過ぎるとビタミンEが不足してしまい、「イエローファット(黄色脂肪症)」と呼ばれる病気を発症させるリスクが高まります。

不飽和脂肪酸自体は血液をさらさらにするなどの効果もある役割のある物質なので、少量なら問題ありません。しかし、青魚を大量に与えることには注意が必要です。

「イエローファット(黄色脂肪症)」とはどんな病気?

病院で診てもらう病気の猫

PRESSLAB/shutterstock.com

「イエローファット(黄色脂肪症)」はビタミンEが欠乏することで生じる病気です。腹部や胸部にたまってしまった皮下脂肪が酸化して黄色に変色してしまい、炎症を起こしている状態です。

本来脂肪は綺麗な白色をしていますが、イエローファットになるとその名前の通り脂肪が黄色に変色します。

青魚の食べ過ぎや偏食、ビタミンEを大量に消費してしまうような食習慣しているとイエローファットの発症するリスクが高まります。

症状としては脂肪が黄色に変色することに加え、皮下のしこり、元気がなくなる、発熱、奇妙な歩き方などの症状があらわれます。しこりはたいてい腹部にできるケースが多く、猫のお腹を触ろうとすると痛いため嫌がります。

イエローファットの主な原因

猫が発症するイエローファットは、栄養の偏りが原因で発症します。特に猫の場合、青魚の食べ過ぎが原因であると言われています。なぜなら青魚には不飽和脂肪酸が多く含まれているからです。

そのため、猫の脂肪を酸化させ体内で炎症を起こしていることが原因として考えられています。

不飽和脂肪酸とは?

では、イエローファットの原因になる不飽和脂肪酸とはどのような成分なのでしょうか?不飽和脂肪酸は、脂質の構成成分の脂肪酸のひとつです。この成分は健康によく、体内に脂肪として付きにくい脂質ですが、酸化しやすいという特徴をもっています。

不飽和脂肪酸は必ず猫の体内で悪影響を及ぼす成分ではなく、ガンの抑制や記憶力のサポートなど良い働きもしています。

ですから、少量であれば猫にとって有益な働きをする成分なのです。つまり、全体的にみて栄養バランスが摂れていればイエローファットが発症することはほとんどありません。

偏りのない栄養バランスの摂れた食事を与えるようにしましょう。

青魚に含まれている不飽和脂肪酸の量

青魚にはどのくらいの量の不飽和脂肪酸が含まれているのでしょうか?100g中の不飽和脂肪酸の量をみてみましょう。

種類(青魚)不飽和脂肪酸量(100g当たり)
マグロ0.1~0.5mg/100g
かつお0.2~1.8mg/100g
あじ1~1.7mg/100g
サバ2~5㎎/100g
イワシ2~4㎎/100g
さんま4~4.5㎎/100g
ぶり4~4.5㎎/100g

マグロのトロの部分はさらに高い数値になります。また、魚のとれる時期や部位によって数字に誤差があります。特に旬の時期のサバやさんまには多くの不飽和脂肪酸が含まれているので、注意が必要です。

イエローファットの症状とは?

猫がイエローファットを発症すると、次のような症状があらわれます。



  • 2本の足の腹部あたりに、固い脂肪のしこりができる。
  • できたしこりが少しずつ胸のほうに広がってくる。
  • しこりの部分が熱をもっている。
  • しこりが痛むため、猫のお腹を触ろうとすると嫌がる。
  • 突っ立ているような変な歩き方をする。
  • 元気がなくなる。
  • 食欲が低下する。


イエローファットの治療法とは?

イエローファットファットの治療はまず症状の軽減を目的とし、それぞれの症状を抑える治療を行います。

具体的には脂肪の酸化を抑えるためにビタミンEを飲ませたり、患部の炎症を抑えるために抗炎症薬(消炎剤)を処方したり、食事療法で不飽和脂肪酸を過剰摂取しないようフードの切り替えなどをします。

死に至るケースは少なく、栄養バランスを取り戻すことができれば完治することも可能です。

ただし回復には、症状にもよりますが数週間~数ヶ月かかることがあります。日頃から青魚の摂取量を控えて、猫が病気にならないように気を付けましょう。

イエローファットの予防法

では、イエローファットを予防するために、日頃どのようなことをすればよいのでしょうか?

上でも触れているように、ビタミンEは脂肪の酸化を抑える働きがあります。ですから、普段から愛猫にビタミンEを多く与えたり、青魚を与えるときは必ず一緒にビタミンEを摂取させるようにすれば、イエローファットの予防になります。

また、愛猫に手作りごはんを与えているなら、ビタミンEが含まれているオイルをプラスされることをおすすめします。

ビタミンEが豊富に含まれている代表的なオイルには、米ぬか油、ひまわり油、大豆油、紅花油などが挙げられます。

また、鶏肉や牛肉にも豊富なビタミンEが含まれています。さらにキャットフードに使われている原材料をよく確認し、青魚だけでなく、肉類メインのフードも与え、栄養バランスが偏らないようにしましょう。

気をつけたいこととして、ビタミンEはイエローファットの予防になりますが、ビタミンEの過剰摂取はまた別の問題がでてきますので、くれぐれもバランスに気を付けて与えるようにしましょう。


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