愛犬が恐怖や不安を感じているときには和らげてあげたいと思いますし、喜び楽しんでいるときには一緒に楽しみたいと思いますね。そわそわするといった様子は表情でも読み取ることができますが、動作によってもいつもと違うことが分かるでしょう。
例えば、散歩の時間が近づいたり、もうすぐご飯の時間だったりと賢いワンちゃんはそわそわすることによって楽しみにしていることを表現してくれます。しかし、何気ないそわそわする様子には病気や精神不安からくるものもあります。どのような理由があるのか見ていくことにしましょう。
1.そわそわする理由

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そわそわする理由には病気や不調を訴えていることがあり、飼い主さんに助けを求めているS・O・Sのサインであることもあります。どのような理由があるのか一緒に見ていくことにしましょう。
1.体調不良や精神的不安
体調不良の中には胃腸の働きが悪いこと、メスであれば子宮の病気、誤嚥による異物の詰まり、便秘といったものが考えられます。犬はもともと痛みには強いと言われていますが、腹痛などを引き起こした場合はしっぽを下げてひたすら歩き回ったり、そわそわすることがあります。
・精神的不安
自分ではどうしたら良いのか分からずに、落ち着かないため行動に表れるのでしょう。生活環境の変化や食事(フード)の変化、お散歩に行けてないことによるストレスが関係していることもあります。
愛犬の様子をよく観察して、体調不良だと思われる場合は緊急性があるとして早く動物病院に連れていってみてもらうようにしましょう。食欲がない、嘔吐するなどの場合は胃腸に問題があることも考えられるかもしれません。食事の様子や食後の様子にも気を配るようにしましょう。
・高齢の場合の病気
メスのワンちゃんは生殖器系の病気の可能性が高くなりますので、動物病院で診察して異常や変化がないか見てもらうことも大切です。精神的不安の場合は、愛犬が落ち着ける方法を考えてあげることができるでしょう。
生活環境やフードを変える場合は、急に切り替えるのはやめましょう。引っ越しの時にもすべて新しいものにするのではなく以前使っていたものを近くに置いてあげたり、フードも少しずつ慣らしていけるように量を加減したりすることによって工夫して変化を急激なものとしないように心がけましょう。
2.認知症

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人間と同じように犬にも認知症があります。高齢になると、同じ所を何度も行ったり来たりしたり、同じところをくるくると回ったり、昼夜逆転の生活リズムになったり、何回もご飯を欲しがったり、トイレを失敗してしまうようになるといった認知症の症状が出て、そわそわしてしまうことがあります。
人間と症状も似ているので認知症には気づきやすいと思います。愛犬が高齢になってこのような症状が見られて「認知症かな?」と思い始めたら動物病院に相談してみることもできるでしょう。様々な治療法やアドバイスを専門家の視点でしてくださいますし、介護を飼い主さん一人で頑張らず辛い思いを聞いてもらうことも大切なことです。
3.甲状腺機能の低下

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甲状腺機能低下症とは、喉のあたりにある甲状腺・副甲状腺から分泌されているホルモンが、何らかの理由でうまく働くことができなくなっている状態のことを言います。
甲状腺機能低下症の症状としては、犬がいつもそわそわするようになったり、ちょっとした物音も怖がって吠え続けるといった様子が見受けられるようになるそうです。
この場合、放っておくと病状が悪化する恐れがありますので、すぐに動物病院で診察を受けるようにしましょう。
4.てんかんの前兆

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てんかんは脳の神経が活発になり過ぎることで起こる症状です。全般性と焦点性発作の二種類がありますが、全般性発作の場合、倒れて硬直して泡を吹いたりして飼い主さんもとても驚かれることでしょう。持病として把握していらっしゃる飼い主さんもおられると思います。
てんかんの前兆として「なんかそわそわしてるな?」と感じることが見受けられるそうです。愛犬が最近そわそわすることが増えたなと感じるようであれば、てんかんという病気の可能性もあると頭に入れて動物病院に診察に行った時には症状を獣医さんに伝えるようにしましょう。
判断に迷う時には動画などを撮影して獣医さんに見てもらって判断していただくことも勧められています。持続的に落ち着きがない様子が続くことには病気が隠されていることが考えられますので素人判断ではなく、動物病院で診てもらうようにしましょう。
2.そわそわするシチュエーション
愛犬がそわそわと落ち着かない様子の時には何かを期待している時や不安な感情が関係していることもあります。どのようなシチュエーションが考えられるのか普段の生活の中でよくある場面を取り上げてみましょう。
1.ご飯や散歩の前など、楽しみが待っているとき

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ご飯や散歩の時間が近づくとそわそわしてフードの周りをうろうろ、飼い主さんの周りを様子を見ながら動き回ったりすることはないでしょうか。中にはぐっすり眠っていても、ご飯の時間になると飛び起きてキッチンの周りをそわそわ歩き出す犬もいるようです。
ご飯や散歩を1日の楽しみとして待ち遠しく思っている犬は、その気配を察知すると落ち着かない様子を見せることがあります。元気で食欲旺盛なのは良いことですね。早起きでパタパタする姿はとても愛らしいものですね。
2.来客があるとき

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来客があるときにそわそわする犬もいるでしょう。来客があると分かったときから、どこか落ち着かない様子で、お客さまが来たらとりあえず匂いをチェックし始めます。興味が冷めて一通りチェックが終わると、疲れてしまったのか寝てしまうこともありますね。
来客があるときには、飼い主さんもそわそわして用意を始めたりお部屋を片付けたりと普段の生活とは行動が変わってきますので、犬はその様子を感じ取って一緒にそわそわしていることが考えられるでしょう。飼い主さんの気持ちと愛犬の気持ちがつながっているんですね。
3.トイレがしたいとき
まるで人間の子どものように、トイレに行きたいときは犬もそわそわします。なぜか顔を覗き込んできたり、トイレの周りをうろうろとしてみたりすることがあります。我慢しないでトイレをしたらいいのにと飼い主さんは思われることでしょう。人間の子どものようにたまには我慢してしまうそんなときもあるものですね。
特に、お腹の調子が悪いときや気分が悪いときは、1日中そわそわした様子を見せることがあります。トイレを我慢しているように見えるのに、なかなかトイレしないときには、外に連れていってあげることもできるかもしれません。また、トイレが汚れていると嫌がってうろうろすることもありますのでいつもトイレは清潔にしておくようにしましょう。
4.病院やトリミングなど、緊張感のあるとき

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病院やトリミングなど、犬にとって緊張が伴う場所に出かけるときはそわそわしますね。予約の電話をかける時点で、何かを察知しているのかそわそわし始める犬も多いと思います。飼い主さんの電話での話し方で感じるのでしょうかね。
犬が人間の言葉を話せたら、きっと「いつ行くの?今から?」「どうせなら早く済ませたい…」などと言っているのかもしれませんね。獣医さんやトリマーさんは、そんなに怖いことはしないから安心して欲しいと思っていますが、飼い主さんから離されますので愛犬が緊張感を感じるのは理解できますね。
5.飼い主さんがいつもと違う行動をするとき
例えば、いつも寝ている時間に出かける支度を始めたり、起きてくる時間に起きてこないで体調を崩して寝込んだりすると心配そうに見つめたりそわそわすることがあります。飼い主さんのいつもと違う行動や様子に、普段は落ち着いている犬でもそわそわすることがあるのです。
犬にとって、飼い主さんの予想外の行動は不安をあおるものなります。愛犬の不安を取り除いてあげるようにしましょう。スキンシップを図ったり、「大丈夫だよ」と優しく声をかけてあげることによって落ち着きを取り戻すことができるでしょう。
3.まとめ
犬は言葉が話せないので、自分の気持ちを行動によって飼い主さんに伝えようとしています。
期待感にあふれてそわそわして楽しみにしていることを伝える動作であれば良いのですが、そわそわする時には病気が関係していることもあります。何かの不調や障害が生じているからそわそわ落ち着かないということがあります。
普段から落ち着きがない犬が持続的に落ち着きのなさが続く場合と、落ち着いた性格の犬が急にそわそわして落ち着かないというのは違うので見分けるようにしましょう。普段から愛犬を観察しているのであれば、変化に早く気づいてあげることができるでしょう。変化に気づいたならすぐに動物病院で診てもらうことも大切です。
病気だけではなくストレスを感じる状況や環境の変化もそわそわさせることにつながります。引っ越しや家族が増えたりして環境が変化すると周りで生じる音も変わっていますので、不安を感じたりして落ち着かない様子が見られるようになるでしょう。安心できるように家族にも少しずつ慣れるようにしてあげたり、優しく声をかけてあげるようにしましょう。
食事の変化もストレスになりそわそわして落ち着かなかったりするだけでなく、身体の不調につながることも考えられます。フードを体調に合わせて調整する必要が生じたときには獣医さんとも相談しながら、少しずつ新しい食事に慣れるよう試していくようにしましょう。
そわそわしていつもと違う行動を愛犬がするときには飼い主さんの行動も関係してきます。自分の行動が普段と違うことはないかも考慮してみると良いでしょう。愛犬は安定した環境と飼い主さんからのいつも変わらない愛情を受けることによって安心して過ごすことができるでしょう。