鉛筆は、筆記用具の一種で顔料を長く固めた芯を軸に挟んで持ちやすくしたもの。鉛筆のJIS規格は、長さは172mm 以上、太さは最大径8mm以下と定められているようです。そんな鉛筆ですが、Twitterにシロイ/鉛筆彫刻人(@shiroi003)さんがご投稿した「鉛筆の芯のアート作品」が話題を集めています。その作品は繊細で緻密な彫刻が施され、クオリティの高さと共に、驚愕のミリ単位の小さな小さな世界に魅了される人続出しています。
圧巻!数ミリのアートの世界
#大事な事なので5回言います
芯です
芯です
芯です
芯です
芯です pic.twitter.com/YFBUacXvUq— シロイ/鉛筆彫刻人 (@shiroi003) November 21, 2022
鉛筆の芯を彫刻したものすごいアート作品のツイートを発見しました!鉛筆の芯って当然のことながら細いですよね?ネジのメタリックなツヤ、窪み、トップの丸みなどどの部分を切り取ってみても、鉛筆の芯だとはとても信じ難い作品です。
ツイートのリプ欄には、「リアルなネジにしか見えない」「細部までこだわって再現していてすごい」といった、あまりにもクオリティの高い作品に驚きと絶賛の声が溢れています。
・ネジっぽい芯!切り離したらホントに使えそうです。
・鉛筆の芯にネジ止めしてる様にしか見えないくらい綺麗なネジの形の芯・芯・芯・芯・芯ですね。
・ネジにしか見えない。スゴい繊細な作品に感動です!!
・細かいところまでとってもきれいです。ネジとしてどこかの部品に使えそう!
制作者さんインタビュー
制作者のシロイ/鉛筆彫刻人(@shiroi003)さん(以下、シロイさん)にお話を伺いました。
■プロフィールを教えてください。
新潟で鉛筆彫刻をしている鉛筆彫刻人です。もともと美術は大の苦手でしたが、初めて見た鉛筆彫刻に衝撃を受け制作をスタート。SNSにて作品を投稿しています。
■制作歴、制作を始めたきっかけは?
制作を始めたのは約7年前。きっかけは偶然テレビで鉛筆彫刻を見たことです。
きっかけとなったテレビを見て「本来文字を書く道具自体を文字にするアイディア」と「それを折らずに作り上げる技術」に大きな衝撃を受け自分でもやってみたい思いと鉛筆彫刻を始めました。
■一体どのように作られているのでしょうか?
文字の場合ですと、まず鉛筆の芯をむき出し芯を板状にします。そこから芯に下書きをし輪郭を針でなぞりそこから不要な部分を削って作ります。(※上記はブラックフライデーのタイミングで作成された文字の作品です)
造形物の場合はものによりそれぞれですが、基本的には芯をむき出した後に荒削り、成形、仕上げという流れになります。
■制作する際、道具は何を使うのでしょうか?また、ネジの作品はどれくらいの制作時間を教えてください。
主にカッター、デザインナイフ、ヤスリ、針、ドリルなどを使用しています。ネジ作品については合計6時間ほどですね。ただその前に2度折れて3度目の挑戦で完成させることができました。
■作品作りの際、こだわられているところ、難しいところなど教えてください。
小さい芯の直径の中で、いかにクオリティの高いものを作れるかということをいつも考えています。難しいところもまさにこの点で拡張できない芯の直径でいかに作るか。難しい点でもあり、やりがいを感じる所でもあります。
■今まで何作品くらい作られてきましたか?また、一番思い入れのある作品は?
200本以上は作ってますね。一番思い入れのある作品は40個の鎖を作った「Pencil chin 40」という作品です。(※上記の画像です。)鉛筆の両端を残し真中部分を鎖にし、本来曲がるはずのない鉛筆を曲げたという作品です。40個という数は狙ったものではなく自分の限界に挑戦し偶然切のいい数字になったものです。30個目から折れる恐怖との闘いで手が震えました。その分、完成したときの達成感は凄かったですね。
■いいねやRTされるなど反響がありますが、 どのような心境でしょうか?
素直に嬉しいですね。まだ日本では鉛筆彫刻というものの認知度は高くはないので、皆様の力でより多くの人に鉛筆彫刻を見てもらえるのはすごく嬉しいですし、より良いものを作ろうというモチベーションにもなります。
シロイさん、奥深い芯作品のお話をしていただきありがとうございました。
最後にシロイさんに今後の夢や制作されたい作品は?と伺ったところ「今後はもっとそれぞれの鉛筆の特徴、芯特有の艶だったり色鉛筆の色を活かすような作品を作っていきたいですね。そして鉛筆の芯が作る鉛筆彫刻という新たな世界「芯世界」をもっと多くの方に楽しんで欲しいです。」と語られたシロイさん。
ぜひ、シロイさんにしか出来ない「芯世界」をより世に広めて、多くの方に圧巻の感動を届けていただきたいですね。今後の益々のご活躍を秒刊SUNDAYも応援しています!
ミリ単位といえば、超絶技巧な美しいガラス細工も緻密な作業が必要で驚かされますよ!
取材協力:シロイ/鉛筆彫刻人(@shiroi003)