ここ数年、セダンの人気が急速に下火になりつつある。ここ最近でもホンダ・シビックセダンやトヨタ・マークXなどの伝統モデルがラインアップから消えてしまった。しかし、クルマの基本的なシルエットといえばセダン。4人がしっかり乗れる、重心が低く走行性能が高いなどセダンには多くの魅力がある。そこで今回の【モーターファンおすすめ中古車】では、100万円で狙える中古のGTセダンを5選ご紹介しよう。

セダンはクルマの基本であり、低重心から得られる安定した走行性能など、他のカテゴリーにはない多くの魅力がある。




今回はそんな魅力あるセダン、そのなかでも運転の楽しいGTセダン5選を紹介する。発売当時、高価だったクルマも、現在、中古となれば100万円程度で狙える魅力的なモデルも少なくない。ぜひ自分に合う一台を見つけていただきたい。

13代目トヨタ・クラウン アスリート さすがはクラウン!スポーティなのに乗り心地がいい

2008年発売当時の価格は374〜567万円。3.5ℓモデルのエントリーグレードは487万円だった。写真は後期型。

クラウンは、1955年の誕生以来、半世紀以上にわたり日本の高級車をリードする伝統モデルだ。今回紹介する13代目クラウンは、「安心」「信頼」といったクラウン伝統の資質を受け継ぎながら、当時の先進技術を積極的に取り入れ、日本人の感性と調和する魅力を備えた高級セダンを目指して開発された。またこのモデルからクラウンにもハイブリッドモデルが登場したことも大きな話題を呼んだ。今回紹介するのは、ガソリンエンジンのスポーティグレードのアスリート。一目でクラウンとわかる伝統あるデザインのなかにもクリーンな表情と存在感のあるフォルムを両立したスタイルが魅力だ。



アスリートのパワートレーンは3.5ℓ、2.5ℓの2種類のV6エンジンが設定された。2.5ℓモデルはアスリートでも非常に上質で静かなエンジンだ。最高出力215ps、最大トルク260Nmを発揮しパワーも充分でゆったりとしたドライブを楽しめる。ただGTセダンとしておすすめなのは3.5ℓモデル。315psを発生するパワフルなエンジンは、非常にスポーティで自然吸気らしい吹け上がりが気持ちいい。またスポーティグレードなのに乗り心地がめちゃくちゃいいのは、さすがはクラウン。後席も広いため大人4人がドライブを楽しめる快適なGTカーだ。




平均中古価格は約99万円。


たとえば「クラウンアスリート 3.5 2008年式、走行4万2000kmで車両本体価格92万円」というようなところが標準的な中古相場だ。


3.5ℓモデルは2.5ℓモデルよりも相場が高めだが、それでも3.5ℓエンジンを選ぶ価値はその価格差以上にあるだろう。

全長×全幅×全高(㎜)=4870×1795×1470


ホイールベース(㎜)=2850


エンジン:3.5ℓ V型6気筒DOHC


駆動:FR


最高出力:315ps(232kW)/6400rpm


最大トルク:38.4kg・m(377Nm)/4800rpm


使用燃料:無鉛プレミアムガソリン


トランスミッション:6AT


車重(kg):1650


新車価格:487万円


※2008年発売当時のスペック

スズキ・キザシ じつは完成度の高い優等生 隠れた名車だ!

2009年発売当時の価格は278.7〜299.7万円。FFと4WDの価格差は約20万円だ。

「キザシ」は、2009年から2015年まで販売されたスズキのフラッグシップセダンだ。Dセグメントに属し、一世代前のBMW3シリーズなどと同サイズとなる。スポーティで力強いスタイリングや丹念な作り込みによる上質なインテリア、快適な装備に加え、感性に応える爽快な走りを目指し開発された。また欧州・北米で走行テストを重ね、スポーティーなハンドリングと快適な乗り心地の両立させている。とくにエクステリアデザインはリヤバンパーの一部に取り込んだマフラー後端にはステンレス製のカバーがさりげなく施されているなど、大人しめながらもスタイリッシュで品のあるデザインを採用。18インチの大柄なホイールも含め、いま見ても魅力のあるデザインだ。また、クルーズコントロールや雨滴感知フロント間欠ワイパーなどオーディオ関連を除き標準装備が充実していることも中古を選ぶ際に嬉しいポイントだ。運転席パワーシートにはシートポジションメモリーまでついている。



エンジンは2.4ℓ直4エンジンを採用。当時のエスクードと同じものだが、こちらは22psのパワーアップが図られ、より高速域で余裕のある走りを楽しめる。またサスペンションもフロントはマクファーソンストラット式、リヤはマルチリンク式のため高い操縦安定性と快適な乗り心地を両立させている。中古市場でもタマ数が非常に少ないが、GTセダンを100万円前後で探す際は、是非キザシをショッピングリストに入れてみてはいかがだろうか。




平均中古価格は約100万円。


たとえば「キザシ 2.4 2010年式、走行3万9000kmで車両本体価格85万円」というようなものがある。


世界市場で戦うために開発されたキザシは、スズキの本気を感じられるGTセダンだ。

全長×全幅×全高(㎜)=4650×1820×1480


ホイールベース(㎜)=2700


エンジン:2.4ℓ 水冷直列4気筒DOHC16バルブ


駆動:FF


最高出力:188ps(138kW)/6500rpm


最大トルク:23.5kg・m(230Nm)/4000rpm


使用燃料:無鉛レギュラーガソリン


トランスミッション:CVT


車重(kg):1490


新車価格:278万7750円


※2009年発売当時のスペック

先代アウディA4 嫌味のないすっきりとした乗り味が魅力!

2008年発売当時の価格は419〜645万円。2011年に追加された売れ筋の2.0TFSIは440万円。写真は前期型。

アウディA4は、1972年にデビューした初代(当時のモデル名はアウディ80)以降、約50年にわたりプレミアムミッドサイズセダンのカテゴリーにおけるスポーティでエレガントなモデルとして世界中で支持されてきた。今回紹介する8世代目のアウディA4は、当時革新的だと話題になったアウディのシンプルかつスポーティなエクステリアデザインや新設計されたシャーシレイアウトによる嫌味のないすっきりとした走りによって日本でも大人気となったモデルだ。



パワートレーンは豊富で、3.2ℓNAエンジンと1.8ℓ、2.0ℓターボエンジンが設定された。おすすめは2.0ℓのFFモデル。最高出力180psのこのエンジンはバランスが良く、ロングドライブもまったく疲れない。また街乗りでは乗り味が非常にすっきりしており、扱いやすい。悪く言えば、メルセデスやBMWと比べて味気ないとも言えるが、毎日乗るクルマなら逆にこの方が長く付き合えるのではないだろうか。またFFモデルはCVTが採用されており滑らかな加速が心地いい。ただし、急加速時にはターボエンジン特有のラグが感じられる場面もあるので慣れが必要だ。また、よりスポーティに走りたいなら2.0ℓクワトロ(四駆)モデルをおすすめする。こちらはCVTではなく、7速のSトロニック(DCT)となりダイレクトな加速が味わえ、エンジンも211psとパワーアップしており余裕のある走りが魅力だ。ワインディングでも四輪がぐっと地面に張り付くような感覚はクワトロならではの持ち味だ。



平均中古価格は約103万円。100万円以内となると前期型がほとんどだ。


たとえば2.0ℓFFモデルだと「A4 2.0TFSI 2012年式、走行4万6000kmで車両本体価格76万円」というような中古車がある。


爽快に走れるGTセダンを探すなら先代A4はぴったりだ。

全長×全幅×全高(㎜)=4705×1825×1440


ホイールベース(㎜)=2810


エンジン:2.0ℓ 水冷直列4気筒DOHC16バルブ


駆動:フルタイム4WD


最高出力:211ps(155kW)/4300~6000rpm


最大トルク:35.7kg・m(350Nm)/1500~4200rpm


使用燃料:無鉛プレミアムガソリン


トランスミッション:7AT


車重(kg):1680


新車価格:495万円


※2009年発売当時のスペック

先代日産スカイライン 3.7ℓV6エンジンは7500回転まで軽く滑らかに吹け上がる!

2006年発売当時の価格は279.3〜380.1万円。2008年に登場した3.7ℓモデルは369.6万円だった。写真は後期型。

日産スカイラインは、1957年から続く日本を代表するスポーツFRセダンだ。今回紹介する12代目の商品コンセプトは、「魅惑・洗練・高性能」。躍動感あふれるスポーティなエクステリアと前型のFMパッケージを踏襲しながら、新世代FR-Lプラットフォームを採用し、FR車専用の新開発V6エンジンを搭載、吸排気システムやサスペンションなども一新された。そのため、高剛性・低振動ボディの実現により、運転して楽しい走りのよさと、同乗者も快適で安心できる乗り心地を実現している。またエクステリアデザインは、4隅に配置した大径タイヤと後輪に重心のかかった踏ん張り感があるプロポーションによって、走りの良さとFR車らしさを表現している。



2006年発売当初のパワートレーンは、2.5ℓと3.5ℓの2種類のV6エンジンを採用。2008年の改良では3.5ℓモデルは3.7ℓへ排気量を変更している。おすすめはその3.7ℓV6エンジン。大排気量NAエンジンらしく、2400回転から7000回転で最大トルクの90%を発揮する力強さと扱いやすさを兼ね備えつつ、7500回転まで軽く滑らかに吹け上がる伸びの良さを両立。いまのクルマでは少なくなった極上の加速フィールを味わえる。またアクセル開度や回転数などの運転状態に応じて、エンジンの吸気バルブの作動角とリフト量を連続的に変化させる日産独自「VVEL(バルブ作動角・リフト量連続可変システム)」を採用。これにより、吸気抵抗(ポンピングロス)が低減し、吸入空気の応答性が飛躍的に向上した。そのため素早い加速レスポンス、高出力、低燃費が高次元で可能となった。



前期型の平均中古価格は約250万円。


たとえば3.7ℓモデルだと「スカイライン 370GT 2009年式、走行6万5000kmで車両本体価格55万円」というような中古車がある。


3.7ℓモデルは、ほかのモデルと比べて極端にタマ数が少ないので注意が必要だ。

全長×全幅×全高(㎜)=4755×1770×1450


ホイールベース(㎜)=2850


エンジン:3.7ℓ V型6気筒DOHC


駆動:FR


最高出力:330ps(243kW)/7000rpm


最大トルク:36.8kg・m(361N・m)/5200rpm


使用燃料:無鉛プレミアムガソリン


トランスミッション:7AT


車重(kg):1610


新車価格:369万6000円


※2008年発売当時のスペック

先代スバル・レガシィB4 コンセプトはGT革命!まさにグランドツーリングにぴったりの一台

2009年発売当時の価格は220.5〜328.6万円。当時のターボモデルは278.2万円だった。写真は前期型。

2009年に発売されたスバル・レガシィB4は『グランドツーリング イノベーション』をコンセプトとし、水平対向 エンジンを中心とするシンメトリカル AWDなど独自の技術をベースに、初代より磨き続けてきた優れた走行性能や安全性などを進化させたモデルだ。



発売当初のエンジンは水平対向4気筒 2.5ℓNAと水平対向4気筒 2.5ℓターボの2種類が設定された。NAエンジンは低回転から発生するトルクによりスムーズでゆとりのある走行性能を実現しており、穏やかでゆったりドライブするのにぴったりだ。その一方でターボモデルは最大出力285psを発生し、最大トルクを2000rpmからフラットに持続させ、優れた走行性能と扱い易さを実現した。またトップグレードには通常の5ATの他に6MTの設定もある。2012年の改良では2.5ℓターボモデルは2.0ℓ直噴ターボエンジンへとダウンサイジングを果たし、最高出力は15psアップし、300psとなった。同時に2.5ℓNAエンジンも新世代のものにバトンタッチ。こちらは従来型に対して、日常的に使用する中低回転域のトルクを向上させている。NAとターボモデルの性格の違いは大きい。ターボモデルはWRXほどのじゃじゃ馬で獰猛な性格ではなく、それでもロングドライブなどグランドツーリングを楽しみたい人向けだ。



平均中古価格は約80万円だ。


たとえば「レガシィB4 2.5GT Lパッケージ 2009年式、走行2万9000kmで車両本体価格90万円」というような中古車がある。


先代レガシィB4は、まさにグランドツーリングにぴったりな一台だ。

2009年発売当時の価格は220.5〜328.6万円。ターボモデルのエントリーグレードは278万円だった。
全長×全幅×全高(㎜)=4730×1780×1505


ホイールベース(㎜)=2750


エンジン:2.5ℓ 水平対向4気筒DOHC16バルブターボ


駆動:フルタイム4WD


最高出力:285ps(210kW)/6000rpm


最大トルク:35.7kg・m(350Nm)/2000~5600rpm


使用燃料:無鉛プレミアムガソリン


トランスミッション:5AT


車重(kg):1510


新車価格:320万2500円


※2009年発売当時のスペック

今回は中古で100万円で狙えるGTセダンをご紹介した。ひと口にGTセダンといっても、エンジンや駆動方式などの特長・個性はさまざまだ。中古でGTセダンを探される際は、ぜひ、この5車種をショッピングリストに載せて検討してみてはいかがだろうか?

情報提供元: MotorFan
記事名:「 日産スカイラインだけじゃない、スズキ・キザシもある! 100万円で狙えるGTセダン5選【モーターファンおすすめ中古車】