ゴールデンウィーク短期集中連載「スイフト博士カモ?」の加茂 新氏解説で贈るスイスポ丸ごと講座・6日目です。
TEXT:加茂 新(KAMO Arata)
ボディ後編は、装備について見ていこう。
ZC33Sの凄いところは、装備品が充実しているというところ。もはや恐ろしささえ感じるほどなのだ。そもそもこのクルマには廉価グレードというものが存在しない。
“1型” と呼ばれる発売から2019年まで発売されていたモデルは標準モデルが約170万円+税。セーフティパッケージ付きが約178万円+税。セーフティパッケージ&全方位カメラが約185万円+税だったのだが……。
“2型” と呼ばれる現在販売されているモデルからは、セーフティパッケージが標準グレードに変更。価格はやや上がって201万7400円(税別183万4000円)でアダプティブ(追従)クルーズコントロールやデュアルセンサーブレーキサポートがついてくる。
セーフティパッケージをレスオプションして購入も可能で、その場合187万4400円(税別170万4000円)となる。
諸経費をプラスするとセーフティパッケージ付きの標準モデルで220万円程度。ベースグレードなら207万円程度が目安となる。
ほかにもオートエアコンも運転席のシートヒーターも全車標準装備。LEDヘッドライトもLEDフォグランプもバックフォグランプも間欠ワイパーも、いまや当たり前だけどスマートキーも標準装備なのであ〜る!
ちなみに代表的イマドキスポーツの86の場合、廉価グレードのGはキーレスは付くがエンジン始動は鍵を差して回し、エアコンはマニュアル式。
普通のクルーズコントロールはつくが、フォグランプはオプション扱い。それでいて267万1900円。
86にアダプティブクルーズコントロールはないが、それ以外をスイフトスポーツに近いグレードを買うと、オートエアコンにLEDフォグランプ、スマートキーが装備されたGTグレードが該当し、こちらは303万7100円。ZC33Sはアダプティブクルーズコントロール付きで約100万円も安いのだ。
そして、全方位カメラ付きグレードにして指定のカーナビを装着すれば、駐車時に真上から見た仮想映像が見れたり、前も後ろも左側もカメラがついていて確認でき、極めて使いやすい。
推測だが86の場合、「86っていくらするの?」「270万くらいだよ」と。おおよそ普通の人はGグレードを買わないが、GTしかないといきなり300万円オーバーになってしまうし、あえて装備の少ない廉価グレードがあることで、上位グレードが多少高くても売れる可能性が高まるだろう。
スイフトスポーツの場合、スズキの生産能力や作り分けるコストを考えると全車オートエアコン、全車シートヒーター、全車スマートキーにしたほうがシンプルだったのではないだろうか。ともかく購入者としてはこの価格で『トッピング全部のせ』状態は嬉しくてたまらない。【明日へ続く】