TEXT●竹岡圭(TAKEOKA Kei)
本命はやはりこちら。これほどコストパフォーマンスが高いクルマって、そうそうお目にかかれるもんじゃございません。この走りでこの価格。なんたって200万円切ったところから設定されてますからね。スパルタンな1.4Lターボエンジンに組み合わされるのは、6MTか6ATかって、この価格帯でそんなに段数のあるトランスミッションが奢られているなんて、まぁ~見当たらないですよ。
そしてなによりスゴイのが、ガッシリしたボディとよく動く足回り。欧州で鍛えられた、本物のホットハッチなんです。なんたって、ニュルブルクリンクのレンタカーで使われているくらいですからね。あ、レンタカーと言っても、ふつーのじゃなくて、サーキット走るレンタカーですからね。しかもニュルブルクリンクって言ったら、世界中のクルマがテストに来ちゃうような、そこでのタイムがそのクルマの成績表になっちゃうくらいの、すごい道ですからね。本物なんです。
というのもね、これは前々から思っていたんですが、世界の中で日本がいちばんスズキに対するブランドイメージ低いと思うんですよ。例えば欧州でスズキって言ったら、バイクのイメージとの相乗効果で、安心安全壊れず本気でよく走ると、相当ブランドイメージ高いですからね。なんだかもったいないなぁ~つて、いつも思っていたんです。でもだからこそ、日本ではコストパフォーマンスの高いクルマとして、私たちに手が届きやすい存在でいてくれるのかもしれないですけど。うん! これなら買えそうだ。
先日マイナーチェンジされ、フェーズ2に突入したルノー・メガーヌR.S.に乗ってきました。いちばん大きな違いはパワーアップしたこと。トロフィーやトロフィーRといった、その上のスパルタンなモデルたちと肩を並べる300psを手に入れちゃったんですう~♪ まぁ速いのなんのって。ビックリするくらい速いんです。
しかもよく曲がる! わかりやすく言うと4WSみたいなシステムが装着されているので、グイグイ曲がる。真っすぐでは安定する。トロフィーになると機械式のLSDまで着いちゃう。これでラリーに出たら、もしかしたら今よりそこそこいけるんじゃないか?! な~んて、自分の腕を棚に上げて思ったりもしちゃうわけです。ESCもオフにできるしね!
まぁラリーに使うにはイニシャルコストが高すぎますが、普通に乗るならこのポテンシャルでこのお値段は安いと思います。私が11年前に256psのフォルクスワーゲン・シロッコRを購入した時515万円だったんですよ。そう考えると11年後のトロフィー(MTが494万円、6ATが504万円)の方がまだ安いってスゴくないですか? 正直欲しい。いま買えないけど(涙)。
数字的には決してお安くはございません! 新しく加わったFRモデル(コレがいちばん安い)で1171万円。タイカン4クロスツーリスモで1309万円。4Sで1448.1万円ですからね。
でもね、タイカンはポルシェなんですよ。ポルシェと言えば、ほとんどの装備がオプション選択でございまして、欲しい装備つけていったらもう青天井。まぁ普通に快適に安全に、やや所有欲を満たすくらいで、いともカンタンに2-300万円追加という感じなりがちなんですよね。ところが、タイカンは結構な装備が最初からついてるんです。つまり、そんなに追加しなくても、快適に安全に、十分所有欲を満たせるクルマに仕上げることができちゃうってわけなんですよ。
しかも、ライバルのプレミアムEVを見ても、だいたいがまぁ1000万円オーバー。中には1000万円切りました~♪ なんていうものもありますが、それだってもうギリギリ1000万円をなんとか切ったけど何か? というレベル。そう考えると、ポルシェブランドの高性能パフォーマンスEVスポーツカーが手に入ると思えば、意外とお買い得だったりするわけなんです。
EVの車種がまだまだ少ない今だからこそ、お買い得感の強いクルマと言えるでしょう。とはいえ、一生買えないかもだけど(涙)。
『プロが選ぶ最強のお買い得車』は毎日更新です!
予算に限りがある庶民にとって、車選びの際にこだわりたい要素が「コストパフォーマンス」。つまり、その車がお買い得かどうか、ということ。ただ安ければいいというわけではありません。ポイントは「値段と性能が釣り合っているか」。だから、価格が安い軽自動車だからコスパがいいとは限りませんし、1000万円以上のスーパーカーだってその価格に見合う機能や魅力があればお買い得と言えます。
というわけで、自動車評論家・業界関係者といった「クルマのプロ」たちに、コストパフォーマンスが高い「お買い得」な新車を3台ずつ、毎日選んでいただきます。明日の更新もお楽しみに。